そして鬼と成る

プロローグ

今まで主流だったオリンピック。
しかし、それに取って代わる、あるスポーツが脚光を浴びていた。
その名を『呪術技』と。
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『おーっと！！海桐誠選手、ついに刀をぬいたー！！』

沸き上がる歓声。
そう、今まさに世界一の覇権を懸けた、最も熱い戦いが繰り広げられていた。
そもそも呪術技とは何か？
と思う人も多いだろう。
21世紀の初め、ウェヴルス・ゲイブ博士が、

“人間には、呪力と言うものが存在する。そして、それをデータに変換させ、現実で実在するCG、リアリティーコンピューターグラフィックス略してRCG、を作り出せる。”

と言う衝撃的な論文を発表した。
それにより、RCGを用いたセキュリティシステム、巨大な素数を使い守っていた国家機密、軍事機密、個人情報までもが、RCGの導入により、強固に保護されるようになった。
呪術技とは、RCGを用いた技術革新による産物の一つである。

『ついにきまったー!!!世界一は、やはりこの男ー!!6年間、頂点に君臨し続けるチャンピオン!!付いた異名は“覇王”!!その男の名はー…海桐誠ー!!!』

そこで俺はテレビを消す。そして母さんを、起こさないように自室へ戻り、机に向かっていったのだった。