黒の陰陽師

文月くー

文字の大きさ
上 下
11 / 54
第一章 学園生活

第十話 魔刀解放

しおりを挟む

「うぉぉぉ!!」

どんどんほとばしっていく呪力が高まっていく。

『魔刀解放』「堕ちろ『絶禍無月』」

無月から、目視できる程の漆黒の呪力が、溢れ始め、俺を包む。
少しの静寂の後、漆黒の繭から、何かが飛び出してきた。

「待たせたな。これが魔刀解放だ」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





(本当に、何が起きている!?)

神威は、理解出来ずにいた。
なぜなら、さっきまで、雑魚でしかなかった人間が、今では、自分と同質、いや、それ以上に、深い呪力を纏っているから。
だからこそ、神威には、到底理解できなかった。

だが、考えている時間すら、神威には与えられていなかった。
腹部に感じる強い痛み。
明らかに殴られた後だ。
しかし、奴が攻撃する素振りなど、全くなかった。
なかった?いや、違う。俺が、奴の攻撃をのだ。
その事実に、神威は、ただただ戦慄するのだった。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





「どうだ?防戦一方に回ってる気分は?」

見たところ、相当消耗してる。
すると、向こうから、話しかけてきた。

「ようやくわかった。お前の能力。お前、自分自身を魔刀に、置き換えてるんだろ?だから、その、魔刀解放?した後、魔刀を持っていなかった。そして、お前は、圧倒的な速さで、俺を、。違うか?」

「正解。だけどな、どうすることも出来ずに、お前は死ぬんだよ」

俺は、呪力をほとばしらる。

無限群狼むげんぐんろう

俺の影から、漆黒の狼が、生まれ、神威に殺到する。

「チッ…!!」

神威は、後ろに跳ぶと、

「お前、名は?」

「伏黒燐だ。」

「そうか。燐。お前だけは、俺が殺す。」

と、言い残し、《あわい》へと、消えていった。



ふー、やっと、終わったー。
これで、しばらくは、休めるなー。
などと、思ってもいたのだが、休めるはずもなかった。
なぜなら、

「あれは、どういう事だ…?!」

「り、燐くん…!?」

質問攻めにあうことになるから。
だけど、これだけなら、まだ良かった。
この後、起きる事が、混沌カオス過ぎるのだ。
それは、

「りーん!!大丈夫だった?!ごめんね!?お姉ちゃんが、一緒にいてあげられれば、よかったんだよね!?」

「お兄ちゃ~ん!!大丈夫?!」

と、澪姉と、凉花が、抱きついてきたことだ。
それも、全校の前で。

「あぁ!?仕方ない!!」

俺は、転移符で、転界門を開き、晴兔達と、澪姉達を連れて、飛び込んだのだった。




しおりを挟む

処理中です...