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第一章 学園生活
第二十九話 本選一試合目・蒼月瑞希
しおりを挟む『さー!この時間がやって来たー!ついに本選が始まった!!初戦は、次期〝水天翼〟候補の、蒼月瑞希対伏黒燐だー!』
エ?エ?ドウイウコト??
『みんながどよめくのも仕方がない!何せこの私、マックスXも、ビックリしたんだから!そう、何を隠そう!彼こそが!史上最年少で十二天翼となった、天才!現〝殲天翼〟!伏黒ー燐だー!』
ワァァァァァァァァァァァ!!
『さぁ!この男は次期十二天翼に無惨に負け去るのか?!それともこの力を見せつけるのか?!一体どんなパフォーマンスを魅せてくれるのか!?期待の第一試合目のステージは―…』
『なんと!『渓流』に決まったー!蒼月瑞希に有利なステージだが!どんなバトルになるのか?!さぁ!今!ゴングは鳴り響いたー!!』
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【渓流ステージ】
なんだこの緊迫した空気は??
もっと楽しんでやろーぜ!
と、言いたいところなのだが、開始直後から怒濤の猛攻の嵐で、少しでも気を抜けば、そこを突かれるので、そう易々と気を抜けない。
「あなたが十二天翼なんて信じられません!だって全く妖気が感じられませんもん!例えコントロール出来ていたとしても、そんなに完璧になんて出来る筈がないんです!」
はぁー。
めんどくせぇなぁ。
出来なきゃ十二天翼として失格なんだが?
そもそも、深雪の娘がこんなに思い込みの激しいおてんば娘だったとは…。
観客席にいる深雪に念話を繋げた。
《この子すごいな。》(燐)
《もうボコっちゃって良いから。》(深雪)
いや、それは親としてどうなんだ??
まぁ、最初から軽くボコる予定だったのだが。
《適度にやっとくよ。》(燐)
《頼んだよ。》(深雪)
念話を切り、俺は懐から十枚もの呪符を上へと投げ、詠唱を唱える。
「えぇ?!同時詠唱?!それも十種の同時!!」
何やら驚いているようだが、このくらい出来なくては十二天翼としてやっていけないしな。
というところで、詠唱が完了した。
『淵火燈籠』
この技は時間差で攻撃する技だ。
「うぁ!」
何個かは当たったな。
ただ、あちらさんはちょっと怒ってるかなー??
「もう許さない!」
すると、呪符を取り出し、
『万物の素でありし水よ。その猛威をここに呼び覚まさん!』「流れ斬れ『霧時雨』」
あーもう、めんどくさいなー。
こっちはサクサクいきたいんだよ。
ってことで、
「ふっー。………ッ!!」ギロリ
「ひぃっ?!」
その、小さな悲鳴を残し、瑞希は倒れていった。
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