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第二章 戦争
第四十話 帰還
しおりを挟む「そぉれ!!」
深雪が攻める。
「くっ…!!」
神威は、深雪の独特の槍使いに苦戦しているため、まともな攻撃が出来ていない。
よって、一方的に、深雪の攻撃となっているのだ。
(このまま押しきる!)
そう思いながら、深雪は、別の術式を展開し始める。
「『水縛弾』」
この技はその名の通り、水で拘束する技だ。
拘束してしまえばこっちのものだ!
と、深雪は思った。
「なめるなよ?」
そんな甘ったるい半端な強さではなかったのだ。
と言うより、十二天翼全員が、十禍将をなめていたのだ―。
・・・・・・
・・・・
・・
「くっ…!」
あれから、一方的に押されているのは、陰陽軍の方だった。
「晴明様!このままでは、燐が戻ってくる前に、負けてしまいます!」
舞が、晴明に訴える。
しかし、晴明は、逆に口角を薄く上げて、こう告げた。
「いいや、大丈夫だったみたいだよ。さぁ、英雄の帰還だ…!」ニヤリ
そう、燐の率いる〝影〟が帰ってきたのだ。
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帰って来て一発目、すぐに陰陽軍が劣勢なのが見て取れた。
「精鋭部隊〝影〟!只今帰還した!!」
たったそれだけで士気が上がっていく。
「お前ら、個々に別れて、怨怪に対応しろ。」
『はッ!』
「それとだが、これは隊長命令だ。一度しか言わねぇぞ。ちゃんと聞いとけ?〝お前らが死んでいいのは俺が傍に居るときだけだ〟以上、散開!」
それぞれが散り散りに援護に向かった。
「さて、俺は俺で頑張るか」
動き出そうとしたときだった。
「その目、いただきますね?」
ズプリッ
左目に走る激痛。
明らかに左目が抜かれた感触だ。
「くそっ…!!」
すぐさま、無月を構え、抜き放ち際、一太刀を加えた。
「…!!まったく、左目を抜かれてなお、そのキレとは。本当に貴方は化け物ですね。ですが、もう貴方がこれ以上動けないのを私は知っていますよ?」ニヤリ
くっ…!
こちらの弱点を的確に狙いやがって…!
「貴方、本当は、もう転げ回りたいぐらいの痛みが身体中を駆け巡っているのでしょう?大変ですね。堕天している貴方がさらに深く、堕終化してしまうなんて」
これは本気でヤバイ。
最悪のケースは、怨怪に堕ちたときに俺の自我がないことだ。
「さて、もう右目も回収済みですし、一度退却して、次は主と一緒に来ますね。あ、もちろん貴方の迎えも来ますからね?では、次は本当の堕天将として、会いましょう。」
その瞬間、全ての怨怪達がいなくなった。
作戦は失敗に終わり、そして、忌龍王との最終決戦がこの時、確定したのだった。
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