黒の陰陽師

文月くー

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第二章 戦争

第四十三話 入団式

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新人が入団するときは、なぜか、必ずこの式を行う。
緊張した表情の新たに配属されるであろう新人たち。

「精鋭部隊〝影〟隊長、伏黒燐殿、お願い致します。」

俺が、壇上へと上ると、たちまち羨望の目で新人たちが見てくる。

「えー、皆さんには2年半前に『強くなれ』と言いました。この中には我が部隊に入りたいと望む者もいるでしょう。しかし、そんな甘いものではない。我が部隊に入るつもりなら、まずは特級クラスに入れ。以上だ。」

その一言で、明らかに会場の雰囲気が変わり、全員がギラついた眼光を放っている。

「続きまして、陰陽の神、安倍晴明様。お願い致します。」

「はいは~い!私が安倍晴明だよ~♪君達、みんな良い目をしてるから私からは以上だよ~♪」

ちゃんと話ぐらいしろや!
そんなこんなで、入団式が終わり、部隊編成が始まるのだった。


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【天閣会議場】

「今、全体の陰陽師数はどのぐらいだっけ?」

燐の問いに答えたのは、迅だった。

「元々の総数は、1万人ですよ。ただ、今回の一件で、三級以外はほとんど全滅したので、残ってるのは、特級が我々と精鋭部隊を抜いて、60名、副特が、120名、一級が、300名、二級は、同じく300名、なので、合計で、780名が、即戦力ですかね。残りは、三級で、1020名ですね。どうします?燐。」

丁度良い数だな。
作者の都合か。

(はい!そうでございます!申し訳ありません!作者より!)

そんな事はどうでもいいが、

「よし、十二天翼一人一人を司令官と置き、その下に、五つの部隊を分け、さらにその部隊を5つの班に分けよう。」

俺が言う。
すると、一佳が、

「つまり、12の団を作って、さらにこの中でも、細かく分けようってことだな?」

と、聞いてくる。
察しが良いな。

「あぁ。そうだ。部隊長だが、各部隊、特級から、一人ずつ、副部隊長は準特から二人ずつ。班長は、一級から一人、副班長も、二級から一人。そしたら、残り、四人は三級から。これなら、俺らと、精鋭部隊を抜いて、一団、150名で構成できる。」

部隊の再編はこれで良いだろう。

「ちなみに、俺の部隊だが、それは澪姉に任せる。澪姉なら、もう大丈夫だ。ちゃんと殲天翼をこなせてるよ。」

案の定、澪姉は目を見開いているが。

「俺は全権を任されてる以上、総統として、指示を出すが、精鋭部隊として、遊撃にも回るから、安心してくれ。」

それを聞いた十二天翼はたちまち、気が楽になったのか、笑顔が増える。

「よし!行動を開始しよう!」

「おう(うん)!!」

そして、次の行動に、移っていったのだった。
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