魔力ゼロの悪役令嬢が 最強の魔女になれたのは、優しい魔王さまの嫁だから

恋月 みりん

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19章

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19.章 意外な人物



─聖女。


数千年に一度、現世に現れるとされる、奇跡の乙女おとめ。その治癒の祈りにより万病まんびょうを癒し、時に人を蘇生そせいさせる。また、あらゆる奇跡をおこすともいわれている。



東スタン通の外れ、ドブ川のような、川にへばりつくように、東スラム街がある。

そこは、汚水と瓦礫がれきに囲まれた、悪臭漂う、貧民窟ひんみんくつだった。


まさか自分が、こんな所に足を踏み入れるなんて、カリナは夢にも思っていなかった。


カリナは、信頼している従者じゅうしゃから、例の行商人の女がここらへんでうろついていた、という情報をつかんでいた。


カリナと従者は、何時間かねばった後、


この、スラムの街で、薬草を売ってくれた、行商人の老婆を見つけることに成功した。
 

『早く、薬草の自生している場所を聞き出し、王太后様に解毒薬をお届けしなくては…!』


「そこの行商人の女!待ちなさい…!」


逃げ出す行商人の女を従者は苦労して、捕まえてくれた。


「ちくしょう。なんだって、足がついちまったんだ!あの女は絶対、捕まらないって言っていたのによ!」


行商人の女は激しく暴れて、従者を手こずらせる。


「あなたを、どうこうしたいんじゃないのよ!

ただ薬草の生えてる場所が知りたいだけ」


「ふん!信じないね。」


「『あの女』みたいな、身なりのいいアンタに何がわかる。淑女しゅくじょさまとやらは、アタイたちとは、人間の出来が違うんだろ。いつでも手が切れると思って、馬鹿にして!」


「あの女?……一体、どういう事?」


カリナは少し思案して、穏やかに答えた。


「おとなしく聞かせてくれたら、悪いようにはしないわ」


そしてチラリと行商人の女をみた。


「例えば、お金とか。」


行商人の女は、とたんに、小狡い薄笑いを浮かべる。


「金…。話がわかるじやないか。」


女に金品を渡すと、やけに素直になり。いやむしろ饒舌じょうぜつに、詳細しょうさいを話し始めた。


「なに、簡単な話さ。お嬢様、アンタにあの薬草を売りつけて欲しいって、そう頼まれただけさ。どんな、病にも効くってね。」


なおも、『その女』の計画とやらを問いただすと、意外なほどあっさりと、吐いた。


「ほら、これが指示書だよ。アンタの屋敷の地図、召使の名前から性格。なんでも書いてあったよ」


「その女の名前は?!」


「それは、金、次第さ。」


「渡すわ。」


老女は、にやにやと、喜んだ。


「実は『女』は名前を…。あの女、素直に名を名乗りやがらなかった。

でも、アタイは馬鹿じゃない。あの女の財布をちょっぴり、失敬してやったよ。

そしたらどうだい、この薬草の伝票に『その女』のサインがしっかり入っていたのさ。」


「ほら、見てごらんよ。」


手渡された、伝票にカリナは目を落とす。


「…まさか…!」


そこにはカリナにとって、意外な人物の名前が書かれていた。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

あとがき


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


と思ったら


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