10 / 72
まにゅ恋10
しおりを挟む
(……なんだこれ)
「間宮くん、いっぱい食べてくれて嬉しいわぁ。真純ったら、あんまり食べないし、食にこだわりないしで、作りがいないんだもの」
「すごくおいしいですよ、お母さん。また食べに来たいなぁ」
「えぇ、本当に? ぜひまた来て欲しいなぁ」
……………。
母親はなぜか五割ほどテンションが高い。間宮に至っては、初めて見るような、そつのない笑顔で受け答えしている。
誰よあんたら……。
二人の会話を聞きながら、黙々と出されたハンバーグに格闘しているが(いつもは和食なのに)、通常モードの自分がバカに思えてくる。わざとらしく会話に参加した方がいいんか。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
「そう? 良かった~。間宮くん、先にお風呂入っちゃって」
「いいんですか?」
こっちの存在は無視され、会話が進んでいく。
……なんか、もう。
(勝手にして)
* * *
自分のベッドの横に来客用の布団が敷かれている。母親が整えたようだが、勝手に部屋に入るのはやめて欲しい。
一緒に部屋に入った間宮は、さっきからこっちの呼び掛けに応えない。
(めんどくさいな)
なんだよ、母親にはあんなに愛想良かったくせに。
ムッとしたが、俺は間宮に返してもらった鞄を引き寄せて、
「間宮、課題やった? 今からやる?」
駄目もとで言ってみたら、「うん」と答えが返ってきた。少しホッとして、テーブルに教科書とか広げる。間宮も向かい合って、筆記具など持ってきた鞄から出した。
無言の中課題を終わらせ、手持ち無沙汰から予習復習までやって───、
何やってんだろうと思う。
(─────真面目か)
確か───俺ら付き合ってる───はず……?
眉を寄せて虚空を見上げていると、間宮が片付け始めた。終わったのかと目にとめて、時計を見る。
「少し早いけど、もう寝る?」
「うん」
返事をして、間宮が布団に入り込む。自分もベッドに上がって明かりのリモコンを手に取った。
「電気消すな」
「うん」
暗くして、布団にはまだ入らずベッドの上に座って、低い位置で横になる間宮を見下ろした。こっちに背を向けているが、まだ寝ていないと思っている。クーラーがきいていて部屋は涼しい。暗くはしたが、月明かりで真っ暗ではなかった。
───しばらく見下ろして、俺は意を決して口を開いた。
「……………しないの?」
ガバッと、間宮が起き上がって俺を見上げた。びっくりしたように、目を大きくしている。
その慌てぶりに気分を良くして、俺はもう一度聞いた。
「しないの……?」
「間宮くん、いっぱい食べてくれて嬉しいわぁ。真純ったら、あんまり食べないし、食にこだわりないしで、作りがいないんだもの」
「すごくおいしいですよ、お母さん。また食べに来たいなぁ」
「えぇ、本当に? ぜひまた来て欲しいなぁ」
……………。
母親はなぜか五割ほどテンションが高い。間宮に至っては、初めて見るような、そつのない笑顔で受け答えしている。
誰よあんたら……。
二人の会話を聞きながら、黙々と出されたハンバーグに格闘しているが(いつもは和食なのに)、通常モードの自分がバカに思えてくる。わざとらしく会話に参加した方がいいんか。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
「そう? 良かった~。間宮くん、先にお風呂入っちゃって」
「いいんですか?」
こっちの存在は無視され、会話が進んでいく。
……なんか、もう。
(勝手にして)
* * *
自分のベッドの横に来客用の布団が敷かれている。母親が整えたようだが、勝手に部屋に入るのはやめて欲しい。
一緒に部屋に入った間宮は、さっきからこっちの呼び掛けに応えない。
(めんどくさいな)
なんだよ、母親にはあんなに愛想良かったくせに。
ムッとしたが、俺は間宮に返してもらった鞄を引き寄せて、
「間宮、課題やった? 今からやる?」
駄目もとで言ってみたら、「うん」と答えが返ってきた。少しホッとして、テーブルに教科書とか広げる。間宮も向かい合って、筆記具など持ってきた鞄から出した。
無言の中課題を終わらせ、手持ち無沙汰から予習復習までやって───、
何やってんだろうと思う。
(─────真面目か)
確か───俺ら付き合ってる───はず……?
眉を寄せて虚空を見上げていると、間宮が片付け始めた。終わったのかと目にとめて、時計を見る。
「少し早いけど、もう寝る?」
「うん」
返事をして、間宮が布団に入り込む。自分もベッドに上がって明かりのリモコンを手に取った。
「電気消すな」
「うん」
暗くして、布団にはまだ入らずベッドの上に座って、低い位置で横になる間宮を見下ろした。こっちに背を向けているが、まだ寝ていないと思っている。クーラーがきいていて部屋は涼しい。暗くはしたが、月明かりで真っ暗ではなかった。
───しばらく見下ろして、俺は意を決して口を開いた。
「……………しないの?」
ガバッと、間宮が起き上がって俺を見上げた。びっくりしたように、目を大きくしている。
その慌てぶりに気分を良くして、俺はもう一度聞いた。
「しないの……?」
0
あなたにおすすめの小説
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる