愛を知らない少女が異世界で溺愛されるまで

月光

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魔法や魔物、魔王が存在する小説のような世界。
異世界への招待。それは突然だった。


私はいつもいじめられる側だった。

両親は虐待と育児放棄をする人たちだった。
最初はもちろん、愛してほしかった。私を見てほしかった。
そのための努力だってした。勉強は満点をとって家事もやったけどどれもだめだった。
私は、いつしか認めてもらうことを諦めてしまった
幼いころから、食事は与えられず食い扶持はゴミを漁って食べることで飢えをしのいだ。
父は酒に溺れ暴力を振るって女の人を家に連れ込んで、母は外で別の男の人と浮気をして私とは違う家庭を既に作っている。
でも離婚をしていない。
理由は簡単、世間体が悪いから。時々は母、涙を流しながら頬を打って「貴方なんか、生まなければよかった」と言いながら首を絞めては、気がついたように「ごめんなさい」と泣き崩れる日々。

そんな日常だったから、体のあちこちに痣や切り傷が絶えなかった。
世間体を気にしてなのか外からは分からない場所にしてくれた。

「お前生意気なんだよ」

学校ではいつもいじめの的だった。
先生は、見てみぬフリ。
クラスの皆は先生が黙認していると思ってどんどんエスカレートしていくいじめ。

高校に入っても相変わらずで、パシリみたいなことはさせられてたし体育館裏に呼び出されて暴力もあったけど、反抗はしなかった。
まぁ、両親のような人種を見ていたらどうなるかなんて分かりきったことだし。
いじめでも性的なことは一切されなかったことが一番助かったことかもしれない。
想像しただけで、鳥肌が立っちゃうけどね。

「朝ごはんはまだなの?」

「申し訳ありません。ただいま持って行きます。」

「着替えは?」

「こちらになります。」

「私のは?」

「こちらです。アクセサリーをお付けします。」

「いってくる」

「行ってらっしゃいませ」

今日もいつも相変わらずの調子。
朝になれば両親の朝食を作り、身支度をして両親の身支度の準備をして手伝って送り出して私も学校に登校する。
朝は来る時間がギリギリだから、何かされることもない。

「私、お茶と焼きそばパン」

「えー、じゃあ私は菓子パン」

「わたしも、菓子パン。お金は、相良さんが払ってね」

「分かった」

お昼は呼び出されて、いじめっ子たちの昼ご飯を買いに行かされちょうどクラスに戻ってきた時だった。

「全員そろったな」

謎の声とともに、教室が真っ白になった。

「キャー!!」

「何だ!?」

気がつけば大勢の人に囲まれた場所にいた。

「王、召喚に成功しました。今回は、大人数に成功したようです。」

「うむ。大儀であった。」

「はっ!恐縮であります!」

どうやら、ファンタジー小説のような異世界に召喚されたみたい。
私は、勉強も好きだけど読書も好きなんだよね。
うちのクラスは、王道のようにイケメンの男の子とかわいい女子もいるし異世界のようなファンタジーが好きな男子もいるからね。

「ここどこ!?」

「家に帰りたいよぉ」

「異世界転移キターーーー!!」

ざわめく中で、イケメンの男の子が落ち着かせて事情を聞けば勇者として魔王と戦って世界を救ってほしいらしい。皆、素直に信じているみたいだけど私は信じていない。
この国のお姫様の目は、私たちを見下している。
だからといって、私は肯定も否定もしないしお姫様が見下していることも教えないけどね。
私は今の状況をどうにかできる何かを持っていない。
クラスの人たちはどうでもいいけど、私はまだ死にたくない。

とりあえず今は、情報と知識と武力が必要そう。
だって、当たり前のように魔術師と騎士団の隊長だという人が目の前で紹介されている。
ちなみに、この国の人たちの名前は覚えない。
情が沸きたくないから。

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