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プロローグ
しおりを挟む時は遥か未来。ようやく、一般人も外宇宙へと気軽に出れるようになり、我先にと地球型の惑星を見つけたり、住み良いよう改造したりして移住していった。
だが、当然勢力争いも起きてくる。最初は惑星間の争いから色んなしがらみ、思惑等が絡みあい、やがて地球連邦と銀河連合という2大勢力へと発展していき、何十年かに一度、衝突が激しくなる。ちょうど今の時期がその争いが激しくなる時期であった。
そしてその宙域は。
バミューダ宙域と呼ばれていた。地球のバミューダ海域になぞらえてのことである。
その理由は、この宙域へと差し掛かると何故か機器の故障が起こりやすく遭難ばかり起こるのだ。ところが全く問題なく通れる時もある。いまだになぜそのようなことが起こるのかわからず、学者達がその謎を解こうと躍起になっていた。そのような状態なので、惑星間の航行コースから外れている。
そんな宙域のド真ん中にその惑星は存在していた。
正式名称が有るのだが、誰もその名前では呼ばない。俗称の方が簡単且つ、その星の特徴をよく表していたからだ。
その俗称とは。
「ま、いっか星」
まんまである。
その星の住人はお気楽且つ、楽天家。主に農業が盛んな星であり、国家という概念はなく、村単位に代表者がおり、星全体のことを全てその代表者会議で決める。その為の運営機関、通称『会議堂』が対惑星間の話し合いの際に代表者を送ってくる。
だが、ここに不思議なことがあった。
この星は『永世中立星』なのだ。
勢力争いの激しいこの時代にあって、この星はどの星の勢力にも属していないし、組してもいない。この星に利用価値がないのも確かではあるし、わざわざ墜落の危険を冒してまで侵略に行くこともないであろう。だが、昨今の地球連邦と銀河連合の対立の激しさを鑑みれば、陣地の取り合いの一貫としてかの星への侵略がないことに首を傾げる者もいた。
そんな星のある話。
それが今回のお話。
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