【完結】今日もいつも通りです。〜影太君と光輝君サイドより〜

バナナ男さん

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34 何事?

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◇◇
「はい!いらっしゃいいらっしゃ~い!焼きそばいかが~?」

「ペット喫茶やってま~す!ワンちゃん、ネコちゃんが好きな方、是非どうぞ~!」

「カラフルな綿あめどうですか~?映えますよ!」

それぞれのクラスがそれぞれの個性を出したお店を出店し、来るお客さん達に向かって、必死にアピールしている。

「おぉ~なんだか凄く楽しそう!」

「これぞ、青春!って感じじゃ~ん!いいねいいね~!」

俺はクラスの教室の窓から顔を出して、校庭で盛大に盛り上がっている様子を見て、中野とテンション高く拍手した。
そして教室内を見回し、それぞれが担当している持ち場でしっかり準備満タンな様子を見てワクワクと胸は高鳴る。

俺達のクラスの出し物は『お祭り広場』

輪投げや射的、ヨーヨー釣りなどのお祭り定番のミニゲームを集め、遊んでもらうコーナーだ。

「ヨーヨー膨らませ過ぎて胸が痛い……。」

「あれだけあれば足りそうだな。後はどれくらいのお客さんが来てくれるか……。」

労う様に中野の肩を叩くと、まだ誰も入ってこない入口へ視線を向ける。
大体のお客さんは、まずは目につく校庭からが定番らしく、現在屋内である教室内は、まだガラガラ状態だ。

「これから一気に来るんだろうな……。この感じだと、端の方にあるゲーム愛好会の方は当分混まなさそうだ。」

「じゃあ、俺達が変わった瞬間混みそうじゃね?」

俺と中野、他にも部活に入っている奴らは、みんなそれぞれの担当時間が決まっていて、それを上手く合わせて自分のクラスと部活の出し物、自由時間を行き来する。
ちなみにゲーム愛好会の出し物は、最新のゲームを使ったゲーム体験会だ。

「最新からレトロまで!男性向けから女性向けまで、幅広い層に対応したゲームを置いたから、楽しんで貰えるといいな。」

「フフフ~俺の推しは、やっぱりシューティング系ゲームだな!俺のガンテクニックを見せつけてやる!
────あ、そういや~日野は?今日は珍しく一度も見てないな。」

銃に見立てた人差し指にフッと息を吹きかけた中野が、俺の方を見てそう尋ねてきたので、俺は「あ~……。」と光輝のスケジュールについて思い出した。

「光輝はクラス主催の『ミスター&ミセス大会』の準備をするって、朝早くから学校に行ったから別々だったんだよ。
他にもバスケ部主催の『ミニバスケゲーム』と生徒会の手伝いもしないといけないらしいから、今日は殆ど時間が合わないみたいだ。」

「ほほ~忙しそ~。日野、なんか張り切ってね?なんでだろう?」

「それは……。」

フッと頭に浮かぶのは、ミスター&ミセス大会で見事優勝した光輝と花園さんの姿。

『君のために頑張ったんだ。』

光輝が花園さんに甘く囁いたのを見て────俺はどんな顔をしているのかな?

「うぅ~……。」

頭がこんがらがってきて、髪の毛をぐちゃぐちゃとかき回していると、突然この教室に向かう複数の足音が聞こえてきた。

「?団体のお客さんか??」

「それにしては随分足音が乱暴な気が……。」

俺と中野、それに他のクラスメイト達も、ドスドス!という荒い足音に驚き入口に注目していると、突然────……。

────バンっ!!!

勢いよく入口の扉が開き、顔をのぞかせたのは、特進クラスの男子生徒達と────今にも泣き出しそうな顔をした花園さんだった。

「おいっ!!黒井を出せ!!ふざけんな!この野郎!!」

「最低だな!ここまでクズ野郎だったとは……。」

「は、はぁぁ???」

男子生徒達が激昂した様子で、俺に対して怒鳴る。
しかし、なぜこんなに怒っているのか分からずただ呆然としながら立ち上がると、花園さんがビクッ!と体を震わせた。

「ご、ごめんなさい!私が……私が悪いの。だから……黒井君をそんなに責めないで……!」

怯えた様子でそう言う花園さんを見て、周りの男子生徒達の怒りは更にヒートUPした様だ。
先頭に立っている男子生徒の一人が、俺をドンッ!と突き飛ばす。

「────っう、うわっ!」

「!黒井!」

後ろにいた中野が、直ぐに背中を押さえてくれて転倒は免れたが、突き飛ばされた肩がジンジンと痛んだ。

?一体コイツら何に怒っているんだ??

「……あのさ、アンタ達一体何に怒ってるんだよ。こんな所に団体で来るなんて、よっぽどの事なんだろうけど……。」

俺が支えてくれた中野にお礼と言いながら尋ねると、男子生徒はカァァ~と顔を赤らめて怒鳴りつけてくる。

「しらを切るつもりか!?お前が今までずっと花園さんに嫌がらせしていたのは知っていたが、まさか花園さんを突き飛ばすなんて……最低過ぎるだろう!!」

「花園さんは、そのせいで転んで膝を怪我したんだ!
女に暴力を振るうなんて……そもそも、花園さんは、今までお前がしてきた嫌がらせを我慢して、文句を言いに行こうとする俺達を止めてたんだぞ!?そんな優しい人に、よくもっ!!」

「い、嫌がらせ……?つ、突き飛ばす?」


何一つ覚えがない事にポカーンとしながら花園さんの方を見ると、確かに左の膝に大きな絆創膏が貼られているのが見えた。

しかし、本当に知らない。
それを口にしようとした瞬間……花園さんがポロポロと、それはそれは綺麗な涙を流し始めた。

「皆、私のためにいつもありがとう……。でも、本当に止めて。私は大丈夫だから。
きっと黒井君は、光輝君が私に取られるって思って嫌だったんだと思う。
でも……これだけはもう一度言わせて。」

ハラハラと儚げに泣いていた花園さんだったが、突然背筋を伸ばすと、強い視線で俺を睨みつける。

「『光輝は俺の役に立つ道具だ』なんて、二度と言わないで!
友達って、道具じゃないよ!役に立つとか立たないとか、そんな目的で友達になるなんて間違ってる!
私は日野君がいつも努力している姿を見てきているから……全部知っているから、そんな酷い扱いされるの、もう見たくないよ!日野君の人生を、これ以上めちゃくちゃにしないで!」

「お、おぉ……??う、ううん??」

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