78 / 1,649
第二章(リーフ邸の皆とレオン、ドノバンとの出会い、モルトとニールの想い)
62 レオン初出勤
しおりを挟む
(リーフ)
お目当てのものも無事見つかり、ホッとしながら時間を確認すれば、既に7時5分前!
そろそろレオンが来る時間だと、俺は正門の方へと慌てて走っていった。
そしてなんとか約束の時間ギリギリだが、正門が見えるところまで来れて、間に合った~と安心したのも束の間、そこには剣を構え険しい顔で威嚇するイザベルと、既に到着しているレオンが遠目に見える。
イザベルがさっそくレオンを威嚇しているぞ~!
急がなければ!
シュバ!とスピードを上げて駆け寄っていく内に、レオンの姿はどんどんとはっきり見える様になっていく。
服は、昨日と同じくツギハギだらけの麻袋。
しかし、左側の手足に布は巻き付けておらず、顔にも布は被っていないお肌がむき出しなスタイルだったので、思わず目を見開いた。
どうやらレオンは、一度脱いでしまえば気にならないタイプとみた!
良かった良かった~!と心から喜んだが、他のことにふと気づく。
「あれ?なんか目、合ってない??」
かなり遠くの距離にいるのに、ずっとレオンと目が合っている。
視認が難しいくらいの距離からだったので、こちらに顔が向いている事に違和感があったが……ある事を思い出し『あぁ~』と納得した。
くるりと後ろを振り向けば、そこには俺が住んでいる大豪邸がドド──ン!
恐らくレオンは俺ではなく、俺の背後にあるこの大豪邸を見ているに違いない。
「これかぁ~……。確かに凄いもんね、この家。」
お城の様な外観をしている我が家。
元々はメルンブルク家全員で住むメインの家として建てられたらしいので、とにかく大きい。
「公爵家にふさわしい従者や侍女さんの人数も考えると、このくらいが妥当らしいけど、尋常じゃないこだわりも感じるんだよねぇ……。」
改めてその凄い大豪邸を眺め、物語で語られていたリーフの両親について思い出す。
物語の中で彼らは自分たち一家を神の祝福を一身に受けた愛し子であると心の底から思い込んでいた。
『美しさ』に絶対的な価値観を置く彼らにとって、絶世の美しさを誇るイシュル神と、それを崇拝する美しい自分たちの姿はたまらなく魅力的であったようだ。
「家族と同じ思想を持ったリーフが、必要以上に英雄レオンハルトを気に入らなかったのはそのせいもあったんだろうね。
自分こそが神様に選ばれた者だ!……的な?
だから最後の決闘では、自分が英雄であることを認めろと、アーサーに条件を出したのかな? 」
そんな神物語にでてくるメルンブルク家のお屋敷は、教会と同様白を基調とした外観に白銀を主とした装飾品がこれでもかと周りを飾るキンキラリンの大豪邸。
恐らく神様がいる家みたいなのを想像して作ったに違いないという出来で、現在俺の背後にある屋敷も全くそれと同じモノが建てられている。
ただ物語の中と違うのは庭園に咲いているのが、メルンブルク家の象徴とも呼べる真っ赤なバラではなく、優秀な庭師のクランが選び抜いた色とりどりのお花達であるという点だけだ。
そんなこだわりの物件を離れるのは、パパさんとママさんにとって苦渋の決断だっただろう。
ほんの少しの申し訳無さを感じたが、そこで、ふっ……と疑問がよぎった。
なぜメルンブルク家は、このレガーノに住むことに決めたんだろう?
「……あれ?」
一度浮かんだ疑問は、瞬く間に俺の中で大きくなっていく。
王都はこことは比べ物にならないほど広く、流行の最先端をいく発展大都市。
流行に敏感で派手好きな彼らにとって、平和がトレードマークのレガーノに、住み着くほどの魅力が果たしてあったのだろうか?
「うーん……?そのあたりの記述はなかったなぁ。
寧ろ都会について称賛するような発言ばかりだった様な?」
色々考えてみたが、結局は分からなかった。
まぁモルトのところのバラをそばで見たかったとか、ニールのところの牛乳が美味しかったとか割と単純な理由だったのかもしれないな。
考えても分からなそうなので、とりあえずはそう思うことにして、疑問は一度頭の外へポポーンと放り出しておく事にする。
結局豪邸に釘付けであろうレオンの目線は、(多分)近づくにつれて俺へと移っていき────イザベルが俺に気づいた頃にはバッチリと俺を見つめたままのレオンは、突然地面に片膝をついた。
「おはようございます。リーフ様。あなたの下僕のレオンがご命令どおりに参りました。」
お目当てのものも無事見つかり、ホッとしながら時間を確認すれば、既に7時5分前!
そろそろレオンが来る時間だと、俺は正門の方へと慌てて走っていった。
そしてなんとか約束の時間ギリギリだが、正門が見えるところまで来れて、間に合った~と安心したのも束の間、そこには剣を構え険しい顔で威嚇するイザベルと、既に到着しているレオンが遠目に見える。
イザベルがさっそくレオンを威嚇しているぞ~!
急がなければ!
シュバ!とスピードを上げて駆け寄っていく内に、レオンの姿はどんどんとはっきり見える様になっていく。
服は、昨日と同じくツギハギだらけの麻袋。
しかし、左側の手足に布は巻き付けておらず、顔にも布は被っていないお肌がむき出しなスタイルだったので、思わず目を見開いた。
どうやらレオンは、一度脱いでしまえば気にならないタイプとみた!
良かった良かった~!と心から喜んだが、他のことにふと気づく。
「あれ?なんか目、合ってない??」
かなり遠くの距離にいるのに、ずっとレオンと目が合っている。
視認が難しいくらいの距離からだったので、こちらに顔が向いている事に違和感があったが……ある事を思い出し『あぁ~』と納得した。
くるりと後ろを振り向けば、そこには俺が住んでいる大豪邸がドド──ン!
恐らくレオンは俺ではなく、俺の背後にあるこの大豪邸を見ているに違いない。
「これかぁ~……。確かに凄いもんね、この家。」
お城の様な外観をしている我が家。
元々はメルンブルク家全員で住むメインの家として建てられたらしいので、とにかく大きい。
「公爵家にふさわしい従者や侍女さんの人数も考えると、このくらいが妥当らしいけど、尋常じゃないこだわりも感じるんだよねぇ……。」
改めてその凄い大豪邸を眺め、物語で語られていたリーフの両親について思い出す。
物語の中で彼らは自分たち一家を神の祝福を一身に受けた愛し子であると心の底から思い込んでいた。
『美しさ』に絶対的な価値観を置く彼らにとって、絶世の美しさを誇るイシュル神と、それを崇拝する美しい自分たちの姿はたまらなく魅力的であったようだ。
「家族と同じ思想を持ったリーフが、必要以上に英雄レオンハルトを気に入らなかったのはそのせいもあったんだろうね。
自分こそが神様に選ばれた者だ!……的な?
だから最後の決闘では、自分が英雄であることを認めろと、アーサーに条件を出したのかな? 」
そんな神物語にでてくるメルンブルク家のお屋敷は、教会と同様白を基調とした外観に白銀を主とした装飾品がこれでもかと周りを飾るキンキラリンの大豪邸。
恐らく神様がいる家みたいなのを想像して作ったに違いないという出来で、現在俺の背後にある屋敷も全くそれと同じモノが建てられている。
ただ物語の中と違うのは庭園に咲いているのが、メルンブルク家の象徴とも呼べる真っ赤なバラではなく、優秀な庭師のクランが選び抜いた色とりどりのお花達であるという点だけだ。
そんなこだわりの物件を離れるのは、パパさんとママさんにとって苦渋の決断だっただろう。
ほんの少しの申し訳無さを感じたが、そこで、ふっ……と疑問がよぎった。
なぜメルンブルク家は、このレガーノに住むことに決めたんだろう?
「……あれ?」
一度浮かんだ疑問は、瞬く間に俺の中で大きくなっていく。
王都はこことは比べ物にならないほど広く、流行の最先端をいく発展大都市。
流行に敏感で派手好きな彼らにとって、平和がトレードマークのレガーノに、住み着くほどの魅力が果たしてあったのだろうか?
「うーん……?そのあたりの記述はなかったなぁ。
寧ろ都会について称賛するような発言ばかりだった様な?」
色々考えてみたが、結局は分からなかった。
まぁモルトのところのバラをそばで見たかったとか、ニールのところの牛乳が美味しかったとか割と単純な理由だったのかもしれないな。
考えても分からなそうなので、とりあえずはそう思うことにして、疑問は一度頭の外へポポーンと放り出しておく事にする。
結局豪邸に釘付けであろうレオンの目線は、(多分)近づくにつれて俺へと移っていき────イザベルが俺に気づいた頃にはバッチリと俺を見つめたままのレオンは、突然地面に片膝をついた。
「おはようございます。リーフ様。あなたの下僕のレオンがご命令どおりに参りました。」
192
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
無能と呼ばれた婚約者は王を完成させる〜替え玉婚約者のはずが、強すぎる王太子に手放してもらえません〜
統子
BL
兄の身代わりとして王太子の婚約者になった伯爵家次男リュシー。
嘘の名を名乗ったはずが、冷静で誠実な王太子リオンは彼を「力の装置」としてではなく、対等な伴侶として扱おうとする。
本物になりたいと願う替え玉と、完成された王太子の静謐な王宮ロマンス。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる