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第五章(ウォッカ編、試験前日、冒険者との出会いとレオンの成長と勘違いと)
196 レオン始動
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(リーフ)
◇◇
「さぁさぁ!!波乱万丈の今年の〈ファイナル福人祭り〉!!
これから毎年恒例!!一番の大目玉!〈腕相撲大会〉が、はっじまっるぜ────!!!!」
「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ────!!!」」」
ここ一番の歓声に、やはり商品からも予想できた通りこれが一番の目玉イベントの様だ。
我こそはと参加を決めた参加者達は全員体格がよく、力に相当自信がありそうな感じの人達ばかり。
さすがにあの中に紛れるとレオンは小さく見えるほどで、その姿はまるで巨大な壁に囲まれている様に見える。
「ルールは簡単!この台座で腕相撲して勝ち残った奴が~~~優・勝だぁぁぁ────!!!!」
サッと司会者さんが手を指し示す方を見れば、そこには石造りのシンプルな台座が置かれており、どうやらその上に両者が手を置き腕相撲するという仕様になっているようだ。
ワクワクしてその説明を聞く傍ら、モルトとニールは何故か片手に怪我によく効く薬草を持ったままステージを見ていた。
「まずは一回戦────!!!この街で怪力といえばこの人!!鍛冶屋のニ~ット!!
対する挑戦者は、イケメンオーラ全開!!奇跡の黄金スタイルを持つ将来有望株No. 1!
12歳のぉ~────黒フードのレオンく────ん!!!」
『ワァァァー!!』という歓声の中、顔が見えないのがマイナスポイントだが、スラッと信じられないほど長い足に、全体的に均整の取れたスタイル抜群のレオンに対し「イケメン?」「絶対イケメン。」という期待大の声がチラホラ。
その通り!レオンはイケメン!
呪いが解けた後は、是非ともよろしくお願いしま~す!
心の中で勝手に宣伝していると、台座の前にやたら大きいムッキリお兄さん、ニットさんとレオンが対峙した。
ニットさんはレオンを見下ろし、ニヤリと笑う。
「オゥ!坊主、悪く思うなよ?俺は例えスライム相手でも全力で戦う男だ!」
言った後にゴッ!!と溢れ出すニットさんの魔力は、強者のモノ。
これは強敵の予感だぞ!
しかしレオンは、そんな気迫はなんのその!平然な様子でコクリと頷いた。
そしてそのまま両者は台座に腕をセットし、睨み合い……いや、ニットさんが一方的に睨みつけ、緊迫した空気の中、司会者さんが静かに二人の間に立つ。
「レディ~……────マッスル!!!」
開始の合図を言い放つと、その瞬間にニットさんは身体強化を全力でかけ、ぐぐ────っ!と腕に力を込めた。
「おい!ニット手加減してやれよなー!」
「わははは!!頑張れぇ!!黒坊主~!!一矢報いてやれ!」
観客は一斉に歓声や応援を口にしたが、誰の目から見てもニットさんの勝ちで間違いはないと思われている様だ。
しかし、レオンの腕は身体強化など使っていないのにピクリとも動かず、逆にニットさんの方が顔を真っ赤にしながら必死に腕を倒そうとしている。
初期位置のままのお互いの腕に、状態的には接戦か?と思えるが、あまりにもニットさんが必死に手に力を入れているように見えて、観客達の頭にはハテナマークが飛び始めた。
ニットさんは倒そうとする!
────しかし、何故かレオンはピクリとも動かない……。
「??何でレオンは動かないんだろ────……あ。」
そこである一つの可能性がプカプカと浮かんだ。
もしかしてレオン、腕相撲のルール知らないんじゃ……?
そこでフッと頭を過っていったのは、勉強と修行だらけの日々。
そういえば俺、レオンにゲームとか教えたことがない。
よって腕相撲も知らない……?
────それだ!
ピンっ!ときた俺は、直ぐにぴょんぴょん飛び上がりながらレオンに向かって身振り手振りで説明を開始した。
「レオ────ン!!腕相撲はね、こうっ!こうやって、こう!!腕をそのまま倒すんだよ────!!」
90度に曲げた腕を横に倒すジェスチャーを見せつけると、レオンは理解してくれたのか、静かに頷く。
その時点で相手のニットさん、嫌な予感がしたらしく慌ててレオンから手を離すが、レオンは腕相撲開始のポーズのまま、俺の説明した通りの動きで手を横に振り下ろした。
すると────……。
────ドコォォ~ン!!!
大きな音を立てて、台座は跡形もなく砕け散る……いや爆発し、周囲にその破片達が飛び散る。
それが雪のようにパラパラ振る中、司会者とニットさん、そして観客達は絶句し、呆然とその様を見つめていた。
「「「「……………。」」」」
シ~ン……とその場は静まりかえり、全員の顔からは血の気が引いていく。
実はこの台座には防御力(大)の魔法が付与されていたらしく、かなりの実力者が本気で壊そうとしても不可能であるというほどの代物だったらしい。
それを身体強化も使わず、さらに軽く小突く程度に叩いただけで粉砕してしまったことに全員驚いていた様だが、そんな事は全く知らない俺は素直に喜んだ。
「相手が避けたぞ!レオンの勝ちだ────!!」
やっほ────い!!
ぴょんぴょんと飛び上がって喜びを表現する。
すると、真っ青な顔色をしたニットさんは「参りました……。」とだけ呟き、トボトボとステージの上から降りていった。
勝者のレオンはというと、初勝利を収めた事で相当嬉しかったらしく、キラキラした目で俺を見てくる。
その視線に答える様にピッ!ピッ!と手を上げ下げして、更にレオンの勝利を喜んだが、周りは何となく微妙な雰囲気のままだった。
しかし、代用の台座が直ぐに用意されて大会は続いていき、無事にまた元の活気を取り戻した。────レオンの時以外。
なんとその後は、次々とレオンの対戦相手は棄権してしまい、一度しか戦わぬまま残すは決勝戦を残すのみとなってしまったのだ。
「レオンの勇姿が全然見れないね……。」
残念そうにモルトとニールに言うと、二人は先ほどまで手に持っていた薬草をしまいながら、「「平和が一番です(っすよね)。」」と言った。
確かに世界平和は大事、まさにその代表的な勝ち方か、コレは……。
複雑な想いで、平和大好きと勝負大好きの狭間で心が揺れ動く。
「じゃあ、このままレオンの平和的優勝かな。」
結局は勝負大好き!の気持ちが勝って、少々残念な気持ちで見守っていたのだが────なんと今度の決勝相手は棄権する意志がないらしく、堂々とステージの上に立った。
すると、突如ギュギュん!とお楽しみモードに突入した俺は、胸を躍らせながら相手の人物に視線を向ける。
相手は、レオンの2倍くらいはありそうな体格に立派なおヒゲ、目元はサングラスのような黒色メガネで隠しているなかなか強そうなおじさんだ。
「へいへ────い!!野郎ども!!怒涛の展開を迎えた<腕相撲大会>も、とうとうこれが最後の対戦だ────!!!
決勝戦に残ったのはこの二人~~!!
ここまで順調に勝ち進んできた、髭面怪力男!!<ゼブ>────!!
そして一回戦以外は全て不戦勝────!!!不戦勝のクールチルドレン!レオンだ────!!!」
『わあぁぁ────!!!』
大きな歓声が轟く中、対戦相手のゼブさんはニヤニヤしながらレオンに近づいた。
「────まぁ、お互い頑張りましょーうや。」
そう言ってレオンに右手を差し出し握手を求めると、レオンはじっとその手を見下ろした後、なぜか小さく頷いてその握手に応じる。
その一連の動きをヒヤヒヤしながら見守った俺は、見事交わされた人と人とのコミュニケーションの初手とも言える握手にカカッ!!と目を見開いた。
レオンがコミュニケーションを試みた!
幼子の初めての二足歩行!レオンの握手にはそれだけの感動がある。
思わずうるっとしている間に、レオンとゼブさんは対戦用の台座へと移動していった。
◇◇
「さぁさぁ!!波乱万丈の今年の〈ファイナル福人祭り〉!!
これから毎年恒例!!一番の大目玉!〈腕相撲大会〉が、はっじまっるぜ────!!!!」
「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ────!!!」」」
ここ一番の歓声に、やはり商品からも予想できた通りこれが一番の目玉イベントの様だ。
我こそはと参加を決めた参加者達は全員体格がよく、力に相当自信がありそうな感じの人達ばかり。
さすがにあの中に紛れるとレオンは小さく見えるほどで、その姿はまるで巨大な壁に囲まれている様に見える。
「ルールは簡単!この台座で腕相撲して勝ち残った奴が~~~優・勝だぁぁぁ────!!!!」
サッと司会者さんが手を指し示す方を見れば、そこには石造りのシンプルな台座が置かれており、どうやらその上に両者が手を置き腕相撲するという仕様になっているようだ。
ワクワクしてその説明を聞く傍ら、モルトとニールは何故か片手に怪我によく効く薬草を持ったままステージを見ていた。
「まずは一回戦────!!!この街で怪力といえばこの人!!鍛冶屋のニ~ット!!
対する挑戦者は、イケメンオーラ全開!!奇跡の黄金スタイルを持つ将来有望株No. 1!
12歳のぉ~────黒フードのレオンく────ん!!!」
『ワァァァー!!』という歓声の中、顔が見えないのがマイナスポイントだが、スラッと信じられないほど長い足に、全体的に均整の取れたスタイル抜群のレオンに対し「イケメン?」「絶対イケメン。」という期待大の声がチラホラ。
その通り!レオンはイケメン!
呪いが解けた後は、是非ともよろしくお願いしま~す!
心の中で勝手に宣伝していると、台座の前にやたら大きいムッキリお兄さん、ニットさんとレオンが対峙した。
ニットさんはレオンを見下ろし、ニヤリと笑う。
「オゥ!坊主、悪く思うなよ?俺は例えスライム相手でも全力で戦う男だ!」
言った後にゴッ!!と溢れ出すニットさんの魔力は、強者のモノ。
これは強敵の予感だぞ!
しかしレオンは、そんな気迫はなんのその!平然な様子でコクリと頷いた。
そしてそのまま両者は台座に腕をセットし、睨み合い……いや、ニットさんが一方的に睨みつけ、緊迫した空気の中、司会者さんが静かに二人の間に立つ。
「レディ~……────マッスル!!!」
開始の合図を言い放つと、その瞬間にニットさんは身体強化を全力でかけ、ぐぐ────っ!と腕に力を込めた。
「おい!ニット手加減してやれよなー!」
「わははは!!頑張れぇ!!黒坊主~!!一矢報いてやれ!」
観客は一斉に歓声や応援を口にしたが、誰の目から見てもニットさんの勝ちで間違いはないと思われている様だ。
しかし、レオンの腕は身体強化など使っていないのにピクリとも動かず、逆にニットさんの方が顔を真っ赤にしながら必死に腕を倒そうとしている。
初期位置のままのお互いの腕に、状態的には接戦か?と思えるが、あまりにもニットさんが必死に手に力を入れているように見えて、観客達の頭にはハテナマークが飛び始めた。
ニットさんは倒そうとする!
────しかし、何故かレオンはピクリとも動かない……。
「??何でレオンは動かないんだろ────……あ。」
そこである一つの可能性がプカプカと浮かんだ。
もしかしてレオン、腕相撲のルール知らないんじゃ……?
そこでフッと頭を過っていったのは、勉強と修行だらけの日々。
そういえば俺、レオンにゲームとか教えたことがない。
よって腕相撲も知らない……?
────それだ!
ピンっ!ときた俺は、直ぐにぴょんぴょん飛び上がりながらレオンに向かって身振り手振りで説明を開始した。
「レオ────ン!!腕相撲はね、こうっ!こうやって、こう!!腕をそのまま倒すんだよ────!!」
90度に曲げた腕を横に倒すジェスチャーを見せつけると、レオンは理解してくれたのか、静かに頷く。
その時点で相手のニットさん、嫌な予感がしたらしく慌ててレオンから手を離すが、レオンは腕相撲開始のポーズのまま、俺の説明した通りの動きで手を横に振り下ろした。
すると────……。
────ドコォォ~ン!!!
大きな音を立てて、台座は跡形もなく砕け散る……いや爆発し、周囲にその破片達が飛び散る。
それが雪のようにパラパラ振る中、司会者とニットさん、そして観客達は絶句し、呆然とその様を見つめていた。
「「「「……………。」」」」
シ~ン……とその場は静まりかえり、全員の顔からは血の気が引いていく。
実はこの台座には防御力(大)の魔法が付与されていたらしく、かなりの実力者が本気で壊そうとしても不可能であるというほどの代物だったらしい。
それを身体強化も使わず、さらに軽く小突く程度に叩いただけで粉砕してしまったことに全員驚いていた様だが、そんな事は全く知らない俺は素直に喜んだ。
「相手が避けたぞ!レオンの勝ちだ────!!」
やっほ────い!!
ぴょんぴょんと飛び上がって喜びを表現する。
すると、真っ青な顔色をしたニットさんは「参りました……。」とだけ呟き、トボトボとステージの上から降りていった。
勝者のレオンはというと、初勝利を収めた事で相当嬉しかったらしく、キラキラした目で俺を見てくる。
その視線に答える様にピッ!ピッ!と手を上げ下げして、更にレオンの勝利を喜んだが、周りは何となく微妙な雰囲気のままだった。
しかし、代用の台座が直ぐに用意されて大会は続いていき、無事にまた元の活気を取り戻した。────レオンの時以外。
なんとその後は、次々とレオンの対戦相手は棄権してしまい、一度しか戦わぬまま残すは決勝戦を残すのみとなってしまったのだ。
「レオンの勇姿が全然見れないね……。」
残念そうにモルトとニールに言うと、二人は先ほどまで手に持っていた薬草をしまいながら、「「平和が一番です(っすよね)。」」と言った。
確かに世界平和は大事、まさにその代表的な勝ち方か、コレは……。
複雑な想いで、平和大好きと勝負大好きの狭間で心が揺れ動く。
「じゃあ、このままレオンの平和的優勝かな。」
結局は勝負大好き!の気持ちが勝って、少々残念な気持ちで見守っていたのだが────なんと今度の決勝相手は棄権する意志がないらしく、堂々とステージの上に立った。
すると、突如ギュギュん!とお楽しみモードに突入した俺は、胸を躍らせながら相手の人物に視線を向ける。
相手は、レオンの2倍くらいはありそうな体格に立派なおヒゲ、目元はサングラスのような黒色メガネで隠しているなかなか強そうなおじさんだ。
「へいへ────い!!野郎ども!!怒涛の展開を迎えた<腕相撲大会>も、とうとうこれが最後の対戦だ────!!!
決勝戦に残ったのはこの二人~~!!
ここまで順調に勝ち進んできた、髭面怪力男!!<ゼブ>────!!
そして一回戦以外は全て不戦勝────!!!不戦勝のクールチルドレン!レオンだ────!!!」
『わあぁぁ────!!!』
大きな歓声が轟く中、対戦相手のゼブさんはニヤニヤしながらレオンに近づいた。
「────まぁ、お互い頑張りましょーうや。」
そう言ってレオンに右手を差し出し握手を求めると、レオンはじっとその手を見下ろした後、なぜか小さく頷いてその握手に応じる。
その一連の動きをヒヤヒヤしながら見守った俺は、見事交わされた人と人とのコミュニケーションの初手とも言える握手にカカッ!!と目を見開いた。
レオンがコミュニケーションを試みた!
幼子の初めての二足歩行!レオンの握手にはそれだけの感動がある。
思わずうるっとしている間に、レオンとゼブさんは対戦用の台座へと移動していった。
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