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第六章(ライトノア学院試験編、ソフィアとアゼリア、レイドとメル、リリアとサイモンとの出会い)
(ソフィア)301 青い青い心
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(ソフィア)
当たり障りのない返事を返した後、一度休もうと自分の席に戻ろうとしたのだが、その途中、会場の隅の方で所在無げに立っていたアゼリアが目に入った。
あの少女はまだ紹介されていないようだが、一体何処のご令嬢なのだろうか……。
そんな事を考えながら席に戻った────その瞬間、突如その椅子の周辺に魔法陣が出現し、あるモンスターが私の目の前に現れる。
<泥とげカメレオン>であった。
<泥とげカメレオン>
カメレオン型Fランクモンスター。
普段は泥の中に潜み、自身のテリトリーに侵入してきた獲物を襲い捕食する。
そのテリトリーにさえ入らなければ襲ってこないため比較的危険度は低いが、大きく膨らんだトゲトゲの尻尾の一撃は非常に危険で、並の兵士なら即死する事もある。
王宮内には特殊な結界がいくつも張られていて勿論モンスターの召喚も出来ないようになっている。
それにも関わらず、一切の気配もなく感知もされずこのモンスターが召喚されたということは……相当な実力をもった誰かが空間を捻じ曲げ、召喚を可能にしたということ。
狙いは確実に私。
強力なモンスターにばかり警戒していた結果、この泥とげカメレオンという低ランクモンスターへの対処が遅れてしまった。
「────くっ!!」
「ソフィア様っ!!」
護衛の騎士達は、焦って直ぐに動いたが間に合わない!
その動きを視界の端で確認しながら、私は目の前に迫りくるモンスターの尻尾を呆然と見つめていた────その時だった。
その中の誰よりも早く動いたアゼリアが、隠し持っていた短剣を構え私の前へ飛び出し、泥とげカメレオンの尻尾をスパンっ!!と斬ると、更にその場で大きく回りその勢いのままモンスターを真っ二つに切り裂いたのだ。
「…………っ!」
一瞬の出来事に私は目を見張りながら、未だ警戒を解かないアゼリアを私は『見た』。
うっすらとした青い色。
正直で真っ直ぐな安心する色。
ようやく周囲の安全が確認されたところでアゼリアも警戒を解き、私に向かって、「ご無事でしたか?ソフィア様。」と声を掛けてくれた。
私はそれにニコッと笑顔を返しながら、「あなたに決めたわ。」ときっぱりと告げる。
えっ?と訳がわからないという顔を見せるアゼリアに、私は再度自分の専属聖兵士はアゼリアにお願いしたいと伝えようとしたのだが……それに激しく待ったをかけたのはレイモンド家の当主ロイドとその妻であるローズであった。
「お待ち下さい!!その娘は卑しい血筋のまじった汚れ子……更には魔法も満足に使えず、女の身でありながら野蛮にも剣を振り回すしか出来ぬ我が家の恥知らずでございます。」
「こちらの優秀な我が子のクラークこそ!実力的にも血筋的にも、その座につくのに相応しいはずですわ!」
凄まじい剣幕でそうまくし立て、最後はアゼリアを睨みつけるレイモンド家のご当主夫妻とその息子であるクラーク。
そして口を閉ざし黙って耐えるアゼリアを見てから、私はゆっくりと口を開いた。
「今、目の前で私の命を助けてくれたのは、その『優秀なご子息』ではありません。
彼女を『恥知らず』と仰るならそちらにいる『優秀なご子息』とその他の方々はそれ以下の『恥知らず』であると言うことですが……それで間違いはございませんか?」
淡々と、しかしはっきりと告げられる言葉に、当主夫妻であるロイドとローズ、そしてその息子であるクラークは顔を赤らめながら下を向き押し黙る。
目の前で起こったこの出来事は、目撃者も多数。
これでは流石に他の派閥の者たちも反論できないと分かった上で、死刑判決にも等しい言葉を告げてやった。
これでここにいる全員が、自身の子が王女である私を助けられなかったという事実をごまかすため、このレイモンド家に全ての責任をなすりつけ攻撃を始める事だろう。
『優秀だと自慢していたご子息は王女を助けられず、更には不義の子に負けた。』
『そのくせ他の家の子たちを、恥知らずだの何だのと酷い暴言を吐いたそうだ。』
そんな話が広がれば、我が子の悪評は広まることはない。
自分の悪い噂を消すには、別の悪い噂にすり替えるのが一番手っ取り早くて効果が高い方法だから。
エドワード派閥でも上位に君臨するレイモンド家、それにここでダメージを与えることが出来たのは運が良かった。
そんな酷い事を考えている私に気づく事なく、アゼリアは、顔を上げ驚いた様に私を見つめてきたので、私は再度彼女に頼んだ。
「私の専属聖兵士になってくれますか?」
改めてお願いすると、アゼリアは困った顔をしてオズオズと答える。
「私は女の身でありながら魔法はほとんど使えません。本当にそれでよろしいのでしょうか?」
「私は剣が全く使えないの。だから凄いと思うわ。」
そう言って大きく頷くと、アゼリアは嬉しそうに笑い、その場で跪いた。
「これからは貴方様の専属聖兵士として生きていくことをここに誓います。」
当たり障りのない返事を返した後、一度休もうと自分の席に戻ろうとしたのだが、その途中、会場の隅の方で所在無げに立っていたアゼリアが目に入った。
あの少女はまだ紹介されていないようだが、一体何処のご令嬢なのだろうか……。
そんな事を考えながら席に戻った────その瞬間、突如その椅子の周辺に魔法陣が出現し、あるモンスターが私の目の前に現れる。
<泥とげカメレオン>であった。
<泥とげカメレオン>
カメレオン型Fランクモンスター。
普段は泥の中に潜み、自身のテリトリーに侵入してきた獲物を襲い捕食する。
そのテリトリーにさえ入らなければ襲ってこないため比較的危険度は低いが、大きく膨らんだトゲトゲの尻尾の一撃は非常に危険で、並の兵士なら即死する事もある。
王宮内には特殊な結界がいくつも張られていて勿論モンスターの召喚も出来ないようになっている。
それにも関わらず、一切の気配もなく感知もされずこのモンスターが召喚されたということは……相当な実力をもった誰かが空間を捻じ曲げ、召喚を可能にしたということ。
狙いは確実に私。
強力なモンスターにばかり警戒していた結果、この泥とげカメレオンという低ランクモンスターへの対処が遅れてしまった。
「────くっ!!」
「ソフィア様っ!!」
護衛の騎士達は、焦って直ぐに動いたが間に合わない!
その動きを視界の端で確認しながら、私は目の前に迫りくるモンスターの尻尾を呆然と見つめていた────その時だった。
その中の誰よりも早く動いたアゼリアが、隠し持っていた短剣を構え私の前へ飛び出し、泥とげカメレオンの尻尾をスパンっ!!と斬ると、更にその場で大きく回りその勢いのままモンスターを真っ二つに切り裂いたのだ。
「…………っ!」
一瞬の出来事に私は目を見張りながら、未だ警戒を解かないアゼリアを私は『見た』。
うっすらとした青い色。
正直で真っ直ぐな安心する色。
ようやく周囲の安全が確認されたところでアゼリアも警戒を解き、私に向かって、「ご無事でしたか?ソフィア様。」と声を掛けてくれた。
私はそれにニコッと笑顔を返しながら、「あなたに決めたわ。」ときっぱりと告げる。
えっ?と訳がわからないという顔を見せるアゼリアに、私は再度自分の専属聖兵士はアゼリアにお願いしたいと伝えようとしたのだが……それに激しく待ったをかけたのはレイモンド家の当主ロイドとその妻であるローズであった。
「お待ち下さい!!その娘は卑しい血筋のまじった汚れ子……更には魔法も満足に使えず、女の身でありながら野蛮にも剣を振り回すしか出来ぬ我が家の恥知らずでございます。」
「こちらの優秀な我が子のクラークこそ!実力的にも血筋的にも、その座につくのに相応しいはずですわ!」
凄まじい剣幕でそうまくし立て、最後はアゼリアを睨みつけるレイモンド家のご当主夫妻とその息子であるクラーク。
そして口を閉ざし黙って耐えるアゼリアを見てから、私はゆっくりと口を開いた。
「今、目の前で私の命を助けてくれたのは、その『優秀なご子息』ではありません。
彼女を『恥知らず』と仰るならそちらにいる『優秀なご子息』とその他の方々はそれ以下の『恥知らず』であると言うことですが……それで間違いはございませんか?」
淡々と、しかしはっきりと告げられる言葉に、当主夫妻であるロイドとローズ、そしてその息子であるクラークは顔を赤らめながら下を向き押し黙る。
目の前で起こったこの出来事は、目撃者も多数。
これでは流石に他の派閥の者たちも反論できないと分かった上で、死刑判決にも等しい言葉を告げてやった。
これでここにいる全員が、自身の子が王女である私を助けられなかったという事実をごまかすため、このレイモンド家に全ての責任をなすりつけ攻撃を始める事だろう。
『優秀だと自慢していたご子息は王女を助けられず、更には不義の子に負けた。』
『そのくせ他の家の子たちを、恥知らずだの何だのと酷い暴言を吐いたそうだ。』
そんな話が広がれば、我が子の悪評は広まることはない。
自分の悪い噂を消すには、別の悪い噂にすり替えるのが一番手っ取り早くて効果が高い方法だから。
エドワード派閥でも上位に君臨するレイモンド家、それにここでダメージを与えることが出来たのは運が良かった。
そんな酷い事を考えている私に気づく事なく、アゼリアは、顔を上げ驚いた様に私を見つめてきたので、私は再度彼女に頼んだ。
「私の専属聖兵士になってくれますか?」
改めてお願いすると、アゼリアは困った顔をしてオズオズと答える。
「私は女の身でありながら魔法はほとんど使えません。本当にそれでよろしいのでしょうか?」
「私は剣が全く使えないの。だから凄いと思うわ。」
そう言って大きく頷くと、アゼリアは嬉しそうに笑い、その場で跪いた。
「これからは貴方様の専属聖兵士として生きていくことをここに誓います。」
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