【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第七章(試験後、レオンと娼館、アントンと呪いについて、リーフ暗殺計画)

(???)326 ギルド

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(???)

【ギルド】
それは様々な目的に合わせて民間で運営されている組織であり、派生したギルドも合わせると相当な数のギルドが現在存在している。
その中で初代からある有名なギルドとして有名なのは、4つ。

一つ目は【冒険者ギルド】
国民からの幅広い依頼を請け負うこのギルドは人数的には最多。
冒険者に依頼を出す事で商売が成り立っている職場も多く、例え領主といえども表立って手を出せないほどの権力を持っている。

二つ目は【商業ギルド】
この国で商売と名のつく仕事をしていくには必ず登録する事が必要で、露店型や建物型など商売形態によって様々な制限やルールがある代わりに、トラブル時の仲介や護衛などの問題などに速やかに対応してくれる。
もちろん、この国にとって商人がいなくなれば一切の流通はストップしてしまうため、冒険者ギルドと共に大きな権力をもった組織である。

そして3つ目は【傭兵ギルド】
モンスターが蔓延るこの世界にとってなくては困る存在、それがこの傭兵ギルド。
国お抱えの騎士達や領主が管轄する各街の守備隊、そして貴族達が独自に持っている私兵達とは違い、面倒な報告や手続き、制限なしに動ける彼らは、人の命を救うという点ではナンバーワンと言っても過言ではない存在だろう。

そして最後に全てのギルド、および国にとってなくてはならないギルド、それが─────【諜報ギルド】
言葉の通り諜報を専門にするギルドで、あらゆる手段、方法を用いて情報を集める組織であり、全てのギルドと密接な関係を築いている。

この4つのギルドは現在、【冒険者ギルド】と【商人ギルド】の大半が<アーサー派閥>であり、それに伴いこの2つのギルドを利用する機会が多い国民の半分以上が、<中立派よりのアーサー派閥>である。

そして『情報は平等に』を唱う【諜報ギルド】は<完全中立派>で、【傭兵ギルド】は全てに派閥が混合した状態となっているが、性質上貴族と密接に関わることが多く、更に個人主義的思想を持つ者たちは、その全てが<エドワード派閥>である。

そして特に傭兵ギルドから派生した─────【暗殺ギルド】
これに在籍する者たちの殆どが<エドワード派閥>で、更にその中でも過激派と呼ばれる苛烈な性格をしている者たちが多く集まっている。

依頼の性質上、実力的にも傭兵の中で抜きん出ている者しか入ることはできないため、他の派閥にとっては非常に厄介なその存在は、今の今まで<エドワード派閥>を陰ながら支えてきた影の存在とも言えるだろう。

◇◇◇◇◇
~某日、王都にて~

王都の中でも低所得者が好んで行くような寂れた酒場〈女神の祝杯〉。
そこへ1人の全身を隠すような大きな黒マントにフードを被った人物が現れる。

全体的に背は高くほっそりとはしているが、マントの上からでも分かるガチッとした体格からも男性であるということが伺えるその人物は、しっかりとした足取りでその店の中へと入っていった。
そしてそのまま、ガラン……と閑古鳥が鳴く店内に入ると、真っ直ぐマスターの男のいるカウンターへと向かい、無言で銀貨を一枚を投げ渡す。

「神に祝福を……。」

黒いフードの男がそうポツリと呟くと、マスターの男は無言でカウンターの奥へと続く道を開けた。
黒いフードの男は開けられた道を進み、カウンターの奥にある空間へとたどり着くと、突如足元に魔法陣が現れ─────……その姿は一瞬で消えてしまう。
そして後に残るのは物音1つせぬその空間だけであった。

どこかに到着したらしい事を感じた黒いフードの男が目を開けると、そこは大きな会議室の様な部屋で、中央には大きな丸い形のテーブルが設置されており、既に集まっていた仲間たちが各々寛いだ状態で着席している姿が目に入る。

「おい、遅せぇじゃねえか、待ちくたびれたぜ。」

仲間の1人、Sランク傭兵かつ、ワニの獣人である<ルッツ>

こいつは、不機嫌そうにお尻から生えているご自慢の太い尻尾をブンッと横に振った。

外見はさすが獣人と言わざるを得ない引き締まった筋肉質な体格に、獰猛さを感じる三白眼の鋭い目つき。
そして短く剃り込みが入った金色混じりの茶髪によりその貌が際立って見える男だ。

俺が無視していると、ルッツはフンッと面白くなさそうに足をテーブルに叩きつけ、そのまま手は頭の後ろに回し不貞腐れた表情を見せる。

「ルッツさん、行儀が悪いですよ。めっ!───です。」

人差し指をルッツに向けながら注意をしている女性は、同じく仲間の1人。

Sランク傭兵の<ルーナ>

おっとりした顔にふわふわパーマのボブカット、更にその身に身につけている聖職者の聖衣により穏やかで正に聖職者の鏡としか見えない外見をしている。

「……チッ!うるせぇな……。」

ルッツはそれに対しブチブチと文句を言うが、ルーナの独特なテンポで話される話し方が苦手な様子で、早々に相手にするのを辞めたらしい。
ルーナのくどくどと説教臭い言葉が響く中、ルーナの隣に座っている女が、我関せずと言った様子で手鏡を持ちながら真っ赤な口紅を引いていた。

Sランク傭兵の<プラム>。

長い真紅のストレートな髪に、男なら一度はお相手していただきたいと言いたくなるようなナイスバディをこれでもかと見せつける派手で露出も高い格好。
プラムは先ほどのルーナとは正反対に位置するような女性だ。

口紅を塗り終わった彼女は長い髪をバサッと後ろに流し、俺の方へ視線を向けると、その真っ赤な唇で話し始めた。

「遅かったじゃない、我らが【神の戯れ】のリーダー<バルザーク>様?
いい加減その野暮ったいフードをとってこっちに座ってよ。
私達が揃ったってことは例の依頼の話でしょ?……でも本当に大丈夫なのかしら?
公爵家の息子の暗殺なんて─────。」

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