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第七章(試験後、レオンと娼館、アントンと呪いについて、リーフ暗殺計画)
(バルザーク)327 【神の戯れ】
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(バルザーク)
俺が頭に深く被っていたフードを脱ぎ、空いてる席に着席すれば、ルッツもルーナもピタリとじゃれ合いを止め俺の方に注目する。
Sランク傭兵パーティー【神の戯れ】
そのリーダーであるSランク傭兵<バルザーク>
それが俺の現在の肩書だ。
黄色に近い茶色の髪に、前髪を横に流した短髪に切れ長の目元。
さらに瞳の奥には、一度見たら忘れないと言われる程相手を威圧するような鋭い瞳が光る。
顎を飾る短い髭が更にその威圧感を増大させる様で、それなりに修羅場を経験してきた者でも震え上がらせるような容貌をしている。
勿論恐ろしいのは外見だけではなく、それに伴った実力も持っているからこそ、この癖の強いメンバー達のリーダーが出来ているのだか……。
「心配するのは最もだ。幾人もそれなりの地位の者たちを暗殺してきたが、流石にこの国のナンバー2の公爵家、その子息暗殺ともなれば事件のもみ消しは難しいだろう。
────が……何やら色々と事情がお有りの様だ。
なぁ?暗殺ギルド長 <ルノマンド>殿?」
名指しで呼ばれたのは、既にテーブルに座っている50代半ば程の男で、そいつはニコリと人の良さそうな笑みを浮かべた。
こうしてパッと見る分には、その肩書と正反対にいそうな穏やかそうな雰囲気。
明るめのプラウン色の前髪は整髪剤で全てアップし、細いメガネを掛けている。
そして何処にでもいそうな、平民男性にしか見えない凡庸な顔立ちに、ぼんやりとした薄い存在感……。
恐らくこの男が暗殺ギルド長であると言っても誰も信じはしないと断言出来るほど『普通』な男である。
「ふふ……。心配はご尤も。しかし、この依頼はその公爵家のご当主カール様自ら依頼されたもの。
絶対に足がつかぬよう全ての痕跡は消してくださる事だろう。今までと同じ様にな。」
────子殺しか……。
依頼主の話を聞き、メンバー達はホッとしたのと同時に興味もなくなったようだ。
たかが子供1人消すのに面倒だとでも思ったのだろう。
それは私も同じだったため、落胆する気持ちを隠す事なくルノマンドへ話しかける。
「不義の子か後継者問題か……詳しい理由は知らんがそんな簡単な依頼、俺達がするまでもなかろう。
適当に手が空いている新人でも簡単に出来る仕事だ。」
「不義の子……というわけではないそうだが、不思議な事に容姿が全く似ていないそうで、とにかく早急に片付けたいと以前からかなり強く押されているんだ。
特に隠しきれなくなる中学院に入る前に絶対……とな。
しかし面倒な事に、そのご子息様の屋敷にはある厄介な人物がいて、今の今まで放った諜報や軽く突いた仲間達は全て消されている。」
「……ほぅ?」
そこでやっと興味が出てきて、俺は浮かびそうな尻をしっかりと椅子にくっつけた。
ルノマンドが放った者たちは少なくともB級以上の傭兵や諜報員だったはず。
おいそれと倒せる相手ではない。
そう思ったのは俺だけではないようで、気がつけばルッツ達も真剣な顔でその話に耳を傾けていた。
それに気づいたルノマンドが説明を続けようと口を開きかけたその時────……。
「カルパスよ。あのクソ野郎が全部裏で手を引いて邪魔してくるの。
……全く忌々しい男だわ!!」
ルノマンドの後ろから30にはいってなさそうな若い女が、気配も無く現れた。
華奢な体に長い茶色の髪を後ろで1つに束ねていて、左目には黒い眼帯をしているため、その貌の全ては見えないが……それなりに美しいと思えるような容姿をしている。
緩めの白いシャツにタイトな黒いズボンという、極力目立たぬ格好をしていて、全体的に見ればそれほど印象に残るような女ではない。
しかし────憎しみを抑えきれないとばかりにギラギラ輝く目は、そうそう忘れられるものではないほど印象的なものであった。
「<レイナ>落ち着きなさい。流石のカルパスも今回は防ぎきれないだろうから、今度こそ君が勝つ。
しかしそのためには情報が必要だ。彼らに色々と教えてあげなさい。」
「……ふんっ。」
俺が頭に深く被っていたフードを脱ぎ、空いてる席に着席すれば、ルッツもルーナもピタリとじゃれ合いを止め俺の方に注目する。
Sランク傭兵パーティー【神の戯れ】
そのリーダーであるSランク傭兵<バルザーク>
それが俺の現在の肩書だ。
黄色に近い茶色の髪に、前髪を横に流した短髪に切れ長の目元。
さらに瞳の奥には、一度見たら忘れないと言われる程相手を威圧するような鋭い瞳が光る。
顎を飾る短い髭が更にその威圧感を増大させる様で、それなりに修羅場を経験してきた者でも震え上がらせるような容貌をしている。
勿論恐ろしいのは外見だけではなく、それに伴った実力も持っているからこそ、この癖の強いメンバー達のリーダーが出来ているのだか……。
「心配するのは最もだ。幾人もそれなりの地位の者たちを暗殺してきたが、流石にこの国のナンバー2の公爵家、その子息暗殺ともなれば事件のもみ消しは難しいだろう。
────が……何やら色々と事情がお有りの様だ。
なぁ?暗殺ギルド長 <ルノマンド>殿?」
名指しで呼ばれたのは、既にテーブルに座っている50代半ば程の男で、そいつはニコリと人の良さそうな笑みを浮かべた。
こうしてパッと見る分には、その肩書と正反対にいそうな穏やかそうな雰囲気。
明るめのプラウン色の前髪は整髪剤で全てアップし、細いメガネを掛けている。
そして何処にでもいそうな、平民男性にしか見えない凡庸な顔立ちに、ぼんやりとした薄い存在感……。
恐らくこの男が暗殺ギルド長であると言っても誰も信じはしないと断言出来るほど『普通』な男である。
「ふふ……。心配はご尤も。しかし、この依頼はその公爵家のご当主カール様自ら依頼されたもの。
絶対に足がつかぬよう全ての痕跡は消してくださる事だろう。今までと同じ様にな。」
────子殺しか……。
依頼主の話を聞き、メンバー達はホッとしたのと同時に興味もなくなったようだ。
たかが子供1人消すのに面倒だとでも思ったのだろう。
それは私も同じだったため、落胆する気持ちを隠す事なくルノマンドへ話しかける。
「不義の子か後継者問題か……詳しい理由は知らんがそんな簡単な依頼、俺達がするまでもなかろう。
適当に手が空いている新人でも簡単に出来る仕事だ。」
「不義の子……というわけではないそうだが、不思議な事に容姿が全く似ていないそうで、とにかく早急に片付けたいと以前からかなり強く押されているんだ。
特に隠しきれなくなる中学院に入る前に絶対……とな。
しかし面倒な事に、そのご子息様の屋敷にはある厄介な人物がいて、今の今まで放った諜報や軽く突いた仲間達は全て消されている。」
「……ほぅ?」
そこでやっと興味が出てきて、俺は浮かびそうな尻をしっかりと椅子にくっつけた。
ルノマンドが放った者たちは少なくともB級以上の傭兵や諜報員だったはず。
おいそれと倒せる相手ではない。
そう思ったのは俺だけではないようで、気がつけばルッツ達も真剣な顔でその話に耳を傾けていた。
それに気づいたルノマンドが説明を続けようと口を開きかけたその時────……。
「カルパスよ。あのクソ野郎が全部裏で手を引いて邪魔してくるの。
……全く忌々しい男だわ!!」
ルノマンドの後ろから30にはいってなさそうな若い女が、気配も無く現れた。
華奢な体に長い茶色の髪を後ろで1つに束ねていて、左目には黒い眼帯をしているため、その貌の全ては見えないが……それなりに美しいと思えるような容姿をしている。
緩めの白いシャツにタイトな黒いズボンという、極力目立たぬ格好をしていて、全体的に見ればそれほど印象に残るような女ではない。
しかし────憎しみを抑えきれないとばかりにギラギラ輝く目は、そうそう忘れられるものではないほど印象的なものであった。
「<レイナ>落ち着きなさい。流石のカルパスも今回は防ぎきれないだろうから、今度こそ君が勝つ。
しかしそのためには情報が必要だ。彼らに色々と教えてあげなさい。」
「……ふんっ。」
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