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第九章
372 最初から躓いた
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( リーフ )
ビュンビュンと物凄い速さで景色が流れていく。
そして「 クピョ~~!!! 」とあげ玉が叫んだので、楽しくなってきた俺はそれに答えるように「 うほ──い!! 」と叫んだ。
本日はライトノア学院の入学院式。
ワクワクする気持ちを抑えること無く叫ぶ俺を、いつものこといつものこと~と言わんばかりに無関心でゆったりしているモルトとニールは、前回グリモアに向かった時同様、高級レンタル馬車に乗ってあげ玉を追いかける様についてきている。
難関中学院ライトノア学院に、なんと俺達幼馴染~ズは全員見事に合格を果たし、今そのライトノア学院に向かっている最中なのだ。
しかも俺はその試験で次席合格!
更に~……。
自分の腰にガッチリ巻き付いている逞しい腕を見下ろし、それを目線で追いかけていくと……機嫌なご様子のレオンの瞳とバッチリ目が合った。
『 貴方の腰をガッチリホールド!決して落下はいたしません! 』
そんなキャッチフレーズが付きそうなほどしっかりと転落防止柵の役目をはたしている腕の持ち主、レオンはなんとぶっちぎりで主席合格!
流石のレオンも苦戦するんじゃな~い?……なんていう心配は全くのご無用であった。
────が!小学生で一番、中学生でビリ!は割りとよく聞く話。
引き続きの努力はやはり必要となるはずだ。
俺はピッタリとくっついたゴツゴツ胸に安心してもたれ掛かると、強度は流石のレオン製。
ビクともしない最高強度にすっかり安心しながら、移りゆく景色達に視線を戻す。
入学院式は14時スタートと、かなりのスロースタートなのだが、その理由としては全国どころか世界中から志高き子どもたちが集まる学院故、殆どの生徒達が’寮生活となるためだ。
そうなると当然、その入学院前に持ってきた荷物を置いたり手続きしたりもしなければならず、時間が掛かることを想定してのこの時間なのである。
勿論レガーノ発の俺達4人も漏れなく寮生活をする事になっているので、大量の荷物は全て馬車についている多次元収納庫へ入れ、学院に着いたらまずは指定されている寮へと向かう事になっている。
今回は前回と違い泊まりなしの当日朝早くからの出発で、もう間もなく目的地グリモアに到着するわけだが────実は最初の出発の時は前回同様あまり順調ではなかった。
俺はつい先程の出来事を思い出し、目をスゥ……と細める。
出発直前、前回のレオンに引き続き今度はあげ玉がごねた。
そりゃーもう盛大に。
様々な凶暴モンスターがはびこるグリモアの森や、厳しいことで有名なライトノア学院での新生活……。
そんな不安定な生活より、この平和なレガーノで暮らした方がいいだろうという配慮の元、あげ玉は置いていく事にしたのだが────それを察知したあげ玉は出発前に盛大にゴネりだす。
「 クッピョピョッポポ────────!! 」
( 俺も連れてって────────!!! )
「 クペペペペ────っ!!!! 」
( 一緒がいい────!! )
「 ポップププ────クポポっ!!! 」
( 俺もあっちに住む~~!! )
そう叫びながら激しくゴロゴロと庭中転がりまわるあげ玉に出発は妨害され、無言でレイピアを抜こうとするレオンの背に飛び乗ってそれを阻止。
仕方がないのであげ玉も一緒に寮生活をさせることにして、現在その背に乗って一緒にグリモアに向かっている最中というわけだ。
レオンはそんなあげ玉に対し、「 リーフ様を待たせるなど……。 」とブツブツ文句を言っていたが、前回のレオンは一時間、あげ玉は30分、正直レオンの方が二倍は時間が掛かってる。
しかし、それを言えばまた負けず嫌いスイッチが入りゴネられては困るので、波風1つない静かなる泉の様に静かに黙ることにした。
一応契約はしていないが召喚獣扱いとして登録かな~……?
無言を貫きながらこれからの事を考えたが────あげ玉の種族である『 ポッポ鳥 』は、モンスターランクは最低ランクのGランクであるため、もしかしたら登録は必要ないかもしれないと思い直す。
資質が< 召喚士 >などに該当する者達は、その自身の能力に見合った召喚を行いそれによって契約してくれた召喚獣と生活を共にするのが基本。
勿論学院にいる間はずっと一緒、寮なら暮らす部屋も一緒になるわけだが……。
う~ん……と俺は腕を組んで考え込んだ。
元々自身のステータスの伸びが低い召喚系資質者は、契約した召喚獣によってその能力が変動するため、今現在の召喚者の能力限界まで強いモンスター……つまり、結構な高ランクモンスターがその召喚獣であることが多く、問題を起こした時用に登録することは絶対とされている。
だから学院内に連れて行くにはちょっと面倒な登録が必要なのだが、あげ玉のようなポッポ鳥やキラリマッシュのような危険度の低い低ランクモンスターに対しては登録はしなくても良い事になっている。
しかし……。
脳内にはあげ玉の勇ましい戦いの記憶が浮かび上がり、俺は笑顔でニッコリ頷いた。
これは登録必須……いや、登録したとしても初日から連帯責任による退学にならない?
あげ玉が寮の中で暴れて!
────────ゾゾゾゾ~!
そんな恐ろしい未来を想像し背筋を凍らせたが、丁度いい高さの木を見つけ空を飛んだあげ玉に歓声を上げると、そんな不安はすっかり頭の外にスポポーンと飛んでいった。
世界はひろ~い!
だからなんとかなる!大丈夫大丈夫~。
ビュンビュンと物凄い速さで景色が流れていく。
そして「 クピョ~~!!! 」とあげ玉が叫んだので、楽しくなってきた俺はそれに答えるように「 うほ──い!! 」と叫んだ。
本日はライトノア学院の入学院式。
ワクワクする気持ちを抑えること無く叫ぶ俺を、いつものこといつものこと~と言わんばかりに無関心でゆったりしているモルトとニールは、前回グリモアに向かった時同様、高級レンタル馬車に乗ってあげ玉を追いかける様についてきている。
難関中学院ライトノア学院に、なんと俺達幼馴染~ズは全員見事に合格を果たし、今そのライトノア学院に向かっている最中なのだ。
しかも俺はその試験で次席合格!
更に~……。
自分の腰にガッチリ巻き付いている逞しい腕を見下ろし、それを目線で追いかけていくと……機嫌なご様子のレオンの瞳とバッチリ目が合った。
『 貴方の腰をガッチリホールド!決して落下はいたしません! 』
そんなキャッチフレーズが付きそうなほどしっかりと転落防止柵の役目をはたしている腕の持ち主、レオンはなんとぶっちぎりで主席合格!
流石のレオンも苦戦するんじゃな~い?……なんていう心配は全くのご無用であった。
────が!小学生で一番、中学生でビリ!は割りとよく聞く話。
引き続きの努力はやはり必要となるはずだ。
俺はピッタリとくっついたゴツゴツ胸に安心してもたれ掛かると、強度は流石のレオン製。
ビクともしない最高強度にすっかり安心しながら、移りゆく景色達に視線を戻す。
入学院式は14時スタートと、かなりのスロースタートなのだが、その理由としては全国どころか世界中から志高き子どもたちが集まる学院故、殆どの生徒達が’寮生活となるためだ。
そうなると当然、その入学院前に持ってきた荷物を置いたり手続きしたりもしなければならず、時間が掛かることを想定してのこの時間なのである。
勿論レガーノ発の俺達4人も漏れなく寮生活をする事になっているので、大量の荷物は全て馬車についている多次元収納庫へ入れ、学院に着いたらまずは指定されている寮へと向かう事になっている。
今回は前回と違い泊まりなしの当日朝早くからの出発で、もう間もなく目的地グリモアに到着するわけだが────実は最初の出発の時は前回同様あまり順調ではなかった。
俺はつい先程の出来事を思い出し、目をスゥ……と細める。
出発直前、前回のレオンに引き続き今度はあげ玉がごねた。
そりゃーもう盛大に。
様々な凶暴モンスターがはびこるグリモアの森や、厳しいことで有名なライトノア学院での新生活……。
そんな不安定な生活より、この平和なレガーノで暮らした方がいいだろうという配慮の元、あげ玉は置いていく事にしたのだが────それを察知したあげ玉は出発前に盛大にゴネりだす。
「 クッピョピョッポポ────────!! 」
( 俺も連れてって────────!!! )
「 クペペペペ────っ!!!! 」
( 一緒がいい────!! )
「 ポップププ────クポポっ!!! 」
( 俺もあっちに住む~~!! )
そう叫びながら激しくゴロゴロと庭中転がりまわるあげ玉に出発は妨害され、無言でレイピアを抜こうとするレオンの背に飛び乗ってそれを阻止。
仕方がないのであげ玉も一緒に寮生活をさせることにして、現在その背に乗って一緒にグリモアに向かっている最中というわけだ。
レオンはそんなあげ玉に対し、「 リーフ様を待たせるなど……。 」とブツブツ文句を言っていたが、前回のレオンは一時間、あげ玉は30分、正直レオンの方が二倍は時間が掛かってる。
しかし、それを言えばまた負けず嫌いスイッチが入りゴネられては困るので、波風1つない静かなる泉の様に静かに黙ることにした。
一応契約はしていないが召喚獣扱いとして登録かな~……?
無言を貫きながらこれからの事を考えたが────あげ玉の種族である『 ポッポ鳥 』は、モンスターランクは最低ランクのGランクであるため、もしかしたら登録は必要ないかもしれないと思い直す。
資質が< 召喚士 >などに該当する者達は、その自身の能力に見合った召喚を行いそれによって契約してくれた召喚獣と生活を共にするのが基本。
勿論学院にいる間はずっと一緒、寮なら暮らす部屋も一緒になるわけだが……。
う~ん……と俺は腕を組んで考え込んだ。
元々自身のステータスの伸びが低い召喚系資質者は、契約した召喚獣によってその能力が変動するため、今現在の召喚者の能力限界まで強いモンスター……つまり、結構な高ランクモンスターがその召喚獣であることが多く、問題を起こした時用に登録することは絶対とされている。
だから学院内に連れて行くにはちょっと面倒な登録が必要なのだが、あげ玉のようなポッポ鳥やキラリマッシュのような危険度の低い低ランクモンスターに対しては登録はしなくても良い事になっている。
しかし……。
脳内にはあげ玉の勇ましい戦いの記憶が浮かび上がり、俺は笑顔でニッコリ頷いた。
これは登録必須……いや、登録したとしても初日から連帯責任による退学にならない?
あげ玉が寮の中で暴れて!
────────ゾゾゾゾ~!
そんな恐ろしい未来を想像し背筋を凍らせたが、丁度いい高さの木を見つけ空を飛んだあげ玉に歓声を上げると、そんな不安はすっかり頭の外にスポポーンと飛んでいった。
世界はひろ~い!
だからなんとかなる!大丈夫大丈夫~。
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