【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十章

412 好きなモノ

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( レオン )


リーフ様は ” むっちんむっちん ” が好き……。


とりあえず、その事実を直ぐに頭に叩き込んだ後、俺は考え込む。


” むっちんむっちん ” の胸とは……?


今までの知識を総動員して考えても答えは出ず……。

そのため、俺はとりあえず自分の胸筋に手を当てモミモミと揉んで……いや ” 揉む ” のはサイズ的に無理だったのでグッグッと押し込むように触ってみた。


しかし、これが果たして ” むっちんむっちん ” に該当するものなのかは、全く分からない。


「 ……( 俺の胸は )むっちんむっちんですか……?? 」


もしコレがむっちんむっちんの胸であったら、リーフ様は俺の事を好きだと思ってくれるはず。

不安と新たなる決意を胸に、俺はリーフ様にそう尋ねると、なんとリーフ様は迷いなく頷いてくれたのだ!


「 うん!( レオンの胸は )むっちんむっちんだね!! 」


俺の胸はリーフ様の好きな胸、だから俺の事も好き……。


「 …………。 」


ドキドキ……。

ドキドキドキドキ……。


それが嬉しくて、もっともっと好きになって欲しいと思った。



「 リーフ様はむっちんむっちんの胸が好き……なんですよね?

どうされたら嬉しいですか? 」


「 うんうん、俺むっちんおっぱい大好き!

そうだな~……やっぱりそのおっぱいに埋もれたいよね。

そのむっちんむっちんおっぱいに思い切り顔を埋めて、ギュ~と抱きしめられたら最高なんじゃないかな! 」



────……なるほど?


それを実行すればもっと好きになってもらえるらしいので、俺は直ぐにリーフ様の顔を胸に抱き込む。


「 ────フゴッ!!! 」


すると、リーフ様は酷く興奮したような声を上げてくれたので、とりあえずコシコシとそのまま胸を擦り付けて存分に喜んで貰った。


相手の ” 好き ” に合わせたい。

それで喜んで貰えると凄く嬉しい。

そして、俺は今、凄く嬉しいと思っている。


それはリーフ様の ” 好き ” に合わせて、それを喜んで貰えているからだ。


そこまで考えたところで、俺はフッ……と思った。

なんだかそれって世で語られる ” 愛 ” と随分似ている感情だなと。


嬉しそうに唸るリーフ様を見下ろし、高鳴る胸に首を傾げた。


人の持つ感情は理屈に合わない答えばかりを弾き出すため、俺のスキル< 森羅万象 >は基本役に立たない。


よって俺がリーフ様に感じる感情の数々を理解するためには、沢山の感情と沢山の総合した知識が必要であると判断した。


それに気づいた俺がまずした事────それが "   聞く "   ことだ。


街などでかわされる会話などを全て耳に入れては、リーフ様の言う ” 真実 ” と照らし合わせ、一応その情報の全ては頭の隅においてある。


それにより一番驚いたのは ” 愛 ” というものの多様性。


形が異なる数多くの ” 愛 ” 達も、一応は頭の中に全て入れておいたが……正直どれが正解か分からない。


ただ俺のこうしたフッした瞬間に感じる感情は、それに近しいと思ってはいる。

しかし、他にも沢山ある愛の定義が、それを素直に肯定してくれない……。


” 相手の幸せを願い離れる事 ”

” 自分が側にいなくても幸せなら嬉しい ”


これは以前、リーフ様が言っていた ” 愛 ” 


これは俺には当てはまらない ” 愛 ” だし、他にも数多く存在する ” 愛 ” も同様に当てはまらないものが多かった。



"  同時に沢山持てる分割できる愛  "  


"  別の誰かで代用できる愛  "  


"  吹けば飛ぶほど軽い愛  "  


 "  それしかいらないと言うほど深い愛  " 


 "  己の欲に簡単に負けてしまうほど弱々しい愛  "  


 "  一方通行で満足できてしまう愛  "  



まだ俺には、明確な答えを出すことはできないが、いつかは出せるだろうか?


ふぅ……と、ため息をつきながら、より一層激しくリーフ様を胸に擦り付けておく。


そんな難しい ” 愛 ” 。

しかし、その中でも、抱きしめたりキスをしたりするのは、愛を持つ "   男女    "   がするものであると言っていた。



紫のモジャモジャが。



"   愛する男女が、抱きしめ合ったり、チューするのは普通だ、普通。あいさつあいさつ。 ”


聞いてもいないにも関わらず、そいつはリーフ様がいなくなると、いつもニヤついた顔を引っ付けて意図が不明の事を俺に言ってきた。


” 男はな、み~んな女のおっぱいがすきなんだぜ~。

レオンはどんなおっぱいが好きなんだ?ん? ”


” あ、もしかしてレオンはお尻派か~?

じゃあいいケツした女をみればウホってなるって!ぷりんぷりんだから! ”


” 若いうちは色んな女の子見たほうがいいぞ~?

お前なら身体がデカいから、ちょっ~とエッチなお店行ってもバレねえから連れてってやるよ!

あ、でも騎士団がきたら逃げような、俺、捕まるから。 ”


うっとおしくて仕方なく、そのたびに木刀を振って黙らせてきたが、今にして思えば少し気になることも言っていたと、思い出した。


” いい女見ると男は下がカッチカチになるんだぜ~。

いいか?男はそれで愛を語るんだ。

それを受け入れて貰えたら、晴れて両思い!

レオン大好き~って事なんだぜ! ”


そう言って自身の体に腕を巻き付け、口をチュッチュッと突き出している姿はとても気味が悪かった。


なので、また木刀を振って強制的に辞めさせたが……それに類似した現象を体験した今は、もう少し詳しく聞いておけばよかったと後悔する。


確か他にも……?


” 愛が飛び出すと最高に気持ちいいんだぜ~。

多分世界一すげぇ感覚だな、ありゃ~。


カチカチ、ドーン!────ってな!


どうだ?!これには流石のレオン様も興味が……まっ!お前はまずは出会いからだけどな~! ”


そう言っていたが……。



────カチカチドーン……??



とりあえず満足したらしいリーフ様に、今度は料理を食べさせながらその事について考えたが……納得するような答えは出なかった。
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