481 / 1,649
第十二章
465 家族だね!
しおりを挟む
( リーフ )
「 全然大丈夫だよ!むしろ最近じゃ~それが気持ちよくなってきた感があるから! 」
それに驚いたのはザップルさん。
ほほ~!と感心したような表情を見せる。
「 それは凄いな!
俺はずっとピリピリして、どちらかといえば緊張しっぱなしなのに……。 」
「 ピリピリか~。
────あ、そういえばそれ、電気風呂に初めて入った時と似てるね。
電気風呂っていうのは弱い電気を少しお風呂に流す事で血行とかが良くなるお風呂なんだけど、最初は痛くてもそれが徐々に気持ちよくなってくるんだよ。
今では大好きなお風呂の一つさ。 」
「 へぇ~そりゃ凄い風呂があるんだな!獣人達に人気がありそうだ。
じゃあ、俺もコレを我慢している内に血行がよくなるかもしれないな。 」
そうして2人でお風呂についての知識について、あーだこーだと語り合っていると、エイミさんがまたしても「 なんか違う……。 」とため息をつきながら呟いた。
若い娘さんに電気風呂はまだ早い!と心の中で笑っていると、ザップルさんは俺の肩をポンッと叩く。
「 大丈夫そうで良かった。じゃあ二人共頑張れよ~。 」
そう言い残すと、ザップルさんは自分のパーティーメンバーらしき人達の所へ行き、そのまま去っていった。
俺はその背中に「 ありがと~! 」と言ってからエイミさんにも御礼を言い、レオンの元に戻る。
するとレオンは冒険者証を自身のマントの端でキュッキュッと磨いており、キラキラ光るそれをウットリ~と見つめた後、興奮しながら俺に話しかけてきた。
「 リーフ様!俺……俺……!凄く嬉しいですっ!!
これで俺達、かっ……家族になったんですよね!?
これから俺の名前は、< 肉巻き定食・レオン >です。
リーフ様は< 肉巻き定食・リーフ >になりました。
────そうですよね? 」
レオンは、ほわほわ~と信じられないほど上機嫌でそう尋ねてきたのだが、どうやら冒険者になれた事、そしてパーティーを作った事が相当嬉しかった様だ。
多分小学生の男の子達の秘密組織ごっことかの延長だと思われる。
それが分かった俺は、ビシッ!!と両手をカマキリの様に上げた。
「 我こそは肉巻き定食のリーフ~! 」
かっこいい悪のボス風に言ってあげると、レオンはパァ~!と嬉しそうに目を輝かせ、同様のポーズを完璧に再現する。
「 俺は肉巻き定食のレオン……です。 」
あ、これ楽しいぞ~!
懐かしいごっこ遊びが楽しくなってきた俺は、そのままトウっ!と入り口まで飛んだ。
「 よしっ!では、これから極秘任務だ!ついてこい!レオン! 」
「 !は、はい! 」
そのままダダッ!と外に出ると、レオンはふわふわ黒い風船の様にご機嫌についてくる。
そしてそんなレオンと共に、依頼を消化するため最寄りの門まで走っていった。
冒険者ギルドの最寄りの門は東門。
モンスターの襲撃などの緊急時の場合、冒険者達はこの東門を守る事が義務付けられているため、正面門ほどではないが非常に頑丈そうな門がドドーンとそびえ立っている。
一番危険が大きいのは大きく森が広がっている正面に面している正面門。
そこはこのグリモアが誇る最高戦力、< 守備隊 >がしっかりと守っているので、森に何か異変を感じた場合は速やかに他の門を守る機関へと連絡がくる様になっているそうだ。
例えばどの街でも一番の脅威としてはモンスターの大量発生。
その場合、勿論四方八方からモンスターは襲ってくるわけだが、それでは至るところで防壁が攻撃を受けてしまい守り切る事は難しい。
そこでお役に立つ魔道具が、ソフィアちゃんとアゼリアちゃんが乗った馬車が襲われる原因にもなった────< 魔引力珠 >なのである!
これを予め門に仕掛けておく事で、大抵のモンスターはその効果が発動する範囲内まで近づけば、この各門の方へと進行してくるため、そこで撃退できるというわけなのだ。
門を出た所で、その扉を見上げると、沢山の< 魔引力珠 >がくっついているのが見えて、初めて見るその量に感動した。
しかし────じゃあ、これで安全だね!……と言いたい所だが、そうは問屋が卸さない。
ふぅー……と息を吐き出しながら、小さく首を振った。
あまりにも数が多い場合や、予期せぬ動きを見せるユニーク個体などのモンスターがいる場合は、他の場所でも攻撃を受けたりするため100%安心!はできないらしい。
結局絶対に安全な所なんて、この世界にはないんだろうな~。
しみじみそう思いながら、俺とレオンはそこから出て直ぐにある森の入り口付近で、ゴソゴソと草を掻き分けて薬草を探す。
四葉のクローバー探しなら免許皆伝!な俺は自信満々でそれを探し続けたが、困ったことに全く見つからない。
探していた場所の茂みからモソっと顔を出し、ウットリ顔でまだ冒険者証を眺めているレオンに向かって話しかけた。
「 探そうと思うと中々見つからないもんだね、薬草って。
採取系の依頼はまだ土地勘がない俺達だと難しいな。
モンスターも出てこないし、夕飯時のマリンさんへのお土産肉どうしようか……。
もっと奥に行くしか無いかな~。 」
めんどくさ~いと思いながらグイ~と大きく伸びをしていると、レオンが突如俺の方へ手の平を差し出した。
「 全然大丈夫だよ!むしろ最近じゃ~それが気持ちよくなってきた感があるから! 」
それに驚いたのはザップルさん。
ほほ~!と感心したような表情を見せる。
「 それは凄いな!
俺はずっとピリピリして、どちらかといえば緊張しっぱなしなのに……。 」
「 ピリピリか~。
────あ、そういえばそれ、電気風呂に初めて入った時と似てるね。
電気風呂っていうのは弱い電気を少しお風呂に流す事で血行とかが良くなるお風呂なんだけど、最初は痛くてもそれが徐々に気持ちよくなってくるんだよ。
今では大好きなお風呂の一つさ。 」
「 へぇ~そりゃ凄い風呂があるんだな!獣人達に人気がありそうだ。
じゃあ、俺もコレを我慢している内に血行がよくなるかもしれないな。 」
そうして2人でお風呂についての知識について、あーだこーだと語り合っていると、エイミさんがまたしても「 なんか違う……。 」とため息をつきながら呟いた。
若い娘さんに電気風呂はまだ早い!と心の中で笑っていると、ザップルさんは俺の肩をポンッと叩く。
「 大丈夫そうで良かった。じゃあ二人共頑張れよ~。 」
そう言い残すと、ザップルさんは自分のパーティーメンバーらしき人達の所へ行き、そのまま去っていった。
俺はその背中に「 ありがと~! 」と言ってからエイミさんにも御礼を言い、レオンの元に戻る。
するとレオンは冒険者証を自身のマントの端でキュッキュッと磨いており、キラキラ光るそれをウットリ~と見つめた後、興奮しながら俺に話しかけてきた。
「 リーフ様!俺……俺……!凄く嬉しいですっ!!
これで俺達、かっ……家族になったんですよね!?
これから俺の名前は、< 肉巻き定食・レオン >です。
リーフ様は< 肉巻き定食・リーフ >になりました。
────そうですよね? 」
レオンは、ほわほわ~と信じられないほど上機嫌でそう尋ねてきたのだが、どうやら冒険者になれた事、そしてパーティーを作った事が相当嬉しかった様だ。
多分小学生の男の子達の秘密組織ごっことかの延長だと思われる。
それが分かった俺は、ビシッ!!と両手をカマキリの様に上げた。
「 我こそは肉巻き定食のリーフ~! 」
かっこいい悪のボス風に言ってあげると、レオンはパァ~!と嬉しそうに目を輝かせ、同様のポーズを完璧に再現する。
「 俺は肉巻き定食のレオン……です。 」
あ、これ楽しいぞ~!
懐かしいごっこ遊びが楽しくなってきた俺は、そのままトウっ!と入り口まで飛んだ。
「 よしっ!では、これから極秘任務だ!ついてこい!レオン! 」
「 !は、はい! 」
そのままダダッ!と外に出ると、レオンはふわふわ黒い風船の様にご機嫌についてくる。
そしてそんなレオンと共に、依頼を消化するため最寄りの門まで走っていった。
冒険者ギルドの最寄りの門は東門。
モンスターの襲撃などの緊急時の場合、冒険者達はこの東門を守る事が義務付けられているため、正面門ほどではないが非常に頑丈そうな門がドドーンとそびえ立っている。
一番危険が大きいのは大きく森が広がっている正面に面している正面門。
そこはこのグリモアが誇る最高戦力、< 守備隊 >がしっかりと守っているので、森に何か異変を感じた場合は速やかに他の門を守る機関へと連絡がくる様になっているそうだ。
例えばどの街でも一番の脅威としてはモンスターの大量発生。
その場合、勿論四方八方からモンスターは襲ってくるわけだが、それでは至るところで防壁が攻撃を受けてしまい守り切る事は難しい。
そこでお役に立つ魔道具が、ソフィアちゃんとアゼリアちゃんが乗った馬車が襲われる原因にもなった────< 魔引力珠 >なのである!
これを予め門に仕掛けておく事で、大抵のモンスターはその効果が発動する範囲内まで近づけば、この各門の方へと進行してくるため、そこで撃退できるというわけなのだ。
門を出た所で、その扉を見上げると、沢山の< 魔引力珠 >がくっついているのが見えて、初めて見るその量に感動した。
しかし────じゃあ、これで安全だね!……と言いたい所だが、そうは問屋が卸さない。
ふぅー……と息を吐き出しながら、小さく首を振った。
あまりにも数が多い場合や、予期せぬ動きを見せるユニーク個体などのモンスターがいる場合は、他の場所でも攻撃を受けたりするため100%安心!はできないらしい。
結局絶対に安全な所なんて、この世界にはないんだろうな~。
しみじみそう思いながら、俺とレオンはそこから出て直ぐにある森の入り口付近で、ゴソゴソと草を掻き分けて薬草を探す。
四葉のクローバー探しなら免許皆伝!な俺は自信満々でそれを探し続けたが、困ったことに全く見つからない。
探していた場所の茂みからモソっと顔を出し、ウットリ顔でまだ冒険者証を眺めているレオンに向かって話しかけた。
「 探そうと思うと中々見つからないもんだね、薬草って。
採取系の依頼はまだ土地勘がない俺達だと難しいな。
モンスターも出てこないし、夕飯時のマリンさんへのお土産肉どうしようか……。
もっと奥に行くしか無いかな~。 」
めんどくさ~いと思いながらグイ~と大きく伸びをしていると、レオンが突如俺の方へ手の平を差し出した。
69
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
無能と呼ばれた婚約者は王を完成させる〜替え玉婚約者のはずが、強すぎる王太子に手放してもらえません〜
統子
BL
兄の身代わりとして王太子の婚約者になった伯爵家次男リュシー。
嘘の名を名乗ったはずが、冷静で誠実な王太子リオンは彼を「力の装置」としてではなく、対等な伴侶として扱おうとする。
本物になりたいと願う替え玉と、完成された王太子の静謐な王宮ロマンス。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる