【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十二章

465 家族だね!

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( リーフ )

「 全然大丈夫だよ!むしろ最近じゃ~それが気持ちよくなってきた感があるから! 」


それに驚いたのはザップルさん。

ほほ~!と感心したような表情を見せる。


「 それは凄いな!

俺はずっとピリピリして、どちらかといえば緊張しっぱなしなのに……。 」


「 ピリピリか~。

────あ、そういえばそれ、電気風呂に初めて入った時と似てるね。

電気風呂っていうのは弱い電気を少しお風呂に流す事で血行とかが良くなるお風呂なんだけど、最初は痛くてもそれが徐々に気持ちよくなってくるんだよ。

今では大好きなお風呂の一つさ。 」


「 へぇ~そりゃ凄い風呂があるんだな!獣人達に人気がありそうだ。

じゃあ、俺もコレを我慢している内に血行がよくなるかもしれないな。 」


そうして2人でお風呂についての知識について、あーだこーだと語り合っていると、エイミさんがまたしても「 なんか違う……。 」とため息をつきながら呟いた。

若い娘さんに電気風呂はまだ早い!と心の中で笑っていると、ザップルさんは俺の肩をポンッと叩く。


「 大丈夫そうで良かった。じゃあ二人共頑張れよ~。 」


そう言い残すと、ザップルさんは自分のパーティーメンバーらしき人達の所へ行き、そのまま去っていった。

俺はその背中に「 ありがと~! 」と言ってからエイミさんにも御礼を言い、レオンの元に戻る。

するとレオンは冒険者証を自身のマントの端でキュッキュッと磨いており、キラキラ光るそれをウットリ~と見つめた後、興奮しながら俺に話しかけてきた。


「 リーフ様!俺……俺……!凄く嬉しいですっ!!

これで俺達、かっ……家族になったんですよね!?

これから俺の名前は、< 肉巻き定食・レオン >です。

リーフ様は< 肉巻き定食・リーフ >になりました。


────そうですよね? 」


レオンは、ほわほわ~と信じられないほど上機嫌でそう尋ねてきたのだが、どうやら冒険者になれた事、そしてパーティーを作った事が相当嬉しかった様だ。

多分小学生の男の子達の秘密組織ごっことかの延長だと思われる。

それが分かった俺は、ビシッ!!と両手をカマキリの様に上げた。


「 我こそは肉巻き定食のリーフ~! 」


かっこいい悪のボス風に言ってあげると、レオンはパァ~!と嬉しそうに目を輝かせ、同様のポーズを完璧に再現する。


「 俺は肉巻き定食のレオン……です。 」


あ、これ楽しいぞ~!

懐かしいごっこ遊びが楽しくなってきた俺は、そのままトウっ!と入り口まで飛んだ。


「 よしっ!では、これから極秘任務だ!ついてこい!レオン! 」


「 !は、はい! 」


そのままダダッ!と外に出ると、レオンはふわふわ黒い風船の様にご機嫌についてくる。

そしてそんなレオンと共に、依頼を消化するため最寄りの門まで走っていった。



冒険者ギルドの最寄りの門は東門。

モンスターの襲撃などの緊急時の場合、冒険者達はこの東門を守る事が義務付けられているため、正面門ほどではないが非常に頑丈そうな門がドドーンとそびえ立っている。


一番危険が大きいのは大きく森が広がっている正面に面している正面門。

そこはこのグリモアが誇る最高戦力、< 守備隊 >がしっかりと守っているので、森に何か異変を感じた場合は速やかに他の門を守る機関へと連絡がくる様になっているそうだ。


例えばどの街でも一番の脅威としてはモンスターの大量発生。

その場合、勿論四方八方からモンスターは襲ってくるわけだが、それでは至るところで防壁が攻撃を受けてしまい守り切る事は難しい。


そこでお役に立つ魔道具が、ソフィアちゃんとアゼリアちゃんが乗った馬車が襲われる原因にもなった────< 魔引力珠 >なのである!


これを予め門に仕掛けておく事で、大抵のモンスターはその効果が発動する範囲内まで近づけば、この各門の方へと進行してくるため、そこで撃退できるというわけなのだ。


門を出た所で、その扉を見上げると、沢山の< 魔引力珠 >がくっついているのが見えて、初めて見るその量に感動した。
 
しかし────じゃあ、これで安全だね!……と言いたい所だが、そうは問屋が卸さない。

ふぅー……と息を吐き出しながら、小さく首を振った。


あまりにも数が多い場合や、予期せぬ動きを見せるユニーク個体などのモンスターがいる場合は、他の場所でも攻撃を受けたりするため100%安心!はできないらしい。


結局絶対に安全な所なんて、この世界にはないんだろうな~。


しみじみそう思いながら、俺とレオンはそこから出て直ぐにある森の入り口付近で、ゴソゴソと草を掻き分けて薬草を探す。

四葉のクローバー探しなら免許皆伝!な俺は自信満々でそれを探し続けたが、困ったことに全く見つからない。

探していた場所の茂みからモソっと顔を出し、ウットリ顔でまだ冒険者証を眺めているレオンに向かって話しかけた。


「 探そうと思うと中々見つからないもんだね、薬草って。

採取系の依頼はまだ土地勘がない俺達だと難しいな。

モンスターも出てこないし、夕飯時のマリンさんへのお土産肉どうしようか……。

もっと奥に行くしか無いかな~。 」


めんどくさ~いと思いながらグイ~と大きく伸びをしていると、レオンが突如俺の方へ手の平を差し出した。

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