【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十二章

472 パワハラ

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( エイミ )

その判決により一層顔色を失くした3人の男たちは、縋る様な目をナックルに向けたが……当の本人であるナックルはしら~とした様子で耳をほじくり、その3人に視線すら合わすことをしない。

自業自得とは言え、そのあまりの態度にザップルさんは苦言を申し立てた。


「 おい、ナックル。その態度はないんじゃないか?

仮にもクラスのトップを名乗るなら、下の者の失態はお前の失態でもあるんだ。

……それにどうせその作戦もお前が提案し指示している事だろうし、彼らはそれを忠実に守ってくれた ” 最高の仲間 ” ────なんじゃないのか? 」


ナックルは、ザップルさんの言葉を "   何も聞こえませーん  "   とばかりに耳をほじった手に息を吹きかけると、はぁ~~~と大きく息を吐き出し面倒くさそうに言い放った。


「 冗談はやめて下さいよぉ~、ザップルの旦那。

指示を出すなんてとんでもねぇ!

ましてや ” 仲間 ” なんざ勘弁してくれよな。

たまにこういう奴ら、いるんだわぁ~。

俺のクラスのふりして悪事を働く悪~い奴らが。

俺も迷惑してるんだぜぇ? 」


ヤレヤレと肩をすくめると、後ろにいる4人の男達は、そうだそうだ!とニヤニヤしながらそれを肯定する。


” 毛玉とかげの毛玉とり ”

毛玉とかげは敵に襲われた際、尻尾の先にある大きな毛玉を切り離し敵から逃げ出すGランクモンスターである。

まさに今のナックルはそれと同じで、何か不味いことがあれば下っ端をまず切り離しトップの自分は助かる、そのような状況の事を言う。


< 毛玉とかげ >

体長20cmほどのとかげ型Gランクモンスター

尻尾の先に大きな綿毛状の毛玉がついており敵に襲われた際はそれを切り離し、それに気を取られている間に逃走する。

その毛玉は衣服などに加工することができるため基本討伐はせずに共生関係を築いている。


この厄介な仕組みがクラス内に成り立ってしまっているせいで、中々トップ層には鉄槌を下せられない。

歯がゆい思いをしながらナックルを睨み付けていると、突然ヒョイッと軽快な動きでリーフ君がナックルの前に立った。

そのため全員がギョッ!と目を見開いたが、当の本人は、のほほ~んとマイペースにナックルに話しかける。


「 ふむふむ、大体の事情は把握したよ。

この君の部下である三人の青年達が君の指示の元、悪い事をしてしまい罰を受けることになった……そういうことだね? 」


「 ……あぁ?なんだ、このクソガキが。

消えろ、殺すぞ。 」


ナックルはチッと舌打ちしながら殺気を滲ませてリーフ君を見下ろすが、分かっているのか分かってないのか……不安になるくらいリーフ君は動じない。


新人レベルの子なら失禁して気絶するレベルなのに??


少々驚きながら、保護するため動こうとしたその時、罪状を言い渡された3人の男達は口々にナックルに対し抗議し始めた。


「 ナックルの旦那!そりゃ~あんまりじゃねぇか!

俺達はあんたの言う通りに動いてきたのに、それはねぇだろ!! 」


「 そうだぜ!慣れてねえやつを狙えって!

何かあっても俺のクラスが守ってやるからって……そう言ってたじゃ────。 」




「 ────黙れよ。 」


いらぬことを言い始めた3人の男達に対しナックルはギロリッと睨みつけながら、ブワッ!!と物凄い殺気を発し、男たちの言葉を強制的に止める。

その殺気に当てられた3人の男達は、汗をダラダラと掻きながらなんとか立っているが、足は震えて今にも崩れそうだ。


どうしようもないクズだが、実力は流石はCクラス。


周りにいる冒険者達もその殺気に当てられ何人か倒れそうになっているので、ナックルの真ん前にいるリーフ君は大丈夫?!と慌てて視線を向けたが…………リーフ君は相変わらずポケ~としていて、全く普通と変わらぬ状態で立っていた。


「 …………。 」


やはり少し……いや、だいぶそういった事に鈍いタイプなのかもしれない。

正直、戦闘職でそれは致命的なのでは……?と本気で心配していると、リーフ君は顎に手を当てながら、まるで駄々をこねる子供を叱りつけるような口調?で話しだした。


「 やっぱり君が ” やって~ ” って言ったんじゃないか。

何でそんなすぐバレるような嘘を言うんだい?

そもそも上の子が下の子供達の面倒を見るのは、子どもたちの集団に置いてもとても大切な事なんだよ。

君はもう大きいんだから下の子たちをキチンと指導して導かないとダメじゃないか。

分かったかな~? 」


「 ────……。 」


ピキッと額に青筋をたてたナックル。

しかも後ろにいるレオン君まで、その通り!と言わんばかりにウンウンと頷くもんだから、更に青筋を増やしてしまい周りで見ている冒険者達はザッ!と青ざめた。


一触即発の緊張で張り詰めてしまったギルド内だったが、突然ナックルの方がニヤッと笑い一瞬殺気を引っ込めたため、周りの空気はフッと軽くなる。


その瞬間、全員がホッと息を吐きそれに気を取られているとナックルが唐突に笑い出した。

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