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第十四章
517 とんでもない大事件
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( リーフ )
どういう事だ……?
頭の中はグルグルとサイクロンの様に回り、まるで漂白剤をぶち撒けた様に真っ白になってしまった。
「 あ、あの……リーフ様? 」
差し出された短剣を見下ろし固まってしまった俺を見て、アゼリアちゃんはおずおずと話しかけてくる。
俺はすぐに我にかえり、慌ててそんなアゼリアちゃんに短剣を丁寧に返した。
「 ごめんごめん!その……。
この短剣が、あまりにも綺麗だったから驚いたんだ! 」
なんとか返事を返してその場を濁したが……思考がうまく纏まらない。
物語の中のソフィア王女は、辛いこと悲しい事があるとその短剣を眺めては、フッと笑っていた。
そのことからも、それが彼女にとって相当大事なものであったことが伺えるが……その短剣について直に話題が上がるのはそのシーンのみ。
そのため、詳しい説明は想像することしかできないが……。
” 世界で一番大好きだった人 ”
” 宝物だった ”
この2つの発言から、ソフィア王女が大切にしていた短剣は、その ” 大好きだった人 ” の形見であることが伺える。
問題はその人物が一体誰だったか?なのだが……。
自分の中にある本の記憶を必死にほじくり返し、うーん……うーん……と悩む。
本の中では、その人物についての詳細は謎に包まれていて、顔、性別なども語られてはおらず、途中でフッと出てくるソフィア王女の過去の話に " 恐らくこの人物ではないか? " と思われる人物がチョロっと出てくるだけだった。
ちなみにその人物は、ソフィア王女が英雄レオンハルトと共に旅に出る前の話で出てくる。
その頃、各地では教会を ” 悪 ” とし、討滅さんとする【 反教会組織 】が存在していて、その勢力があっと言う間に拡大し全国にまで広がると、とうとう教会に対し戦いの狼煙を上げた。
それを迎え撃つのは教会を守護する【 聖兵士団 】
そして激しい戦闘の末、結局この戦いは【 聖兵士団 】の勝利で終結するのだが……その犠牲はあまりにも多く、【 反教会組織 】は全滅。
そして【 聖兵士団 】の方も半数以上の犠牲者をだし、教会としては大打撃となってしまった事件であった。
その犠牲者の中で、最も活躍していたのが【 聖兵士団 】の中隊を率いていたリーダー。
その人物は【 反教会組織 】のリーダーとの一騎打ちで、見事相打ちとなり死亡したと書かれている。
その大活躍をした聖兵士は挿絵で描かれているが、その姿は白銀の全身フルフェイスの鎧姿だったので、性別も年齢も不明だった。
しかし、細身だが背は結構大きかったのと、戦いの前夜にソフィア王女に跪いていうセリフが────……。
” この命、世界で一番大好きな貴方に捧げます ”
そんな聞き様によっては ” 好きあっていたのでは? ” と思えなくもない言い方であったため、俺はてっきり男性なのだと思っていた。
聖女様とそれを守護する聖兵士の禁断の愛を妄想をして、グシグシ泣いていたのだが、もしこの人物がソフィアちゃんに短剣を渡した持ち主だとすると、その正体は────。
恐らくアゼリアちゃんだ。
衝撃的な事実に辿り着き、呆然としながら自分の頭をペチペチと叩く。
アゼリアちゃんは死ぬ。
レオンハルトが旅立ち、世界が ” 無 ” になるその前に。
「 …………。 」
目の前で短剣を握って嬉しそうに微笑むアゼリアちゃんを見つめ、何故俺がこの世界に転生したのかを改めて考えた。
俺はレオンハルトに、自分で出した答えを選んで欲しいと願い、この世界に転生した。
それが出来れば例え必ず無くなる運命にある世界だとしても、ハッピーエンドだと思ってここまでやってきたが……。
手が届くなら────許されるなら助けたい。
気づけば手は汗でグッチョリと濡れていて、それを握りしめたり開いたりして緊張をほぐす。
俺は、今の今まで自分とレオンの事で手一杯で、他の物語の出来事がスポンっと頭の中から抜け落ちていた。
しかし、この時期はレオハルトにとって重要でないだけで、他の大勢の人達にとっては激動の時といってもいいほど沢山の事件が起きていた時期であった。
俺は目を閉じ、リーフに生まれ変わってから今までの思い出を振り返る。
レオンの他に出会ってきた沢山の人達の事。
リーフ邸の皆やモルトとニール、レガーノの街の人達にウォッカで出会った人達、それにグリモアで出会った人達────。
俺は皆が大好き。
だから大好きな人達が一生懸命生きている、この世界が俺は大好きだ。
どうあがいても消えてしまうのが決定している世界でも、なら ” 今 ” がどうなっても良いとは思えない。
頑張れ、トリ頭~!
続けてペチペチ頭を叩き、無い知恵をとにかく必死に絞り出す。
多分レオンハルトに直接関係する事件ではないから、レオンハルトの今後の行動を変えるような事件には相当しないはず……。
だからそれを止めたところで最後の旅には、そこまで大きな影響はないんじゃないか……?
…………。
多分。
とりあえずそこはそう信じて動こう。
そして何かレオンハルトに関する事で、不味い事を発見し次第また考えるしかないか……。
う~んう~んと左右に顔を振りながら唸り、その考えを肯定する様に最後は小さく頷いた。
多分それによって一番の影響を受けるであろう人物は、アゼリアちゃん、そして────ソフィアちゃんだ。
現在の ” 気弱なイメージなど皆無の、勇ましく好奇心旺盛なイメージを与えてくる現在のソフィアちゃん ”
それに対して、物語の中の ” 自分の意見を飲み込み、相手に伝えられない物語のソフィアちゃん ”
その別人の様な二人の性格を思い浮かべ、ここでやっとこの二人の性格の不一致の理由を知った。
ソフィアちゃんは、正反対の性格の兄2人に挟まれ自分の意見が言えない女の子になったわけではない。
多分大好きな友達を、亡くしてしまった事で変わってしまったんだ。
頭を叩いていた手で、今度はわっしゃわしゃと自身の髪をかき混ぜながら考え続けた。
一体その戦いの原因はなんだったんだろう??
その話自体、過去の思い出話的にサラッと一言二言語られていただけで詳しい理由などは書かれていなかった。
だからこそ今の今までその出来事を忘れていたわけだが────いざそれが現実として目の前に迫っている立場からしたら、ホントとんでもない大事件だ。
どういう事だ……?
頭の中はグルグルとサイクロンの様に回り、まるで漂白剤をぶち撒けた様に真っ白になってしまった。
「 あ、あの……リーフ様? 」
差し出された短剣を見下ろし固まってしまった俺を見て、アゼリアちゃんはおずおずと話しかけてくる。
俺はすぐに我にかえり、慌ててそんなアゼリアちゃんに短剣を丁寧に返した。
「 ごめんごめん!その……。
この短剣が、あまりにも綺麗だったから驚いたんだ! 」
なんとか返事を返してその場を濁したが……思考がうまく纏まらない。
物語の中のソフィア王女は、辛いこと悲しい事があるとその短剣を眺めては、フッと笑っていた。
そのことからも、それが彼女にとって相当大事なものであったことが伺えるが……その短剣について直に話題が上がるのはそのシーンのみ。
そのため、詳しい説明は想像することしかできないが……。
” 世界で一番大好きだった人 ”
” 宝物だった ”
この2つの発言から、ソフィア王女が大切にしていた短剣は、その ” 大好きだった人 ” の形見であることが伺える。
問題はその人物が一体誰だったか?なのだが……。
自分の中にある本の記憶を必死にほじくり返し、うーん……うーん……と悩む。
本の中では、その人物についての詳細は謎に包まれていて、顔、性別なども語られてはおらず、途中でフッと出てくるソフィア王女の過去の話に " 恐らくこの人物ではないか? " と思われる人物がチョロっと出てくるだけだった。
ちなみにその人物は、ソフィア王女が英雄レオンハルトと共に旅に出る前の話で出てくる。
その頃、各地では教会を ” 悪 ” とし、討滅さんとする【 反教会組織 】が存在していて、その勢力があっと言う間に拡大し全国にまで広がると、とうとう教会に対し戦いの狼煙を上げた。
それを迎え撃つのは教会を守護する【 聖兵士団 】
そして激しい戦闘の末、結局この戦いは【 聖兵士団 】の勝利で終結するのだが……その犠牲はあまりにも多く、【 反教会組織 】は全滅。
そして【 聖兵士団 】の方も半数以上の犠牲者をだし、教会としては大打撃となってしまった事件であった。
その犠牲者の中で、最も活躍していたのが【 聖兵士団 】の中隊を率いていたリーダー。
その人物は【 反教会組織 】のリーダーとの一騎打ちで、見事相打ちとなり死亡したと書かれている。
その大活躍をした聖兵士は挿絵で描かれているが、その姿は白銀の全身フルフェイスの鎧姿だったので、性別も年齢も不明だった。
しかし、細身だが背は結構大きかったのと、戦いの前夜にソフィア王女に跪いていうセリフが────……。
” この命、世界で一番大好きな貴方に捧げます ”
そんな聞き様によっては ” 好きあっていたのでは? ” と思えなくもない言い方であったため、俺はてっきり男性なのだと思っていた。
聖女様とそれを守護する聖兵士の禁断の愛を妄想をして、グシグシ泣いていたのだが、もしこの人物がソフィアちゃんに短剣を渡した持ち主だとすると、その正体は────。
恐らくアゼリアちゃんだ。
衝撃的な事実に辿り着き、呆然としながら自分の頭をペチペチと叩く。
アゼリアちゃんは死ぬ。
レオンハルトが旅立ち、世界が ” 無 ” になるその前に。
「 …………。 」
目の前で短剣を握って嬉しそうに微笑むアゼリアちゃんを見つめ、何故俺がこの世界に転生したのかを改めて考えた。
俺はレオンハルトに、自分で出した答えを選んで欲しいと願い、この世界に転生した。
それが出来れば例え必ず無くなる運命にある世界だとしても、ハッピーエンドだと思ってここまでやってきたが……。
手が届くなら────許されるなら助けたい。
気づけば手は汗でグッチョリと濡れていて、それを握りしめたり開いたりして緊張をほぐす。
俺は、今の今まで自分とレオンの事で手一杯で、他の物語の出来事がスポンっと頭の中から抜け落ちていた。
しかし、この時期はレオハルトにとって重要でないだけで、他の大勢の人達にとっては激動の時といってもいいほど沢山の事件が起きていた時期であった。
俺は目を閉じ、リーフに生まれ変わってから今までの思い出を振り返る。
レオンの他に出会ってきた沢山の人達の事。
リーフ邸の皆やモルトとニール、レガーノの街の人達にウォッカで出会った人達、それにグリモアで出会った人達────。
俺は皆が大好き。
だから大好きな人達が一生懸命生きている、この世界が俺は大好きだ。
どうあがいても消えてしまうのが決定している世界でも、なら ” 今 ” がどうなっても良いとは思えない。
頑張れ、トリ頭~!
続けてペチペチ頭を叩き、無い知恵をとにかく必死に絞り出す。
多分レオンハルトに直接関係する事件ではないから、レオンハルトの今後の行動を変えるような事件には相当しないはず……。
だからそれを止めたところで最後の旅には、そこまで大きな影響はないんじゃないか……?
…………。
多分。
とりあえずそこはそう信じて動こう。
そして何かレオンハルトに関する事で、不味い事を発見し次第また考えるしかないか……。
う~んう~んと左右に顔を振りながら唸り、その考えを肯定する様に最後は小さく頷いた。
多分それによって一番の影響を受けるであろう人物は、アゼリアちゃん、そして────ソフィアちゃんだ。
現在の ” 気弱なイメージなど皆無の、勇ましく好奇心旺盛なイメージを与えてくる現在のソフィアちゃん ”
それに対して、物語の中の ” 自分の意見を飲み込み、相手に伝えられない物語のソフィアちゃん ”
その別人の様な二人の性格を思い浮かべ、ここでやっとこの二人の性格の不一致の理由を知った。
ソフィアちゃんは、正反対の性格の兄2人に挟まれ自分の意見が言えない女の子になったわけではない。
多分大好きな友達を、亡くしてしまった事で変わってしまったんだ。
頭を叩いていた手で、今度はわっしゃわしゃと自身の髪をかき混ぜながら考え続けた。
一体その戦いの原因はなんだったんだろう??
その話自体、過去の思い出話的にサラッと一言二言語られていただけで詳しい理由などは書かれていなかった。
だからこそ今の今までその出来事を忘れていたわけだが────いざそれが現実として目の前に迫っている立場からしたら、ホントとんでもない大事件だ。
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