538 / 1,649
第十四章
522 それぞれの恋愛ペース
しおりを挟む
( リーフ )
なら、まきのペースに合わせてガンガン行こう!……と思っても、中々難しかったと思う。
そこら辺は、多分俺という人間の生きてきた人生そのものに関係する事だったから。
当時の苦々しい思い出を思い出しながら、うぬぬ……と苦々しい想いで考え込んでしまった。
俺は男で、無責任な行為によって傷つくのは、身ごもる女性と生まれてくる子供。
それがまず念頭にあって、俺みたいに捨てられたり、まきみたいに手元に置いても要らないモノとして扱われるなどの悲しい結末がどうしても頭から離れない。
だから、どんなに理想のむっちりオッパイを前にしても、それが巨大な壁となって立ち塞がってしまった。
” 見返りのない絶対的な愛情 ” を貰うことが出来なかった俺の愛情は、常に一寸先も見えない闇の中での手探りだ。
多分幸せを感じるのと同時に、恐怖とも戦っていたのだと思う。
「 …………。 」
ゆっくり目を閉じると、幸せ一杯のまきとの恋愛が浮かび上がり……同時に恐怖の感情も追いかけてくる。
今の自分の感情が ” 愛 ” で本当に合ってる?
コレは ” 愛 ” と呼ばれる感情にカテゴリーされるモノ??
自分に向けられる愛情と、それによって生まれた感情の一つ一つを、ゆっくり自分の心と確認しながら進まないと、” 愛 ” が、自分にとってどんなものか分からなくなる。
多分 ” 愛 ” と名のつくものに対しては、全てそんな感じ。
これが俺の恋愛のペースだ。
────う~ん、これは一般的ではないか……。
頭をポリポリ掻きながら、不安そうにコチラを見ているレオンをチラッと見る。
” まぁ結局そのペースは人それぞれだよね! ”
最後はそんな結論を出して、ニコリと笑った。
「 いいって言うなら好きなだけするといいさ。
ただし!相手が嫌そうにしていたら直ぐに辞めるんだよ。
そうしないと守備隊が飛んでくるからね! 」
そうそう、自分のペースは自分で作ろう。ただしおニャンニャンはもっと大きくなってから!
そして相手が嫌がった時点で、それは痴漢行為に変わるので守備隊に通報される前に辞めようね。
俺が言えるのはこれくらい。
後はレオンを信じて待つのみ。
「 す、好きなだけ……?
~~~っ!!う、うれしいです……ありがとうございます……。 」
レオンは真っ赤な顔でキュッと眉を寄せると、立ち上がり俺の隣に再度ストンッと座る。
今度は最初から肩が触れる位置に座り、そのまま俺の腰の辺りを掴んでグイッと自分の方へと引き寄せた。
そしていつも通り頭皮の匂いをスンスン嗅ぎ出すレオンに、大したことは教えられなかったが、納得してくれたなら良かったと、ホッと胸を撫で下ろし好きにさせる。
そして幸せそうにスンスンと俺の頭の匂いを嗅ぐレオンに対し、フッと疑問が浮かんだ。
赤ちゃんの頭皮の匂いは堪らない魅力がある事を知っているけど……俺の頭皮ってどうなんだろうね??
うう~ん……??
思わず考え込んでしまったが、一番好きな匂いが ” 水に濡れたインコ ” って言ってた友達もいたし、そういうものなんだろうとそれは放って置くことにした。
そして直ぐに頭を切り替え、それ以上に気になっている事に意識を向ける。
” 反教会組織 ”
とにかく今は、それを調べる事が俺の中の最優先事項、そしてそれを知る上で一番に浮かぶのは────やはり冒険者ギルドだ。
スンスンスン!と匂いを嗅ぎ回るレオンを適度に相手しながら、その存在について改めて考えた。
なんといってもその依頼内容は多指にわたり、様々な場所、そして様々な人々に出会う機会のある冒険者。
そんな冒険者達の集まるギルドは、情報を集めるなら持って来いの場所だ。
歴戦の勇者の様な出立ちをしている冒険者達を想像し、キラっ!と目を輝かせる。
現在俺にできそうな最も有効的な方法は、依頼を受けつつその先々で話を聞く事。
そのため依頼を積極的に受け、これをコツコツやっていくべしと決めた。
俺は隣でウットリ~と、すっかりリラックスモードに突入しているレオンに声を掛ける。
「 さぁ、レオン!俺は冒険者ギルドに行くよ!
これから沢山依頼を受けたいんだ。
レオンも疲れてないなら一緒に行くかい? 」
「 !!はいっ!沢山お金稼ぎましょう!
俺、頑張ります! 」
────ゴッ!
いつになくやる気満々のレオンは、直ぐに立ち上がった。
そして、一瞬でいつもの黒マントスタイルに着替えた後、キラキラした瞳を俺に向ける。
俺も負けじとスポポポーン!と服を脱ぎ、お外用のシンプルな白シャツ茶色のベストに黒ズボンに着替えると────レオンと一緒に冒険者ギルドへと向かって飛んでいった。
なら、まきのペースに合わせてガンガン行こう!……と思っても、中々難しかったと思う。
そこら辺は、多分俺という人間の生きてきた人生そのものに関係する事だったから。
当時の苦々しい思い出を思い出しながら、うぬぬ……と苦々しい想いで考え込んでしまった。
俺は男で、無責任な行為によって傷つくのは、身ごもる女性と生まれてくる子供。
それがまず念頭にあって、俺みたいに捨てられたり、まきみたいに手元に置いても要らないモノとして扱われるなどの悲しい結末がどうしても頭から離れない。
だから、どんなに理想のむっちりオッパイを前にしても、それが巨大な壁となって立ち塞がってしまった。
” 見返りのない絶対的な愛情 ” を貰うことが出来なかった俺の愛情は、常に一寸先も見えない闇の中での手探りだ。
多分幸せを感じるのと同時に、恐怖とも戦っていたのだと思う。
「 …………。 」
ゆっくり目を閉じると、幸せ一杯のまきとの恋愛が浮かび上がり……同時に恐怖の感情も追いかけてくる。
今の自分の感情が ” 愛 ” で本当に合ってる?
コレは ” 愛 ” と呼ばれる感情にカテゴリーされるモノ??
自分に向けられる愛情と、それによって生まれた感情の一つ一つを、ゆっくり自分の心と確認しながら進まないと、” 愛 ” が、自分にとってどんなものか分からなくなる。
多分 ” 愛 ” と名のつくものに対しては、全てそんな感じ。
これが俺の恋愛のペースだ。
────う~ん、これは一般的ではないか……。
頭をポリポリ掻きながら、不安そうにコチラを見ているレオンをチラッと見る。
” まぁ結局そのペースは人それぞれだよね! ”
最後はそんな結論を出して、ニコリと笑った。
「 いいって言うなら好きなだけするといいさ。
ただし!相手が嫌そうにしていたら直ぐに辞めるんだよ。
そうしないと守備隊が飛んでくるからね! 」
そうそう、自分のペースは自分で作ろう。ただしおニャンニャンはもっと大きくなってから!
そして相手が嫌がった時点で、それは痴漢行為に変わるので守備隊に通報される前に辞めようね。
俺が言えるのはこれくらい。
後はレオンを信じて待つのみ。
「 す、好きなだけ……?
~~~っ!!う、うれしいです……ありがとうございます……。 」
レオンは真っ赤な顔でキュッと眉を寄せると、立ち上がり俺の隣に再度ストンッと座る。
今度は最初から肩が触れる位置に座り、そのまま俺の腰の辺りを掴んでグイッと自分の方へと引き寄せた。
そしていつも通り頭皮の匂いをスンスン嗅ぎ出すレオンに、大したことは教えられなかったが、納得してくれたなら良かったと、ホッと胸を撫で下ろし好きにさせる。
そして幸せそうにスンスンと俺の頭の匂いを嗅ぐレオンに対し、フッと疑問が浮かんだ。
赤ちゃんの頭皮の匂いは堪らない魅力がある事を知っているけど……俺の頭皮ってどうなんだろうね??
うう~ん……??
思わず考え込んでしまったが、一番好きな匂いが ” 水に濡れたインコ ” って言ってた友達もいたし、そういうものなんだろうとそれは放って置くことにした。
そして直ぐに頭を切り替え、それ以上に気になっている事に意識を向ける。
” 反教会組織 ”
とにかく今は、それを調べる事が俺の中の最優先事項、そしてそれを知る上で一番に浮かぶのは────やはり冒険者ギルドだ。
スンスンスン!と匂いを嗅ぎ回るレオンを適度に相手しながら、その存在について改めて考えた。
なんといってもその依頼内容は多指にわたり、様々な場所、そして様々な人々に出会う機会のある冒険者。
そんな冒険者達の集まるギルドは、情報を集めるなら持って来いの場所だ。
歴戦の勇者の様な出立ちをしている冒険者達を想像し、キラっ!と目を輝かせる。
現在俺にできそうな最も有効的な方法は、依頼を受けつつその先々で話を聞く事。
そのため依頼を積極的に受け、これをコツコツやっていくべしと決めた。
俺は隣でウットリ~と、すっかりリラックスモードに突入しているレオンに声を掛ける。
「 さぁ、レオン!俺は冒険者ギルドに行くよ!
これから沢山依頼を受けたいんだ。
レオンも疲れてないなら一緒に行くかい? 」
「 !!はいっ!沢山お金稼ぎましょう!
俺、頑張ります! 」
────ゴッ!
いつになくやる気満々のレオンは、直ぐに立ち上がった。
そして、一瞬でいつもの黒マントスタイルに着替えた後、キラキラした瞳を俺に向ける。
俺も負けじとスポポポーン!と服を脱ぎ、お外用のシンプルな白シャツ茶色のベストに黒ズボンに着替えると────レオンと一緒に冒険者ギルドへと向かって飛んでいった。
70
あなたにおすすめの小説
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる