【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

文字の大きさ
554 / 1,649
第十四章

538 ダンジョン攻略開始!

しおりを挟む
( リーフ )

「 全員ダンジョンを出現させたな~!

予め設定されたダメージを負った時点でダンジョンは消えて、その後はここに戻ってくる仕組みになっているから安心して戦ってこい。

ただ~し!さっきもいったが油断すれば死ぬこともあるからな!

まぁ、頑張れ!────俺からのアドバイスは以上だ。 」


ハッハッハッ~!

大きな笑い声をあげるクルト先生と同時に、カチッとスイッチが入った様に顔つきが変わった生徒達によって、その場の空気が変わった。

適度に漂う緊張感にワクワクしながら俺も表情を引き締める。


「 ────では、始めっ!! 」


クルト先生の合図により、次々と生徒たちは自身が出現させたダンジョンへと飛び込んでいった。

それを見ながらよ~し、俺も!と飛び込もうとしたのだが……ぼんやり立ったままのレオンが目に入り、俺の指示待ちか!と気づき動きを止める。


「 レオン、これから30分ちゃんと一人でダンジョンの中で頑張るんだよ~!

じゃあ、後でね! 」


それだけ伝えて、俺も周りの子達同様にダンジョンの中へ飛び込んだ。

そしてダンジョン内に着地すると、直ぐにそこら中に漂うモンスターたちの気配を感じて、キラッと目を輝かせる。


ダンジョンの中は洞窟の様な場所だが、モンスターが過ごしやすい環境に作られているため、中は夜行性のモンスターでは無い限り、地上にいるときと同じくらいの明るさが保たれている。


これって本当に不思議だと思うが、これはいわゆる【 魔素 】が持つ恐るべき性質に理由がある。


< ダンジョン >は、魔素の濃いエリアにモンスターが住み着いて突如できるものだが、モンスターが集まる事で更に魔素は濃くなっていき、やがて魔素は【 瘴気 】へと進化する。


瘴気に進化するまで濃くなってしまった魔素は、次々とモンスターを生み出していき、更には周囲に漂う魔素はその生み出されたモンスターを、まるで自身の子供に与える様に過ごしやすい環境へと変えていくのだ。


例えば湿気が多いところに適正を持つモンスターなら辺りに湿気を発生させたり、暑さに適正があるモンスターには熱帯地帯を作り上げたり……。


そのあまりに的確な働きっぷりに、"   魔素とは意志を持った生物、もしくはモンスターの魔道具なのでは?  "   と言う学者さんもいるほど。


そういうわけで、ダンジョンはこの厄介な魔素や場所により瘴気がムンムンと漂っているため、中はそこに住み着くモンスター達にとって常に最適ともいえる環境になっている。


そのためモンスター自体も、地上でエンカウントする時より強くなっているのだが、それ以上にダンジョンのたちが悪い理由は< トラップ >の存在である。


外敵の侵入者に対し、まるでモンスターたちを守るように作り出されるトラップ達。


これも魔素が作り上げたものと言うのだから、その有能な働きっぷりに、もはや驚く事しかできない。

そんな魔素を吸って生きているモンスターが強いのは、大いに納得だ。


Fランクモンスターにトラップ……。


戦闘中に正体不明のトラップに掛かるのは御免被りたいと考え、俺はあるスキルを発動した。



< 魔術騎士の資質 > ( ユニーク固有スキル )


< 昆虫の予見者 >

術者の総合ステータスに比例した直感力が備わり、更に運のステータスが大幅に上昇。

使用時間は術者の体力値、努力値、精神負荷耐性値のレベルに左右される。


(発現条件) 

一定以上のステータス値を持つこと

一定以上の努力、精神負荷の経験値を持つこと

一定回数以上、自身よりもレベルが高い相手と戦い敗北を経験すること




スキルを発動後、俺がダッと前に走り出すと、直ぐに足をつけた地面がパカッと大きく開く落とし穴のトラップが発動!


落ちる!!────なんて、心配はご無用。

勿論それはスキル< 昆虫の予見者 >で予測済みだ。


俺は新たにスキル< 風の通り道 >を発動し、足場を出現させると、それを踏みしめ、ギュンッ!と前に大きく飛ぶ。

そしてその落とし穴トラップを回避すると、そのまま前にドンドン進んで行った。


それから直ぐに姿を見せ始めたのは、ヌメヌメ~とした体表が特徴の< ナメクジ・ミミズ >達。

どうやらこれがこのダンジョンの家主達のようだ。



< ナメクジ・ミミズ >

体長30cmほどのナメクジ型Fランクモンスター。

ナメクジとミミズの間の子の様な姿をしていて白いツルッとした体に粘着性の強い粘液がたっぷりついているのが特徴的。

その粘液性のある粘液は酸性で、自在にその酸度を変え獲物を仕留めるときに飛ばしてくるため注意。

人に対しそれなりに攻撃性は高いが、動きは鈍く沢山浴びなければ死ぬほどではないためそこまで危険性は高くない。

ただし集団で襲ってきた場合は危険度が跳ね上がるため単体での討伐が推奨される。




ナメクジ・ミミズ達は俺の姿を見つけると、一斉に粘液を飛ばして俺を溶かそうとするが、スキル< 昆虫の予見者 >のお陰でその攻撃は全て回避に成功。

そのまま足を止めずに、中剣を使って一撃で仕留めていった。

しおりを挟む
感想 274

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。 第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

処理中です...