【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十四章

554 ど、どういう事?

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( リーフ )

” いや、これはイケるぞ! ”


ジッ……と空を力強く飛び回る爆食バッタ達を見つめ、熱くなった胸を押さえると、レオンは頷いた。


「 分かりました。 」


そう言って突然人差し指を立て、そのままスッ~と静かに横に指を滑らせ ” 一の字 ” を描く。


それと同時に────真っ黒な空がレオンの指を滑らしていった方向へ向かって、ゆっくりと真っ青な美しい空へと変わっていった。


「 ……えっ? 」

「 えっ?えっ??なんで……? 」


参加している生徒全員が、動揺しながら空を見上げていると、今度は地上に黒い雨の様なものが落ちていくのも見える。


「 黒い雨??? 」


俺も他の生徒達も目を細めてその黒い雨を注視すると、その正体はなんとバラバラになった爆食バッタの体であった。


レオンの指の方向に向かって、爆食バッタが爆発していく。


「「「 え……えええええ────────!!? 」」」


そしてすっかり綺麗な青空がこんにちは!した瞬間、突然ブワッ!!!と凄まじい風が周囲に吹き荒れ、爆食バッタの死骸も生徒たちも遥か上空へと投げ出されてしまった!


吹き飛ばされる!!


風が強すぎて踏ん張れずに焦ったが、直ぐにレオンに抱き込まれ、その場に留まる。


そうしてレオンの腕の中で、頭をポコッと出して周囲を見回すと、ゴォォォ────ッ!!という轟音と共に、風達が上空に向かって飛んでいくのが見えた。


その中にはモルトとニールが中にいるであろうかまくらや、マリオン、クラーク君、それに他の生徒達全員が巻き込まれていて、さながらその光景は『 オズの魔法使い 』のワンシーンの様であった。


ポカーンとその様子をただ見ていると、その後風は止み、穏やかな空模様に戻る。


「 す、凄い……。 」


その場に残されたのは、バラバラになってしまった爆食バッタ達の死骸だけに。

まさかこんな結果になるとは思わず、ボンヤリと赤くなった地面を見下ろしていると、空からボトッと一匹だけ無事な赤い爆食バッタが落ちてきた。


《 ギギギギ……!! 》


その爆食パッタは、周囲に沢山いたはずの仲間達がいなくなった事で体の色が赤から緑へと変わっていくが……レオンがピッと指差すと、時計のマークの魔法陣が出現し、体の変化が止まる。


おおおおお????


それにも驚き目をパチクリしていると、レオンはフッと笑いながら「 静かになりましたね。 」と言って、俺の頭に付いている葉っぱを丁寧にとってくれる。


「 えっ……あ、うん、うん。静かになった。 」


「 これで落ち着いて遊べますね。

今から爆食バッタで遊びますか? 」


あまりにも普通に会話してくるもんだから、プスプスと頭の中が焦げ付きはじめると、徐々に景色が変わっていき、景色は元の基礎運動場へと戻った。


どうやら< VS立体戦闘機 >の効果が切れたようだ。


飛ばされた筈の生徒たちは髪は乱れているものの、全員無傷でへたり込み座りポカ────ンとレオンを見上げている。

更に驚いているのは生徒たちだけではなく、ルーン先生を始めとする教員達も全員同じく驚きを隠しきれない様だ。


そりゃそうだ~!


皆の反応に対し、俺も大いに納得!と頷いた。


災害級とは、それこそあの我が国が誇る最強軍団の騎士団や最高ランクの冒険者や傭兵達が時には大軍団を結成して取り組む大事件。

この爆食バッタも漏れなくそれに該当する厄災とも呼べるレベルのものであった。


それを一瞬で、しかも指をスイッと横に動かしただけで全滅……??


俺はフッと先ほど飛ばされかけた風を思い出し、あ~!!とやっと分かった。


多分レオンは風魔法を使って爆食バッタを吹き飛ばしたのだ。

その攻撃があまりに早すぎて風が遅れて吹いてきたと……そういう事?


「 レオンは凄いね。 」


つい素直な感想が口から溢れると、レオンはキョトンとした表情を浮かべたが、直ぐにとても嬉しそうに笑った。

そして、一旦俺の体を離すと、近くに落ちている赤い爆食バッタを持ち上げ俺に差し出す。


「 どうぞ。実体化したので問題なく遊べますよ。 」


「 えっ??実体化って……?? 」


どうやってしたんだろう??

それに赤いままって……???


数々の疑問を感じながらギーギー暴れる赤い爆食バッタを受け取ると、羽を凄い勢いで羽ばたかせ始めたので ” イケる!! ” と瞬時に確信した。


「 よ~し! 」


俺はそれを上に抱え上げ全力で走りだすと、そのまま思い切りジャンプ!


────ピョ、ピョ──ン!


すると、予想通りに、飛ぶ力がスーパーUPしている赤い爆食バッタは、パラグライダーではなく、飛行機の様になって俺の体重移動とともに、右へ左へと自由自在に飛ぶことが出来た。


やほ~~~い!!


楽しくて叫びながら空をギュンギュン飛び回れば ” 楽しいし~まっ、いっか! ” と、難しい事はポポ────ンと遥か彼方に吹き飛んでいく。


ウチの子すごーい!

俺は楽し~!

現在、悪いことがないから概ね問題な~し!

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