【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十五章

567 初めての帰省

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( リーフ )

◇◇◇◇

「「 うわあぁぁぁぁ────────!!!!! 」」


ポッポ鳥に乗ったモルトとニールが必死にその首にしがみつき、振り落とされないようにしながら悲鳴を上げ続ける。


「 は、早すぎるっ────!! 」 

「 ちょっ、ちょっと待つっすー!!ストップストップっす~! 」


そしてその叫ぶ様子を、俺とレオンは走るあげ玉に乗ったまま見ていた。



学院のスケジュールは前世の教育機関と同じく月曜日~金曜日まで。

そして土日は休みとなっている。


そのため俺達幼馴染~ズは、最初の週は忙しかったため帰れなかったが、その次の週の土曜日、その早朝から故郷のレガーノに帰省しようと計画した。


帰るならまた強化馬車をレンタルかな~!


そう思い本日の早朝に馬車屋さんに行こうとしたら、あげ玉がそれをいち早く察知。

ズサッ────っ!!と俺とレオン、モルト、ニールの前に回り込んで進行を防ぐ。


「「「 …………。 」」」

「 …………。 」


────スチャッ……。


黙ってあげ玉の行動を見守る中、俺は静かにレイピアを抜こうとするレオンを止めた。

そして、そのままわちゃわちゃとレオンと揉み合っていると、あげ玉が突然「 クピョピョピョ────ッ♬ 」と歌うように鳴き始める。


「 …………???あ、お歌かな~?? 」


そう考えた俺は、レオンから手を離しパンッパンッ!と手拍子しながらステップを踏んでいたのだが、どうも違った様だ。

突然森の方角から、別のポッポ鳥が2匹飛んで来てドス────ンッ!!とすぐ近くに着地した。

その瞬間、その二匹を焼き鳥にするべく ” 着火 ” を使おうとするレオンの人差し指をギュムッと掴んで止める。

そしてまたわちゃわちゃと揉み合っていると、あげ玉とその2匹は集まり何やらボソボソと話し始めた。


「 クッポプププ~? 」


あげ玉が鳴きながら、首元にある多次元バックからお化けさやえんどうを2つボボボンっ!と出すと、2匹のポッポ鳥の前にスイ~と押し出す。


「 クピョっ────────!!!??? 」

「 クぺぺぺペ────────っ!!!?? 」


差し出されたお化けさやえんどうを見下ろした2匹は大絶叫をあげた後、ガッガッガッ!!と凄い勢いでそれを食べ始めた。

そして完食後、ペロリっと口元を舌で舐め回すと、今度はモルトとニールの方へとテッテッテ~と近づいてきた。

ビクビクしながらそのポッポ鳥を見上げていた2人だったが、直ぐにそれぞれのポッポ達に襟元を掴まれポポンッと空へ。


「「 ────────っ!!!?? 」」


突然の浮遊感に驚く二人に対し、ポッポ鳥達は気にする様子も見せずにそれぞれの背中に2人を乗せ、そのままダダッ!!と走り出す。

どうやら乗せて行ってくれるらしい。


「 ありがとう! 」


それに気づいた俺が御礼を告げてあげ玉に乗ると、そのままレオンも俺の後ろに乗り腕の安全バーを俺の腰にセット、その直後にあげ玉は二匹を追いかけ走り出した。

そして追いついたあげ玉を真ん中に3匹のポッポ鳥達は防壁を駆け上がり、悲鳴を上げるモルトニールを完全無視して頂上からダイブ!!!

そして小さい羽を広げてのグライダー飛行へ飛び立つ。


「 ぎゃあぁぁぁぁぁぁ────!!! 」

「 ひぃぃぃぃぃ────!!! 」


モルトとニールは泣き叫んでいたが、俺はもう慣れたもの。

鼻歌を歌いながらちょうど登ってきた朝日を見つめ、綺麗だな~と感動していた。


「 綺麗ですね。 」

「 うん。夜空とはまた違うキラキラだね。朝日は。 」


レオンが後ろから抱きつきながらそう言ったので、俺もそれに肯定を返す。

すると、あげ玉の首にスカーフの様に巻き付いていた黒いスライム君、改め< 黒みつ >も ” そうだね! ” と言うようにプルプルと震えた。


新たな家族となった黒スライム君の< 黒みつ >


家族に迎え入れた後直ぐに、俺とレオンはあげ玉の時同様、名前を必死に考えたのだが、レオンは ” 黒 ” 俺は ” おはぎ ” 。

そんな ” ちょっとどうかな~? ” 的な名前しか思いつかなかったので、夜にモルトとニールの寮へ突撃し、名前について相談してみた。


するとニールは「 黒こげ!! 」と、俺達と同レベルの事を言ってきたが、モルトがすかさずパーンッとニールにビンタをする。

そして────……。


「 クローディア・ミューズ・ツヴァイス……でいかがでしょうか? 」


結局モルトが、そんな有り難~い歴史の偉大な人々の名前を付けてくれて、頭文字をとって< 黒みつ >に命名したというわけだ。

その時の事を思い出し、俺は嬉しそうに震える黒みつをグニグニしながら、その後の事も思い出した。


「 名前は< 黒みつ >でどうだろうか? 」


家に帰った俺たちは、早速……と本人に尋ねたのだが、返事を聞くまでもなく歓喜しながらの   "   YES   "   !

そしてその喜びを表現する様に、みょんみょん!とそこらじゅうを飛び回ったあげく、なんとまたしても白く輝き出したので腰を抜かしそうになった。


ま、まさか……!?


そう思いながら、直ぐにスキル< 鑑定 ( 改 ) >を発動し、黒みつを見てみると────やはり予想通りの内容が書かれていた。



<聖王スライムのモンスター資質>  

( 特殊スキル )

< 家族の拠点 > 

ありとあらゆる妨害系スキルの干渉を受けることなく、どこにいても家族の居場所が分かる様になる。

またスキル< 深淵の魔術スライム >を持っている場合、家族の元へ空間移動することも可能。

( 発動条件 )

名前を付けてもらう事

” 家 ” に居場所を作ってもらう事
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