【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十六章

594 大丈夫!多分!

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( リーフ )

「 ふ~む……なるほどなるほど。 」


理解しながら更に読み進めると、依頼者はキノコの栽培場『 ライキーきのこ 』の< ライキー >さんという人物の様だ。

依頼料の欄には《 キノコの食べ放題もつけます……。 》と涙で滲んだ様な字で書かれている事からも、相当困っている事がわかった。

今回の依頼は俺、レオン、あげ玉、黒みつの4人だから、ギリギリこの依頼を受ける事はできそうだな……。

俺は後ろから覗き込んでくる3人に向かって、その依頼書を突き出す。


「 今日はこの依頼でどうかな?

依頼成功したら、美味しいキノコ食べれるよ~。

豆キノコも多分あるんじゃないかな? 」



< 豆キノコ >

豆科だが、外見がキノコにそっくりな上に味は椎茸に近い。

熟成してくるとまるでバターと醤油を掛けた様な匂いと味に変化するためよく食卓に出される。



「 クピァァァ────!!( 豆キノコォォ────!! ) 」

「 ~~~♬( キノコ~♬ ) 」


基本豆は全部好き~なあげ玉と、マリンさんの所でキノコの美味しさを知ってしまった黒みつはその場で即快諾し、全面的にYESマンなレオンはいつも通りコクリと頷いてくれた。


「 今日はコレでお願いしま~す! 」


皆の返答を聞き、早速俺はエイミさんのカウンター席へと戻り、選んできた依頼書をエイミさんに渡す。

すると、エイミさんはそれを見てギョッ!と目を見開いた。


「 えっ!……えっと~……。

コレ、長らく放置されていたやつだから受けてくれるのは助かるけど……ちょっとリーフ君とレオン君の二人のパーティーだと無理だと思うな。

すごい数の流星コウモリみたいで、一度Dランクパーティー10人で様子を見に行ってもらったんだけど即断念して戻ってきたくらいだし……。 」


「 大丈夫だよ!今日はあげ玉と黒みつもいるからさ。 」


後ろにいるあげ玉と黒みつに向かってササッ!と手を向けると、あげ玉はニヤリ、黒みつはお任せ下さいアピールか?ゴムボールの様に床を跳ね始める。

エイミさんはそんな二人を見てタラッ……と汗を掻いた。


「 ポッポ鳥ってGランクモンスターだし、そもそも臆病なモンスターだから戦闘時は離脱しちゃうでしょ?

それにその黒い子もユニーク個体とはいえスライムだし、戦闘員に入れるのは無理じゃ……。 」


心配しての言葉であったが、あげ玉と黒みつとしては心外であった様で、ププンッ!!と頭から湯気を出して怒りだしてしまう。

そのため、俺はハイハイ……と言いながらレオンの方へ目を向けた。

すると心得てたとばかりにレオンは頷き、即座に巨悪な顔でエイミさんを睨むあげ玉の首を掴む。

そして────……。


────ブンッ!!


袋を担ぐ様に肩に担ぎ上げると、その姿は大きな黄色い袋を背負った黒いサンタクロースに早変わり。

そして同時に俺は、跳ねる黒みつをワシっ!と捕獲し腰ポーチにINした。

あげ玉がしつこくレオンに担がれたままプンプンしているが、流石にレオン相手では逃げられないらしく大人しく担がれているのを見てニッコリ。

汗を掻きながら黙ってしまったエイミさんに向かってドンッ!と胸を叩いてみせた。


「 とにかく俺達に任せてもらって大丈夫!多分!

皆でパパッ!と倒してキノコ食べてくるよ。 」


「 そ、そう……。まぁ、危なくなったら途中でも帰ってきていいからね。 」


エイミさんはジトーッとした目で見てくるあげ玉と、腰ポーチから不穏な雰囲気で触手をうにうに動かしている黒みつを見ながら渋々依頼を受けてくれた。

よ~し、早速!────と向かおうとしたのだが、大事な事を思い出したのでピタリと止まってエイミさんに再度視線を戻す。


「 そういえば、エイミさん、前にちょっと相談した事なんだけど……。 」


「 ん?────……あ、もしかして教会に不満を持っている人達がいるかって事かな?

それなら前から変わらず、特に情報は入ってこないわね~。 」


ルーン先生にこの事を聞いた時、直ぐにエイミさんにもこの質問をしたのだが、やはり結果は同じく ” そんな集団は聞いたことがない ” だった。

ザップルさんも同じく聞いたことがないと言っていたし、近くにいたザップルさんと仲良しさん達など笑いながら「 もしいたとしたら、世界の破滅じゃない? 」とまで言う。


教会は、人々の最後の受け皿とまで言われるほど、この世界にとっては救い的存在だ。

つまり、それすらも不満が出るようでは世界は終わり……という事らしい。


やはり現在はその存在は表立って出てきてないのは確実な様だ。

なら……一体いつ頃その存在が世に露見しだすんだろう??


「 ……むむむ~。 」


考え込んでしまった俺をエイミさんは訝しげな表情で見つめたが、ギルドの方も依頼を終えた人達で混み合ってきたので、俺は慌てて御礼を言って依頼があった場所に向かった。
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