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第十八章
641 メガネ女と
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( レオン )
◇◇
リーフ様との距離は確実に近づいている。
そう確信できる様な出来事がその後も多々続き、俺は毎日嬉しかった。
しかし、いつ良からぬ出来事と遭遇するかは分からないし、急に横から大好きなリーフ様を取られてしまう事だってあるかもしれない。
そんな不安や恐怖は常にあって、それを少しでも払拭するために、その種は全て早々に潰したほうがいいと俺は考えた。
その中でまず俺が解決しなければならないことは──── ” 新たな知識の吸収 ” だと理解する。
リーフ様は心優しいので、俺が ” 椅子 ” になっていたら、座学の勉学に影響があるのではないか?と心配してくれたという理由もある。
優しくされてとても嬉しい。
だがリーフ様に心配を掛けてはダメだ。
そう考えた俺は、その授業とやらが終了した後、リーフ様に声を掛けた。
「 今から少し本を読んできます。 」
「 ────えっ?!……あ、う、うん。 」
酷くびっくりした顔で俺を見上げてくるリーフ様を見て、トクトク……と心臓は小さく弾む。
もしかして俺がいないと寂しい……?
期待に胸を弾ませリーフ様の反応を伺っていたが────……。
「 そっかそっかー!!
レオンも成長したねぇ、俺は嬉しいよ!
いってらっしゃ~い。 」
ニコニコ笑って手を振るリーフ様によって、期待は一瞬で消え失せた。
「 …………。 」
いつものリーフ様だ。
ジトっとした目でリーフ様の笑顔を目に焼き付けたあと、俺は直ぐに【 学院図書館 】へと向かった。
今まで住んでいたレガーノの小学院にも【 学院図書館 】と呼ばれるモノがあったが、そう呼んでいいか分からないほど小さく、それならリーフ様の邸の方がよっぽど本があるというレベルであった。
勿論その全ての知識は俺の頭に入っているので、それ以外にも本が存在するならそれも頭に入れておきたい。
そう考えながら【 学院図書館 】に一瞬で飛んでいくと、目の前にそびえ立つ巨大な建造物に、ほぅ?と感心しながらその建物を見上げた。
大きさとしては【 闘技場 】と同じくらいはありそうで、窓の数から見ると三階建ての様だ。
全体的に真っ白な外壁をしていて、窓が全ての階に所狭しとついている事から蜂の巣を連想させるような外観であった。
窓は一つ一つが大きいため中は丸見えで、そこから見える範囲だけでも見たこともないくらい多くの本が置いてある事が分かる。
────さぁ、どうするか……。
建物を見上げていた顔を正面に戻し、俺は軽く頭を悩ませた。
俺のスキル< 森羅万象 >は、戦闘時だけではなく勿論座学にも非常に有用で、一度視覚にいれたものは全て完璧に理解された状態で頭の中へ入る。
更にそれに付随する全ての理論を理解することも一瞬で可能なのだが…… ” 人 ” に関する知識だけは非常に難解で、1を知って全てをとはいかない。
感情から起因する知識は全てが独立していて、基本的にはバラバラ。
つまりそれを理解するためにはその一つ一つ全てに目を通さなければならないということだからだ。
リーフ様に関する知識以外は入れたくない……。
でもリーフ様に心配を掛けたくない。
「 一緒にいるには、必要な事……。」
ブツブツと自分に言い聞かせる様に呟きながら、俺はその建物の中に入っていった。
ズラリと等間隔に並ぶ巨大な本棚。
そして壁と一体化しているそれには、ぎっしりと数えきれない程の本が収納されていて、ハシゴや階段をかなり登らないと上の方の本には手が届かない程。
中に入ってまず思った事は、本とはこんなにも世界に存在しているものなのか?────だ。
何処を見渡しても本、本、本────……。
予想以上の本の多さに俺は溜め息をつきながら、とりあえず……と中央の壁にめり込んだ巨大な本棚を目指して歩き出したのだが、随分と室内にいる者たちが非常に煩い。
俺の姿を見るや否や、悲鳴を上げての大騒ぎ。
結局、バタバタと大きな足音を立てて走りさってしまった。
「 …………。 」
────ポツン……。
気がつけば一瞬で建物内から生体反応がほぼ消え、その場にいるのは俺一人。
邪魔なモノは全部消えてくれて好都合だと、俺は満足げに頷いた。
さて……どうやって読んでしまおうか?
時間を止めるか、新たに何らかのスキルを創って使うか……。
一番最短の方法について考えていると、不意に建物内に唯一残っていた生体反応が、こちらに向かって近づいてきたのに気づく。
そして────……。
「 ……い、一体何の御用でしょうか……? 」
震えている女の声が背後の気配から聞こえた。
────邪魔なのが来た。
そう思いながら振り向けば、そこには震えながら立っているメガネを掛けた一人の女がいた。
「 …………。 」
身に覚えがない女に邪魔をされた事で多少ムッとした雰囲気が出てしまったのか……その女は大きく肩を震わせた後、震える手でメガネを上げながら恐怖で一杯の目を俺に向けてくる。
「 わ……私は……この学院の副学院長< セリナ >と申します……。
こっ、ここには本しか……ありません。
何か気に入らない事があるのでしたら……必ずや改善いたしましょう。
ですので……どうか、生徒たちに手は出さないで下さい。 」
「 ? 」
本があるのは見てわかる。
生徒達に手を出すとは……??
何となくキョロっと周りを見回したが、本しかないので思わず首を傾げた。
言っている意味が全く分からずとりあえず黙っていると、女は更にベラベラと訳のわからない事を喋り続ける。
「 私はこの学院を守るものとして生徒たちの安全と……ここの責任者として、大事な本達を守りたいのです。
ここは世界中の本を全て集めた本の宝物庫……知識の宝箱なんです。
ですので、私でできることなら何でも────……。 」
「 ????? 」
◇◇
リーフ様との距離は確実に近づいている。
そう確信できる様な出来事がその後も多々続き、俺は毎日嬉しかった。
しかし、いつ良からぬ出来事と遭遇するかは分からないし、急に横から大好きなリーフ様を取られてしまう事だってあるかもしれない。
そんな不安や恐怖は常にあって、それを少しでも払拭するために、その種は全て早々に潰したほうがいいと俺は考えた。
その中でまず俺が解決しなければならないことは──── ” 新たな知識の吸収 ” だと理解する。
リーフ様は心優しいので、俺が ” 椅子 ” になっていたら、座学の勉学に影響があるのではないか?と心配してくれたという理由もある。
優しくされてとても嬉しい。
だがリーフ様に心配を掛けてはダメだ。
そう考えた俺は、その授業とやらが終了した後、リーフ様に声を掛けた。
「 今から少し本を読んできます。 」
「 ────えっ?!……あ、う、うん。 」
酷くびっくりした顔で俺を見上げてくるリーフ様を見て、トクトク……と心臓は小さく弾む。
もしかして俺がいないと寂しい……?
期待に胸を弾ませリーフ様の反応を伺っていたが────……。
「 そっかそっかー!!
レオンも成長したねぇ、俺は嬉しいよ!
いってらっしゃ~い。 」
ニコニコ笑って手を振るリーフ様によって、期待は一瞬で消え失せた。
「 …………。 」
いつものリーフ様だ。
ジトっとした目でリーフ様の笑顔を目に焼き付けたあと、俺は直ぐに【 学院図書館 】へと向かった。
今まで住んでいたレガーノの小学院にも【 学院図書館 】と呼ばれるモノがあったが、そう呼んでいいか分からないほど小さく、それならリーフ様の邸の方がよっぽど本があるというレベルであった。
勿論その全ての知識は俺の頭に入っているので、それ以外にも本が存在するならそれも頭に入れておきたい。
そう考えながら【 学院図書館 】に一瞬で飛んでいくと、目の前にそびえ立つ巨大な建造物に、ほぅ?と感心しながらその建物を見上げた。
大きさとしては【 闘技場 】と同じくらいはありそうで、窓の数から見ると三階建ての様だ。
全体的に真っ白な外壁をしていて、窓が全ての階に所狭しとついている事から蜂の巣を連想させるような外観であった。
窓は一つ一つが大きいため中は丸見えで、そこから見える範囲だけでも見たこともないくらい多くの本が置いてある事が分かる。
────さぁ、どうするか……。
建物を見上げていた顔を正面に戻し、俺は軽く頭を悩ませた。
俺のスキル< 森羅万象 >は、戦闘時だけではなく勿論座学にも非常に有用で、一度視覚にいれたものは全て完璧に理解された状態で頭の中へ入る。
更にそれに付随する全ての理論を理解することも一瞬で可能なのだが…… ” 人 ” に関する知識だけは非常に難解で、1を知って全てをとはいかない。
感情から起因する知識は全てが独立していて、基本的にはバラバラ。
つまりそれを理解するためにはその一つ一つ全てに目を通さなければならないということだからだ。
リーフ様に関する知識以外は入れたくない……。
でもリーフ様に心配を掛けたくない。
「 一緒にいるには、必要な事……。」
ブツブツと自分に言い聞かせる様に呟きながら、俺はその建物の中に入っていった。
ズラリと等間隔に並ぶ巨大な本棚。
そして壁と一体化しているそれには、ぎっしりと数えきれない程の本が収納されていて、ハシゴや階段をかなり登らないと上の方の本には手が届かない程。
中に入ってまず思った事は、本とはこんなにも世界に存在しているものなのか?────だ。
何処を見渡しても本、本、本────……。
予想以上の本の多さに俺は溜め息をつきながら、とりあえず……と中央の壁にめり込んだ巨大な本棚を目指して歩き出したのだが、随分と室内にいる者たちが非常に煩い。
俺の姿を見るや否や、悲鳴を上げての大騒ぎ。
結局、バタバタと大きな足音を立てて走りさってしまった。
「 …………。 」
────ポツン……。
気がつけば一瞬で建物内から生体反応がほぼ消え、その場にいるのは俺一人。
邪魔なモノは全部消えてくれて好都合だと、俺は満足げに頷いた。
さて……どうやって読んでしまおうか?
時間を止めるか、新たに何らかのスキルを創って使うか……。
一番最短の方法について考えていると、不意に建物内に唯一残っていた生体反応が、こちらに向かって近づいてきたのに気づく。
そして────……。
「 ……い、一体何の御用でしょうか……? 」
震えている女の声が背後の気配から聞こえた。
────邪魔なのが来た。
そう思いながら振り向けば、そこには震えながら立っているメガネを掛けた一人の女がいた。
「 …………。 」
身に覚えがない女に邪魔をされた事で多少ムッとした雰囲気が出てしまったのか……その女は大きく肩を震わせた後、震える手でメガネを上げながら恐怖で一杯の目を俺に向けてくる。
「 わ……私は……この学院の副学院長< セリナ >と申します……。
こっ、ここには本しか……ありません。
何か気に入らない事があるのでしたら……必ずや改善いたしましょう。
ですので……どうか、生徒たちに手は出さないで下さい。 」
「 ? 」
本があるのは見てわかる。
生徒達に手を出すとは……??
何となくキョロっと周りを見回したが、本しかないので思わず首を傾げた。
言っている意味が全く分からずとりあえず黙っていると、女は更にベラベラと訳のわからない事を喋り続ける。
「 私はこの学院を守るものとして生徒たちの安全と……ここの責任者として、大事な本達を守りたいのです。
ここは世界中の本を全て集めた本の宝物庫……知識の宝箱なんです。
ですので、私でできることなら何でも────……。 」
「 ????? 」
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