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第十九章
668 妙な、知らない奴、来た
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( リーフ )
「レオンもレオンも!はい、イエェェェ~イ!」
俺はレオンに向かって手を近づけ、同じく喜びを分かち合おうとしたが……直ぐにその手をグイッ!と引っ張られ洗浄魔法を掛けられる。
そしてその後は、そのまま正面から抱きしめられてしまった。
まるで俺を隠そうとするように覆いかぶさり、ズリズリと一生懸命マリオンから距離を取ろうとしているレオン少年……。
その行動を見て、もしかして……と頭の隅からそれに該当する記憶を引っ張り出した。
あ~……これ、『三人の法則』か~。
納得納得~と思いながら、馴染み深いゴツゴツホカホカのレオンの胸の中で小さく頷く。
割りと女の子に多い様に思えるこの現象。
三人いると、何だか一人仲間はずれ感が出ちゃうやつ~。
俺は必死な様子のレオンに対し『 仲間外れ、してないよ』と安心させるようにペチペチと背中を叩いて安心させようとしたのだが、マリオンは日頃の仕返しをする絶好のチャンス!とみたのか、ニタリっと悪い顔でレオンを見返した。
それにムッ!!としたらしいレオンは、スンスンスンスン!!と激しく俺の頭の匂いを嗅いできたが、それを見て、俺は思っちゃったよねぇ~?
これってもしかしてマーキング的なやつ?
俺の方が強い的な……??────ってね!
そう考えると、今までよく匂いを嗅がれていたのは俺の頭皮の匂いが好きなんじゃなくて、俺を使って『こいつよりも俺の方が雄として上だ!』的なパフォーマンスを周りに見せていたのかも……?という結論に至る。
そしてその直後に頭に浮かぶのは、動物がよくする行動の一つ。
自分の方が強いのだと周りにアピールするため、雄が雄に対し下半身をくっつけヘコヘコ腰を振る映像であった。
頭の隅から隅まで匂いを嗅がれ動き回るレオンのお高い鼻が地味に痛いが、下半身をヘコヘコされないだけ全然マシだったのか……と思い、ニッコリ。
俺はそのまま大人しく身を委ねた。
薄毛の恐怖におののきながら、頭の痛みに耐える俺。
いまだかつて無いほどご機嫌で、顎を上げツツンっ!として笑みを浮かべるマリオン。
めちゃくちゃ怒りながら俺の方が強いぞ!アピールで、必死にプライドを守ろうとしているレオン……。
チームワークに不安あり!
そんな状態のまま、一応ボス部屋の先に続く道がないか確認するため、くっつくレオンを後手に回して引きずりながらその奥に行ってみたが……残念ながら行き止まりの様であった。
恐らくダンジョンをこのまま放置していたら、この先にどんどんダンジョンが続いて行く予定だったはずだ。
「ここで終わりか~。」
最終確認するため、行き止まりの壁をさわさわと触っていると、マリオンが話しかけてきた。
「どうやらこのダンジョンはここで終わりの様ですね。
森の入り口近くにしては5階層まであったのでまぁまぁ大きい方でしょう。」
「そうだね。
偶然見つかってラッキーだったよ。」
マリオンの言う通り、魔素が比較的薄い森の入り口付近で5階層はかなり良い方。
大体は一階層から二階層が多い。
ダンジョンは放置すればするほど深く大きくなっていくため、戦闘術学で使った立体仮想ダンジョンに記憶されたFランクモンスターの30階層は、わざと入り口付近で放置し作ったモノであると思われる。
「じゃあ、一旦戻ろうか!」
「はい。」
俺がマリオンとレオンに向かって声を掛けた瞬間、ピクッとレオンが反応し、俺から離れて上を見た。
突然の行動に、俺とマリオンは怪訝そうな表情でレオンの視線の先を追ったが、勿論洞窟の岩で出来た天井しか見えない。
「どうしたんだい?レオン。」
俺がそう尋ねると、レオンはあっさりとそれに答えた。
「妙な奴が来ました。」
「妙な奴??一体誰なんだい?」
いつにも増して不思議な事を言うレオンに対し首を傾げると、レオンも同じく首を傾げながらそれに答える。
「知らない奴ですね。」
『知らない、妙な奴がダンジョンの外にやってきた。』
とりあえずレオンの言いたい事を理解した俺だったが、状況的なモノは何一つ分からず、う~ん??と頭を悩ませた。
もしクラスの子達や先生なら、レオンはいちいちこんな事は言わないはず。
一体誰の事なのだろう??
考え込む俺を余所にマリオンは「ちゃんと説明しろっ!!奴隷風情が!!」と怒り心頭で怒鳴りながらその場で地団駄を踏む。
そんなマリオンの発言に対し、勿論レオンは完全無視で無言。
しかし、どうやらレオンの態度は本当に分からない時の無視と無言の様子なので、俺はよしっ!と覚悟を決めて2人に向かって言った。
「マリオン、レオンは本当に分からないみたいだ。
だからとりあえず一度入り口に戻ろう。
行ってみれば直ぐに誰か分かるさ。」
キーキー!と怒っているマリオンを脇に抱え、レオンの手を握った俺は、<セーブ・ポインター>を発動させてダンジョンの入り口まで瞬時に戻った。
そして先ほど設置した<セーブ・ポインター>の場所に着地すると、直ぐにその場の異変に気づいた。
「空が……何でこんなに真っ暗なんだ??」
先程までカンカンに晴れていた青空は、まるで黒い絵の具で塗れたみたいに真っ黒な雲に覆われていた。
俺がそんな真っ黒けっけな空を見上げて呆然と呟くと、脇に抱えられているマリオンは直ぐに胸ポケットから懐中時計を取り出し時間を確認する。
「現在の時刻は12時を回ったばかりです。
こんな昼間にこんな夜の様な空になるなどありえません。
一体何が……?」
マリオンも俺同様、呆然としながら空を見上げた。
何かのスキルか?
そんな事を思いながら、フッと周囲を見渡すと────……。
10mくらい前に、誰かが立っているのに気づいた。
「レオンもレオンも!はい、イエェェェ~イ!」
俺はレオンに向かって手を近づけ、同じく喜びを分かち合おうとしたが……直ぐにその手をグイッ!と引っ張られ洗浄魔法を掛けられる。
そしてその後は、そのまま正面から抱きしめられてしまった。
まるで俺を隠そうとするように覆いかぶさり、ズリズリと一生懸命マリオンから距離を取ろうとしているレオン少年……。
その行動を見て、もしかして……と頭の隅からそれに該当する記憶を引っ張り出した。
あ~……これ、『三人の法則』か~。
納得納得~と思いながら、馴染み深いゴツゴツホカホカのレオンの胸の中で小さく頷く。
割りと女の子に多い様に思えるこの現象。
三人いると、何だか一人仲間はずれ感が出ちゃうやつ~。
俺は必死な様子のレオンに対し『 仲間外れ、してないよ』と安心させるようにペチペチと背中を叩いて安心させようとしたのだが、マリオンは日頃の仕返しをする絶好のチャンス!とみたのか、ニタリっと悪い顔でレオンを見返した。
それにムッ!!としたらしいレオンは、スンスンスンスン!!と激しく俺の頭の匂いを嗅いできたが、それを見て、俺は思っちゃったよねぇ~?
これってもしかしてマーキング的なやつ?
俺の方が強い的な……??────ってね!
そう考えると、今までよく匂いを嗅がれていたのは俺の頭皮の匂いが好きなんじゃなくて、俺を使って『こいつよりも俺の方が雄として上だ!』的なパフォーマンスを周りに見せていたのかも……?という結論に至る。
そしてその直後に頭に浮かぶのは、動物がよくする行動の一つ。
自分の方が強いのだと周りにアピールするため、雄が雄に対し下半身をくっつけヘコヘコ腰を振る映像であった。
頭の隅から隅まで匂いを嗅がれ動き回るレオンのお高い鼻が地味に痛いが、下半身をヘコヘコされないだけ全然マシだったのか……と思い、ニッコリ。
俺はそのまま大人しく身を委ねた。
薄毛の恐怖におののきながら、頭の痛みに耐える俺。
いまだかつて無いほどご機嫌で、顎を上げツツンっ!として笑みを浮かべるマリオン。
めちゃくちゃ怒りながら俺の方が強いぞ!アピールで、必死にプライドを守ろうとしているレオン……。
チームワークに不安あり!
そんな状態のまま、一応ボス部屋の先に続く道がないか確認するため、くっつくレオンを後手に回して引きずりながらその奥に行ってみたが……残念ながら行き止まりの様であった。
恐らくダンジョンをこのまま放置していたら、この先にどんどんダンジョンが続いて行く予定だったはずだ。
「ここで終わりか~。」
最終確認するため、行き止まりの壁をさわさわと触っていると、マリオンが話しかけてきた。
「どうやらこのダンジョンはここで終わりの様ですね。
森の入り口近くにしては5階層まであったのでまぁまぁ大きい方でしょう。」
「そうだね。
偶然見つかってラッキーだったよ。」
マリオンの言う通り、魔素が比較的薄い森の入り口付近で5階層はかなり良い方。
大体は一階層から二階層が多い。
ダンジョンは放置すればするほど深く大きくなっていくため、戦闘術学で使った立体仮想ダンジョンに記憶されたFランクモンスターの30階層は、わざと入り口付近で放置し作ったモノであると思われる。
「じゃあ、一旦戻ろうか!」
「はい。」
俺がマリオンとレオンに向かって声を掛けた瞬間、ピクッとレオンが反応し、俺から離れて上を見た。
突然の行動に、俺とマリオンは怪訝そうな表情でレオンの視線の先を追ったが、勿論洞窟の岩で出来た天井しか見えない。
「どうしたんだい?レオン。」
俺がそう尋ねると、レオンはあっさりとそれに答えた。
「妙な奴が来ました。」
「妙な奴??一体誰なんだい?」
いつにも増して不思議な事を言うレオンに対し首を傾げると、レオンも同じく首を傾げながらそれに答える。
「知らない奴ですね。」
『知らない、妙な奴がダンジョンの外にやってきた。』
とりあえずレオンの言いたい事を理解した俺だったが、状況的なモノは何一つ分からず、う~ん??と頭を悩ませた。
もしクラスの子達や先生なら、レオンはいちいちこんな事は言わないはず。
一体誰の事なのだろう??
考え込む俺を余所にマリオンは「ちゃんと説明しろっ!!奴隷風情が!!」と怒り心頭で怒鳴りながらその場で地団駄を踏む。
そんなマリオンの発言に対し、勿論レオンは完全無視で無言。
しかし、どうやらレオンの態度は本当に分からない時の無視と無言の様子なので、俺はよしっ!と覚悟を決めて2人に向かって言った。
「マリオン、レオンは本当に分からないみたいだ。
だからとりあえず一度入り口に戻ろう。
行ってみれば直ぐに誰か分かるさ。」
キーキー!と怒っているマリオンを脇に抱え、レオンの手を握った俺は、<セーブ・ポインター>を発動させてダンジョンの入り口まで瞬時に戻った。
そして先ほど設置した<セーブ・ポインター>の場所に着地すると、直ぐにその場の異変に気づいた。
「空が……何でこんなに真っ暗なんだ??」
先程までカンカンに晴れていた青空は、まるで黒い絵の具で塗れたみたいに真っ黒な雲に覆われていた。
俺がそんな真っ黒けっけな空を見上げて呆然と呟くと、脇に抱えられているマリオンは直ぐに胸ポケットから懐中時計を取り出し時間を確認する。
「現在の時刻は12時を回ったばかりです。
こんな昼間にこんな夜の様な空になるなどありえません。
一体何が……?」
マリオンも俺同様、呆然としながら空を見上げた。
何かのスキルか?
そんな事を思いながら、フッと周囲を見渡すと────……。
10mくらい前に、誰かが立っているのに気づいた。
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