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第二十章
702 正妻の心得
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(アゼリア)
「な、なんだ??あの黒いの……?」
「……えっ?なんか動いてない??」
外で見学していた街の者達も同様にざわつきだし、なんだなんだと黒い風の塊を見上げる。
すると、その中の誰かが、突然ハッ!とした様子で震えながら、その風の塊を指差した。
「も、もしかして……あれ全部、家食いアリじゃない……?」
その声が上がった瞬間、一旦場は静まり返ったが、その直後、『ぎゃあぁぁぁ────!!』と至るところで悲鳴が上がりだす。
ちょっとした小屋くらいの大きさの、真っ黒い風の固まり。それが全て家食いアリ達!
その上で長い間、普通に生活していたヨセフ司教は白目を剥いて立ち尽くし、毎日通っていたソフィア様は微笑んだままお人形の様に固まっている。
そしてソフィア様の側にずっと控えていた私も……全身から血の気がス~と引いていった。
その間にもリーフ様は家食いアリの気配を探っていた様で、ニカッ!と笑顔を見せてから、レオンに向かって叫ぶ。
「全部教会の外に出したよ~!レオーン!『着火』お願いしま~す!」
レオンはコクリと頷き人差し指を一本立てると、ビー玉でも弾く様に人差し指を親指で押さえて離す。
────ピンッ!
弾かれた人差し指の指す先、そこには巨大な黒い風があって、そこにキラッと光る小さな光が入っていくのが見えたと思った、次の瞬間────……。
ドカアァァァ────ンッ!!!!!
物凄い光と爆風、そして音!
それが同時に周囲に襲いかかり、一瞬目を瞑ってしまったが、直ぐに開いて巨大な風の固まりがあったはずの場所に目を向ける。
しかし────……もうそこには、まるで最初から何も無かったかの様に、何も無くなってしまっていた。
「……な……は、はぁ?」
まさに電光石火の攻撃(?)。
あまりの事に呆然としながらその場所を見つめていたが、やはり何度見ても跡形もなく無くなっている。
相変わらずの化け物め!
くっ!と顔を歪めながら街の者達へ視線を移すと、街の人たちも同様に目と口を大きく開いたまま呆然とその風の塊があった所を見上げている様だ。
「やった~!成功してよかったー!」
そんな街の者達の反応に全く気づいてない様子のリーフ様は、嬉しそうに窓から飛び出し、その場でレオンの両手を掴んでバンザイをさせながら踊りだす。
そんなリーフ様を見ながら私達3人は教会を出て、リーフ様の元へと近づいていった、その時……。
「リ~フ様ぁ~♡相変わらず素敵ですぅ~♡さすが未来の僕のご主人さま! 」
不快極まりない声が見学している街の者達の中から聞こえると、トントンッと非常に軽快な動きでリーフ様の右腕にくっつく一人の人物が現れた。
「破廉恥エルフ……。」
いつもリーフ様に隙あらばペタペタとくっつこうとして、レオンに蹴散らされているエルフ族の女……いや、男のサイモン。
リーフ様はお優しいため文句を言わないが、本来は公爵家のご子息にあんなに気安く触るなど、極刑でも可笑しくはない。
今日こそは、物申してやる!
そう意気込んだがその前に、リーフ様の背中の服を引っ張り、殺気めいたオーラを出し始めたレオンに気づき、ニヤッと笑う。
いつもは忌々しい存在だが、こういう時は非常に頼もしい!さぁ、その破廉恥エルフを蹴散らせ!
ギロリと睨んでくるレオンに、サイモンはいつものように蜘蛛の子を散らす様に逃げていく────……かと思いきや、今日はニヤ~と、非常に嫌な笑みを浮かべた。
「正妻こわ~い!凄く睨んでくるぅ~!あれれ~?もしかしてレオンってば正妻の心得、知らないのかな~?ええええ────!!それを知らないとリーフ様が恥をかいちゃうな~?」
さも困った~と言わんばかりに、両目を閉じて首を振るサイモンに、レオンは殺気を緩めてピタリと止まる。
それに思わず、チィィッ!!と舌打ちをしてしまった。
少し前からレオンは、周囲の行動や言動を見る癖?ができた様で、こうして口の上手いサイモンに踊らされる事がある。
今がまさに、そのパターン。
更にそれは周りも巻き込むので、非常にたちが悪い!!
現に今、街の人達は、先程以上にざわつき始めてしまった。
「正妻……??」
「って事は、まさか守護影様は……女??」
「────いやいや、あの体型は流石に……。」
全員が、訝しげな目でジ──ッとレオンの方を見つめる。
そしてそのまま予想通り、サイモンは更にむちゃくちゃな事をレオンに教え込み始めた。
「リーフ様の一番!唯一!!一等賞はレオン!!────ここまでは分かるぅ~?」
ニッコニコと笑顔を見せながら問われたレオンは、大きく頷く。
「リーフ様は強くてかっこよくてぇ~最高にいい男!!これも大丈夫かなぁ~?」
────コクコク!
大きく二回頷くレオンを見守っていたリーフ様は、呆れた様子でため息をつく。
「サイモン、レオンで遊んじゃ────……。」
そう注意しようとしたが、それを遮る様にサイモンはビシッ!!!レオンを指さして言った。
「そんな素晴らしくいい男のリーフ様に、ハーレムが一つもないなんておかしいでしょ!!
本来なら10個くらいはないと駄目!
つま~り!ハーレムはそのお方がどれほど素晴らしいのかを周りに知らしめるために大事なものなわけ!
リーフ様の不動の!!ナンバーワンの!!正妻レオン君は、それを率先するくらいでないと、正妻は務まらな~い!!」
ガガ────ン!
ショックを受けて固まるレオンを見て、サイモンは耐えきれない!とばかりに吹き出す。
するとリーフ様は苦笑いしながら、サイモンのおでこにデコピンを食らわした。
「な、なんだ??あの黒いの……?」
「……えっ?なんか動いてない??」
外で見学していた街の者達も同様にざわつきだし、なんだなんだと黒い風の塊を見上げる。
すると、その中の誰かが、突然ハッ!とした様子で震えながら、その風の塊を指差した。
「も、もしかして……あれ全部、家食いアリじゃない……?」
その声が上がった瞬間、一旦場は静まり返ったが、その直後、『ぎゃあぁぁぁ────!!』と至るところで悲鳴が上がりだす。
ちょっとした小屋くらいの大きさの、真っ黒い風の固まり。それが全て家食いアリ達!
その上で長い間、普通に生活していたヨセフ司教は白目を剥いて立ち尽くし、毎日通っていたソフィア様は微笑んだままお人形の様に固まっている。
そしてソフィア様の側にずっと控えていた私も……全身から血の気がス~と引いていった。
その間にもリーフ様は家食いアリの気配を探っていた様で、ニカッ!と笑顔を見せてから、レオンに向かって叫ぶ。
「全部教会の外に出したよ~!レオーン!『着火』お願いしま~す!」
レオンはコクリと頷き人差し指を一本立てると、ビー玉でも弾く様に人差し指を親指で押さえて離す。
────ピンッ!
弾かれた人差し指の指す先、そこには巨大な黒い風があって、そこにキラッと光る小さな光が入っていくのが見えたと思った、次の瞬間────……。
ドカアァァァ────ンッ!!!!!
物凄い光と爆風、そして音!
それが同時に周囲に襲いかかり、一瞬目を瞑ってしまったが、直ぐに開いて巨大な風の固まりがあったはずの場所に目を向ける。
しかし────……もうそこには、まるで最初から何も無かったかの様に、何も無くなってしまっていた。
「……な……は、はぁ?」
まさに電光石火の攻撃(?)。
あまりの事に呆然としながらその場所を見つめていたが、やはり何度見ても跡形もなく無くなっている。
相変わらずの化け物め!
くっ!と顔を歪めながら街の者達へ視線を移すと、街の人たちも同様に目と口を大きく開いたまま呆然とその風の塊があった所を見上げている様だ。
「やった~!成功してよかったー!」
そんな街の者達の反応に全く気づいてない様子のリーフ様は、嬉しそうに窓から飛び出し、その場でレオンの両手を掴んでバンザイをさせながら踊りだす。
そんなリーフ様を見ながら私達3人は教会を出て、リーフ様の元へと近づいていった、その時……。
「リ~フ様ぁ~♡相変わらず素敵ですぅ~♡さすが未来の僕のご主人さま! 」
不快極まりない声が見学している街の者達の中から聞こえると、トントンッと非常に軽快な動きでリーフ様の右腕にくっつく一人の人物が現れた。
「破廉恥エルフ……。」
いつもリーフ様に隙あらばペタペタとくっつこうとして、レオンに蹴散らされているエルフ族の女……いや、男のサイモン。
リーフ様はお優しいため文句を言わないが、本来は公爵家のご子息にあんなに気安く触るなど、極刑でも可笑しくはない。
今日こそは、物申してやる!
そう意気込んだがその前に、リーフ様の背中の服を引っ張り、殺気めいたオーラを出し始めたレオンに気づき、ニヤッと笑う。
いつもは忌々しい存在だが、こういう時は非常に頼もしい!さぁ、その破廉恥エルフを蹴散らせ!
ギロリと睨んでくるレオンに、サイモンはいつものように蜘蛛の子を散らす様に逃げていく────……かと思いきや、今日はニヤ~と、非常に嫌な笑みを浮かべた。
「正妻こわ~い!凄く睨んでくるぅ~!あれれ~?もしかしてレオンってば正妻の心得、知らないのかな~?ええええ────!!それを知らないとリーフ様が恥をかいちゃうな~?」
さも困った~と言わんばかりに、両目を閉じて首を振るサイモンに、レオンは殺気を緩めてピタリと止まる。
それに思わず、チィィッ!!と舌打ちをしてしまった。
少し前からレオンは、周囲の行動や言動を見る癖?ができた様で、こうして口の上手いサイモンに踊らされる事がある。
今がまさに、そのパターン。
更にそれは周りも巻き込むので、非常にたちが悪い!!
現に今、街の人達は、先程以上にざわつき始めてしまった。
「正妻……??」
「って事は、まさか守護影様は……女??」
「────いやいや、あの体型は流石に……。」
全員が、訝しげな目でジ──ッとレオンの方を見つめる。
そしてそのまま予想通り、サイモンは更にむちゃくちゃな事をレオンに教え込み始めた。
「リーフ様の一番!唯一!!一等賞はレオン!!────ここまでは分かるぅ~?」
ニッコニコと笑顔を見せながら問われたレオンは、大きく頷く。
「リーフ様は強くてかっこよくてぇ~最高にいい男!!これも大丈夫かなぁ~?」
────コクコク!
大きく二回頷くレオンを見守っていたリーフ様は、呆れた様子でため息をつく。
「サイモン、レオンで遊んじゃ────……。」
そう注意しようとしたが、それを遮る様にサイモンはビシッ!!!レオンを指さして言った。
「そんな素晴らしくいい男のリーフ様に、ハーレムが一つもないなんておかしいでしょ!!
本来なら10個くらいはないと駄目!
つま~り!ハーレムはそのお方がどれほど素晴らしいのかを周りに知らしめるために大事なものなわけ!
リーフ様の不動の!!ナンバーワンの!!正妻レオン君は、それを率先するくらいでないと、正妻は務まらな~い!!」
ガガ────ン!
ショックを受けて固まるレオンを見て、サイモンは耐えきれない!とばかりに吹き出す。
するとリーフ様は苦笑いしながら、サイモンのおでこにデコピンを食らわした。
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