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第二十一章
729 さようなら
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(リーフ)
突然突き飛ばされてしまったサイモンは、その場で尻もちをつき、ムッ~と頬を膨らませる。
「リリア、さては日頃の鬱憤を晴らすドッキリでも仕掛け────。」
そう言いながらリリアちゃんの方へ手を伸ばした────が……。
────バチッ!!
ちょうど魔法陣の描かれている最外周の線上に、見えない壁でもあるかの様に、手を弾かれてしまう。
「……えっ?」
それに驚いたサイモンが、その魔法陣の中で両手を突き出しそこから出ようと試みるが、やはり透明な壁に囲まれているかの様にそれ以上外側に……リリアちゃんには触れられない様子であった。
レイド達も驚き、すぐにリリアちゃんの方へ視線を向けたが、リリアちゃんは動じることなく話を続けた。
「それは私が改造した、今グリモアを覆うように掛けられているジャミングを突破できる【転移陣】。
もう普通の【転移陣】は、もう使えないみたいなの。
ここから外へ向かう空間は、全て邪魔されている。」
「なっ!ど、どういう事だよ……。何でここから出られない様にする必要があるんだ?」
レイドが訳が分からないとリリアちゃんに尋ねると、リリアちゃんは目を瞑り、静かに首を振る。
「誰が何をするつもりかまでは、分からないわ。
・・
でも、誰もここから逃げられない様にするという事は……恐らくアレをどうにかするための時間稼ぎ用か、もしくは私達を何かに使うつもりなんだと思う。
……私の力では二人逃がすので精一杯なの。
レイドとメルちゃんどちらかしか助けられない……本当にごめんなさい。」
それを聞いた瞬間、サイモンはがむしゃらに叫びながら透明な壁を叩き出し、レイドはクシャッと顔を歪めた後、真っ黒に染まった空を見上げ、力の限り叫んだ。
「ふっ、ふっざけんなぁぁぁぁ────っ!!!何なんだよそれはっ!!!
街の中には沢山の人たちがっ……学院にも沢山の生徒達がいるんだぞ!!??
貴族たちは我先に逃げ出しやがって、俺たち下の身分の奴らは犠牲にするため逃さねぇってか?!
くそっ!くそっ!!くそぉぉぉぉ────っ!!!!
────っ!!そうだ!ソフィアも見殺しにすんのかよ?!まだ教会の方にいるんだろ?!」
ハッとしたレイドがリリアちゃんにそう尋ねたが、リリアちゃんはやはり静かに首を振る。
「……ジャミングされる直前に、教会から転移系魔法を使用した魔力を感じたわ。
多分それがソフィア様と専属聖兵士のアゼリア様だと思う。
教会に残っているのは……下っ端の神官達だけね、きっと。」
レイドはそれを聞いて血が滲む程拳を握り、更に唇をギリッと噛み締めた。
「……そうかよ。教会は王女様だけを助けて、あとは見殺しってか?
もしかして、あいつらがこんな状況を作り出したって事か……。」
「断言はできない。現段階では情報が少な過ぎるわ。でも……やらなければならない事は、はっきりしてる。
それはこの出来事を知っている誰かが生きて、この事を伝える事。
そしてその原因を暴いて、この惨劇を歴史の裏に埋もれさせない事よ。
そうしなければ街の人達も学院の人達……それに私の死も無駄になってしまう。そうでしょ?」
薄っすらと微笑むリリアちゃんにレイドは一瞬押し黙り、ペコッと頭を下げた後、隣にいたメルちゃんの腕を掴む。
「メル、お前は俺が認めたすげぇヤツだ!
俺は見つけたいものを見つけられなかったけど、これからメルは頑張って見つけてくれよ。
そんでこの出来事をできるだけ広めて……いつか真実を見つけてくれ。
俺とお前はずっと親友だ!
今までありがとう!すげぇ楽しかったぜ!」
レイドはニカッと笑いながらメルちゃんを魔法陣へとそのまま近づけた、瞬間────……。
────ガンッ!!!
メルちゃんは一切の手加減なく、レイドの脛を蹴った。
「────~~っ!!!いってぇぇ────!!!」
レイドが叫んでメルちゃんの腕を外すと、メルちゃんはまたしても手加減一切なしの蹴りでレイドを魔法陣の中へとふっ飛ばした。
魔法陣の中に入ってしまったレイドはハッ!!として、直ぐにそこから出ようと走ったが、泣き叫ぶサイモン同様魔法陣の中からは出られず透明な壁を思い切り叩く。
「────っ!!メル!!!お前っ……何でっ!!!」
「……レイドは親友……だから死なせない。……メルが守る。」
メルちゃんは口端を僅かに上げた後、親指をグッ!と立てる。
そしてリリアちゃんもニコッと笑い、叫び続けるサイモンとレイドに手を振ると、そのまま魔法陣の光は強くなっていき────光となって消えていった。
────カシャッ!
ガ────ッ……ガ────ッ…………。
黙って立ち尽くす俺の耳にエラー音の様な音が聞こえ、今度映し出されたのは、以前見たのと同じ部屋の中。
贅を尽くした綺羅びやかな家具に、壁一面を飾るのはイシュル神の神話を元に作った自画像達────……。
ここはメルンブルク家の『家族ルーム』だ。
突然突き飛ばされてしまったサイモンは、その場で尻もちをつき、ムッ~と頬を膨らませる。
「リリア、さては日頃の鬱憤を晴らすドッキリでも仕掛け────。」
そう言いながらリリアちゃんの方へ手を伸ばした────が……。
────バチッ!!
ちょうど魔法陣の描かれている最外周の線上に、見えない壁でもあるかの様に、手を弾かれてしまう。
「……えっ?」
それに驚いたサイモンが、その魔法陣の中で両手を突き出しそこから出ようと試みるが、やはり透明な壁に囲まれているかの様にそれ以上外側に……リリアちゃんには触れられない様子であった。
レイド達も驚き、すぐにリリアちゃんの方へ視線を向けたが、リリアちゃんは動じることなく話を続けた。
「それは私が改造した、今グリモアを覆うように掛けられているジャミングを突破できる【転移陣】。
もう普通の【転移陣】は、もう使えないみたいなの。
ここから外へ向かう空間は、全て邪魔されている。」
「なっ!ど、どういう事だよ……。何でここから出られない様にする必要があるんだ?」
レイドが訳が分からないとリリアちゃんに尋ねると、リリアちゃんは目を瞑り、静かに首を振る。
「誰が何をするつもりかまでは、分からないわ。
・・
でも、誰もここから逃げられない様にするという事は……恐らくアレをどうにかするための時間稼ぎ用か、もしくは私達を何かに使うつもりなんだと思う。
……私の力では二人逃がすので精一杯なの。
レイドとメルちゃんどちらかしか助けられない……本当にごめんなさい。」
それを聞いた瞬間、サイモンはがむしゃらに叫びながら透明な壁を叩き出し、レイドはクシャッと顔を歪めた後、真っ黒に染まった空を見上げ、力の限り叫んだ。
「ふっ、ふっざけんなぁぁぁぁ────っ!!!何なんだよそれはっ!!!
街の中には沢山の人たちがっ……学院にも沢山の生徒達がいるんだぞ!!??
貴族たちは我先に逃げ出しやがって、俺たち下の身分の奴らは犠牲にするため逃さねぇってか?!
くそっ!くそっ!!くそぉぉぉぉ────っ!!!!
────っ!!そうだ!ソフィアも見殺しにすんのかよ?!まだ教会の方にいるんだろ?!」
ハッとしたレイドがリリアちゃんにそう尋ねたが、リリアちゃんはやはり静かに首を振る。
「……ジャミングされる直前に、教会から転移系魔法を使用した魔力を感じたわ。
多分それがソフィア様と専属聖兵士のアゼリア様だと思う。
教会に残っているのは……下っ端の神官達だけね、きっと。」
レイドはそれを聞いて血が滲む程拳を握り、更に唇をギリッと噛み締めた。
「……そうかよ。教会は王女様だけを助けて、あとは見殺しってか?
もしかして、あいつらがこんな状況を作り出したって事か……。」
「断言はできない。現段階では情報が少な過ぎるわ。でも……やらなければならない事は、はっきりしてる。
それはこの出来事を知っている誰かが生きて、この事を伝える事。
そしてその原因を暴いて、この惨劇を歴史の裏に埋もれさせない事よ。
そうしなければ街の人達も学院の人達……それに私の死も無駄になってしまう。そうでしょ?」
薄っすらと微笑むリリアちゃんにレイドは一瞬押し黙り、ペコッと頭を下げた後、隣にいたメルちゃんの腕を掴む。
「メル、お前は俺が認めたすげぇヤツだ!
俺は見つけたいものを見つけられなかったけど、これからメルは頑張って見つけてくれよ。
そんでこの出来事をできるだけ広めて……いつか真実を見つけてくれ。
俺とお前はずっと親友だ!
今までありがとう!すげぇ楽しかったぜ!」
レイドはニカッと笑いながらメルちゃんを魔法陣へとそのまま近づけた、瞬間────……。
────ガンッ!!!
メルちゃんは一切の手加減なく、レイドの脛を蹴った。
「────~~っ!!!いってぇぇ────!!!」
レイドが叫んでメルちゃんの腕を外すと、メルちゃんはまたしても手加減一切なしの蹴りでレイドを魔法陣の中へとふっ飛ばした。
魔法陣の中に入ってしまったレイドはハッ!!として、直ぐにそこから出ようと走ったが、泣き叫ぶサイモン同様魔法陣の中からは出られず透明な壁を思い切り叩く。
「────っ!!メル!!!お前っ……何でっ!!!」
「……レイドは親友……だから死なせない。……メルが守る。」
メルちゃんは口端を僅かに上げた後、親指をグッ!と立てる。
そしてリリアちゃんもニコッと笑い、叫び続けるサイモンとレイドに手を振ると、そのまま魔法陣の光は強くなっていき────光となって消えていった。
────カシャッ!
ガ────ッ……ガ────ッ…………。
黙って立ち尽くす俺の耳にエラー音の様な音が聞こえ、今度映し出されたのは、以前見たのと同じ部屋の中。
贅を尽くした綺羅びやかな家具に、壁一面を飾るのはイシュル神の神話を元に作った自画像達────……。
ここはメルンブルク家の『家族ルーム』だ。
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