【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

文字の大きさ
749 / 1,649
第二十一章

733 進化の果て

しおりを挟む
(リーフ)

オロオロオロ~と困り果てて内心焦っていると、謎の人物がフフッと笑いながら俺の質問に答えた。

「そうだねぇ?少なくとも『何故知っているか?』という質問には違和感があるかな。
私はあらゆる情報と繋がっているからね。『規則正しいルール』に基づいた情報なら全て知っているよ。
しかし、それに基づいていない『人の感覚』は、常に新たな感覚をもたらす変化する情報だから、知らない事もある。
まぁ、厳密に言えば、それも決められたルールの内に入っているんだけどね。
『知性を持つ存在に与えられた《力》は新たな発見とそれに付随した変化の《力》』
それにより『進化』という変化を創り出し、お互いを潰し合う事によってどんどんそれを深く広げていく。
要は、今の君の環境で例えるなら、知性を持つ存在は『人』だね。 」

「?????は、はい??」


どうしよう……。
何を言っているのかサッパリだ。

俺のトリ頭では会話が成り立たない。
そう思うには十分な情報を一気に与えられてしまい、プスプスと頭は焦げ付き始めたが……ここで考えるのを放棄するのは、せっかくお話しようとしてくれている人に対し失礼に値する。

俺は焦げ付いている頭を必死にフル活動しながら、会話を続けた。


「そうですね!人間には色々な人がいますから!でもそこが楽しい所だと思います!」

「……フフッ。確かに『楽しい』ね。
でもね、この『楽しい』は、続かない様に決められているんだよ。
『変化』は楽しいけど、一定以上の力をつけるまえに消える様に作ったんだ、────がね。
それを忠実に実行してくれる────が────。
君もそれだった。もう一人の『リーフ』も……。
同じモノだったから君は『リーフ』に転生したのに、全く異なる行動ばかり。
う~む、まだまだ同じモノは沢山周りにいるけど……果たしてルール通りにいくのかな?
私にも今後どうなるか分からない。」

「…………。」


……俺も分からない。言っている意味が。全部。

俺はこの正体不明の人物を警戒しながら、感情を外に出さないようにホタホタと営業スマイルを浮かべて焦りを隠す。


多分この人、レオンと同じだ。
俺とは別の広い広~い別次元の世界観を持っていて、その世界のお話をしている。


俺は押し黙り、ぐるぐると回る思考から何とか理解できそうな情報だけを外に取り出した。


とりあえず、俺と多分物語の『リーフ』は同じモノ……つまり似ていると言うことらしいが、これには大ショック!
俺はあそこまで酷いヤツじゃない!!


先程『リーフ』が行った悪魔の様な所業を思い出し、ブワッと怒りが蘇る。


「いやいや!俺をあんな悪魔の様な小僧と一緒にしないで頂きたい!
確かに今は悪役をやらせて頂いてますが!レオンを扱き使って最近ではうっとり気持ちいいを堪能してますが! 
────あ、やっぱり同じかも……カテゴリーは。」


最近加速気味のこき使いっぷりを思い出し、先程見たモルトとニールの薄っすら笑顔とレオンの俺に酷使された時のニッコリ笑顔が何となく重なり撃沈。
そしてその撃沈した俺に、謎の人物は更に追い打ちを掛けてトドメをさしてくる。


「いや?君と『リーフ』は同じモノだ。
詳しく言えば同じ材料、そして同じ配列で作られた『目的を同じにして作られたモノ』だよ。
まぁ、ただ君はそれに『従わないモノ』、いわゆるエラーを起こした……────的には極上の失敗作さ。
全ての存在は────の作ったルールに沿った動きしかできないからね。
知性を持つ存在の代償は『滅び』だ。
それこそが進化という果てに訪れる、絶対に変わらないルールなんだよ。
つまりは知性を持つ存在が出現した瞬間から、その世界は滅ぶ為の道をそのルールに従って歩み始めているというわけだ。
簡単にいえば『始まりがあれば終わりがある』という大前提のルールの中の話になるかな?
ここまでは────う~ん……まだ難しかったかな。」


キリッと真剣な顔をして分からないのを誤魔化している俺をお見通し!と言わんばかりに謎の人物からはため息?が……。


とりあえず、俺は極上の失敗作だそうだ。
めちゃくちゃショック!!
あとは……まぁ、その内世界は滅びるよ~的な事を言っているらしい。


「そうですか!なるほど、なるほど!
俺も一度は人生を終えている身なので、生まれてから死ぬという過程は経験済みです。だから大丈夫です!」


何が大丈夫なのか自分でも分からずそう言うと、謎の人物は依然楽しそうな雰囲気を漂わせたまま、やはり気を悪くした様子はない。


「『大丈夫』か……。果たして、どれほどの生物が君と同じ環境下で『大丈夫』だと言えるんだろうね?
まぁ、いいさ。私はこの会話を『楽しい』と思っているから。
そして君に一つ質問したい。
なに、そんなに難しい質問じゃないからどうか身構えないでくれ。」


これから更に分からない事が追加し、それに答えるという緊張感から、ガチッと体を固くしたが、謎の人物のフランクな言い方に多少緊張はほぐれた。

しおりを挟む
感想 274

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。 第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

処理中です...