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第二十六章
(ナックル)872 開戦
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(ナックル)
大方こいつは戦いの場から離脱し、街の方で火事場泥棒でもするつもりだったんだろう。
だが、街には俺やゲイルの仲間達が既に漁っていたため、致し方なくこちらに来たと、そんな所か……。
男だったら瞬時で切り捨てる所だが、見た目がいい女には価値がある。
側に置けば宝石と同じく俺の気分を気持ちよ~くしてくれるし、その体を使えば俺の体も気持ちよくなれる。
その代価として金をちょいとやって、面倒になったら捨てれば良いのだから、これも一方的に俺が得する関係だ。
「その後は、世界中の宝石を集めてコレクションにしようか。毎日毎日それを眺めて暮らせるなんざ、夢のようだろう?
どうだ?お前が俺の飼い猫ちゃんになるってんなら何でも好きなモン買ってやるぜぇ?ドレスでもアクセサリーでも何でもなぁ。」
魅力的な提案だっただろうに、エルフ女はう~ん……と迷う様な素振りを見せた。
────へぇ?俺の興味を引こうってか?
即決して飛びついてこない所を見ると、言っていた通り男ってもんを知っている様だ。
その行動に面白さを感じ、再び口から笑いが溢れる。
宝石の様に美しい少女。
それを手元に置いて見せびらかすのは楽しそうだ。
ニヤニヤしながらまだ未熟な体を舐める様に見回していると、やがてそのエルフ女はニッコリと笑いながら俺と目線を合わせた。
「絶対無理~。器が小さい男はちょっと……ねぇ?
それに、見た目マイナス100点、センスは壊滅的~。何よりお金の使い方がちょ~ダサい。」
その可愛いお口から飛び出した言葉に、一瞬頭は真っ白になってしまったが、直ぐに怒りがドッ!と湧き、頭の中をあっという間に支配する。
「あぁ!!?てめぇ今、なんてつった!!??」
「えぇ~……耳まで悪いのぉ?悪いのはセンスとお金の使い方だけにしてよぉ~。」
はぁ~……と大きなため息をつくエルフ女に、更に怒りは爆発し俺は怒鳴り散らした。
「ふっざけんなよっ、モノの価値をしらねぇガキがっ!!こんなに価値のあるモンを身につけた俺のセンスが、悪いわきゃねぇだろう!!
価値のあるモンを金で手に入れる事の、どこがだぜぇっつーんだよ!!正しい使い方だろうがっ!!!」
持ち上げていた『一つ目大蛇の虹彩』のネックレスから手を離すと、そのままこれでもかと光り輝く指輪が嵌った両手を見せつけてやった。
────が、エルフの女の口から漏れたのはそれを褒め称える言葉ではなく、先程よりも大きなため息であった。
「だ~か~ら~それがダサいんだってぇ。『お金を使って欲を叶える』だけなんてつまんない人~。
お金ってぇ、自分を着飾るアクセサリーじゃなくて、人生の選択肢を増やすものだからさ。
それをどうやって使って何を選ぶかで、その人の価値って決まると思うんだよねぇ~。
その点あんたは県外レベル。ついていく男を間違えると地獄だからね。
一生ついていく超カッコいい御主人様は、もう決まってるんで♡」
「……兄さん。そんな気持ち悪い男で遊んじゃ駄目よ。知力が下がるわ。」
ピキピキと青筋が額を覆っていくのを感じる中、また新たなエルフ族の女が現れた。
もう一匹のエルフの女とはまたタイプの違う美人で、大きく開いたスリットの巻きスカートに白いシャツ。
ゴツい腰ベルトには魔導書が装備されている事から、恐らくは魔法使いの様だ。
スタスタと歩いて二人が合流すると、最初に現れた方のエルフの女はキャッキャッと楽しそうに笑った。
「からかってなんかないよ~?ただ何か盛大に勘違いしているから面白くってぇ。」
「……それをからかっているっていうの。兄さんの悪い癖よ。
そんな下品で気持ち悪い男、相手にしては駄目。さっさと倒して戻りましょう。」
怒りにトドメを刺すような言葉の数々と、更に後から来た女が言う『兄さん』という言葉から、どうも最初に現れたエルフの女が実は男という事に気づき、怒りは更に増す。
「お嬢さんかと思っていたらお坊ちゃんだったのかよ、騙しやがって。
俺を誰だか知らねぇのか?────後悔してもおせぇからな。」
「えぇ~?勝手に勘違いしただけなのに、八つ当たりしないで欲しいんですけどぉ~。
それと僕、低スペック男の事は興味ないから知らないんだ。ごめんね♡」
何処までもバカにした様な態度に我慢出来ず、俺は腰に差してあるサーベルを即座に抜くと、エルフの女……じゃなくて男は、両手にタガー、そしてもう一人のエルフの女は魔導書を手に持ち、俺の殺気を込めた目を正面から見返した。
「リーフ様ハーレム『可愛い』枠担当サイモン。これより不良物件の消去作業に取り掛かりま~す。」
「貴方邪魔なの。皆のために消えて?」
(冒険者ギルド前)
<Cランク冒険者ナックル VS サイモン、リリア>────開戦。
大方こいつは戦いの場から離脱し、街の方で火事場泥棒でもするつもりだったんだろう。
だが、街には俺やゲイルの仲間達が既に漁っていたため、致し方なくこちらに来たと、そんな所か……。
男だったら瞬時で切り捨てる所だが、見た目がいい女には価値がある。
側に置けば宝石と同じく俺の気分を気持ちよ~くしてくれるし、その体を使えば俺の体も気持ちよくなれる。
その代価として金をちょいとやって、面倒になったら捨てれば良いのだから、これも一方的に俺が得する関係だ。
「その後は、世界中の宝石を集めてコレクションにしようか。毎日毎日それを眺めて暮らせるなんざ、夢のようだろう?
どうだ?お前が俺の飼い猫ちゃんになるってんなら何でも好きなモン買ってやるぜぇ?ドレスでもアクセサリーでも何でもなぁ。」
魅力的な提案だっただろうに、エルフ女はう~ん……と迷う様な素振りを見せた。
────へぇ?俺の興味を引こうってか?
即決して飛びついてこない所を見ると、言っていた通り男ってもんを知っている様だ。
その行動に面白さを感じ、再び口から笑いが溢れる。
宝石の様に美しい少女。
それを手元に置いて見せびらかすのは楽しそうだ。
ニヤニヤしながらまだ未熟な体を舐める様に見回していると、やがてそのエルフ女はニッコリと笑いながら俺と目線を合わせた。
「絶対無理~。器が小さい男はちょっと……ねぇ?
それに、見た目マイナス100点、センスは壊滅的~。何よりお金の使い方がちょ~ダサい。」
その可愛いお口から飛び出した言葉に、一瞬頭は真っ白になってしまったが、直ぐに怒りがドッ!と湧き、頭の中をあっという間に支配する。
「あぁ!!?てめぇ今、なんてつった!!??」
「えぇ~……耳まで悪いのぉ?悪いのはセンスとお金の使い方だけにしてよぉ~。」
はぁ~……と大きなため息をつくエルフ女に、更に怒りは爆発し俺は怒鳴り散らした。
「ふっざけんなよっ、モノの価値をしらねぇガキがっ!!こんなに価値のあるモンを身につけた俺のセンスが、悪いわきゃねぇだろう!!
価値のあるモンを金で手に入れる事の、どこがだぜぇっつーんだよ!!正しい使い方だろうがっ!!!」
持ち上げていた『一つ目大蛇の虹彩』のネックレスから手を離すと、そのままこれでもかと光り輝く指輪が嵌った両手を見せつけてやった。
────が、エルフの女の口から漏れたのはそれを褒め称える言葉ではなく、先程よりも大きなため息であった。
「だ~か~ら~それがダサいんだってぇ。『お金を使って欲を叶える』だけなんてつまんない人~。
お金ってぇ、自分を着飾るアクセサリーじゃなくて、人生の選択肢を増やすものだからさ。
それをどうやって使って何を選ぶかで、その人の価値って決まると思うんだよねぇ~。
その点あんたは県外レベル。ついていく男を間違えると地獄だからね。
一生ついていく超カッコいい御主人様は、もう決まってるんで♡」
「……兄さん。そんな気持ち悪い男で遊んじゃ駄目よ。知力が下がるわ。」
ピキピキと青筋が額を覆っていくのを感じる中、また新たなエルフ族の女が現れた。
もう一匹のエルフの女とはまたタイプの違う美人で、大きく開いたスリットの巻きスカートに白いシャツ。
ゴツい腰ベルトには魔導書が装備されている事から、恐らくは魔法使いの様だ。
スタスタと歩いて二人が合流すると、最初に現れた方のエルフの女はキャッキャッと楽しそうに笑った。
「からかってなんかないよ~?ただ何か盛大に勘違いしているから面白くってぇ。」
「……それをからかっているっていうの。兄さんの悪い癖よ。
そんな下品で気持ち悪い男、相手にしては駄目。さっさと倒して戻りましょう。」
怒りにトドメを刺すような言葉の数々と、更に後から来た女が言う『兄さん』という言葉から、どうも最初に現れたエルフの女が実は男という事に気づき、怒りは更に増す。
「お嬢さんかと思っていたらお坊ちゃんだったのかよ、騙しやがって。
俺を誰だか知らねぇのか?────後悔してもおせぇからな。」
「えぇ~?勝手に勘違いしただけなのに、八つ当たりしないで欲しいんですけどぉ~。
それと僕、低スペック男の事は興味ないから知らないんだ。ごめんね♡」
何処までもバカにした様な態度に我慢出来ず、俺は腰に差してあるサーベルを即座に抜くと、エルフの女……じゃなくて男は、両手にタガー、そしてもう一人のエルフの女は魔導書を手に持ち、俺の殺気を込めた目を正面から見返した。
「リーフ様ハーレム『可愛い』枠担当サイモン。これより不良物件の消去作業に取り掛かりま~す。」
「貴方邪魔なの。皆のために消えて?」
(冒険者ギルド前)
<Cランク冒険者ナックル VS サイモン、リリア>────開戦。
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