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第二十七章
920 持っているかもしれない人
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(メル)
「……怖いやつ、筆記テスト最初の5分くらいしかペンを動かしてなかった……。もしかして脅されてたのかな……。」
怖いやつはテスト開始した直後に5分も満たないくらいの時間『ペンを動かしていた?』程度にしか問題を解いてなかったため、メルはそう推理した。
しかし、レイドはう~ん……と考え込む様に眉を寄せて迷う様な素振りを見せる。
「5分じゃあ1問も解けねぇもんなぁ~……。でも、あんなおっかねぇヤツ脅せるか??
それに俺、アイツらそんな感じの嫌な奴らに見えねぇんだよな~。
────まっ!こればっかりは考えてても分からねぇし、これから自分の目と鼻で確認しようぜ!」
ニカッ!と笑うレイドにメルは、大きな衝撃を受けた。
『自分の目と鼻で人は判断すべし』
その通りだと思ったメルは、ギラッ!と目を輝かせ「……その通り!」と力強く答えると、二人で拳を叩き合った。
そうしてランチを終えた後は、とうとう見せ場とも言える実技の試験が開始なため、二人で気合満々で早めに試験会場入り。
そのままボンヤリ待機していると、その後直ぐに先程のネズミ、ブタ、魚、怖いのが入ってくるのを視界の端に捉える。
その時、メルは初めてレイドの気にしているネズミの獣人をしっかりと見た。
特に突出してない外見。
身長も体格も全て人族の平均値……これだけではレイドが拘る理由がサッパリ分からない。
それに────…………。
メルは、チラッとネズミの近くにいる怖いのへ視線をゆっくりと移す。
────ドドンッ!!
そんな大きな効果音が聞こえそうな程の強烈な存在感を放つ怖いヤツ。
そいつが近くにいるせいで、イマイチそっちに意識が回らない!
「……うぅ~……。」
自分の不甲斐なさを嘆いていると、レイドが早速その四人に向かって手を振ったが、あの怖いヤツからの視線を感じるとそのままメルの後ろにババッ!!と隠れてしまった。
「………………。」
震えるレイドを見下ろしながら、ふぅ……とため息をつくと、そのまま大きな身体を引きずって距離をとる。
するとレイドは「こ……怖ぁ~!」と言いながら半泣きしたが、それでもあの四人が気になるのか、チラッチラッと視線を向けていた。
その後、直ぐに試験官らしき者達がゾロゾロとやってきて、やっと試験スタートかと思ったのだが……今度は一人の人族が、あの怖いヤツの顔が見えない状態が駄目ではないかと指摘し、試験は中断されてしまう。
進行が邪魔された事にムッとはするが、確かに気になる……
「確かに興味あるよな~。なんであんな隠すんだろうな?
しっかし、あの人族すげぇじゃん。あんなおっかないヤツ相手にあんなハッキリ言えるなんてさ!」
レイドはキラキラと目を輝かせ、怖いヤツらの方を見ていた。
勿論メルもワクワクしながら怖い奴の方を見ると、レイドが「俺、強そうな顔に一票。」と自分の予想についてボソッと語る。
「……じゃあメルは可愛い女の子の顔に……一票……。」
そうノリノリで言うと、レイドと二人であーだこーだとボソボソお互いの理想の話へと移っていったが……その予想は大外れ。
それどころか多大なる恐怖を味わう羽目になった。
『呪われた左半身と禁忌の黒髪』
『感情が空っぽの空虚な目』
そんな恐ろしい外見に、悲鳴や恐怖を訴える叫び声が至る所で飛び交う。
そうしてとうとうバタバタと逃げ出す受験生たちの中、メルとレイドは震えながらその場に立ち尽くしていた。
『怖い』
『怖い』
『今直ぐ逃げ出したい!』
二人で共通の想いを抱きながら、そのまま同時に後ろに足を引こうとした、その瞬間────……。
「こんなものが怖いなど、この腰抜けどもめっ!!!
ここにいる者たちの実力などカユジ虫以下っ!!この俺の敵ではな~い!!!」
挑発する様な声が、怖いやつの横から聞こえた。
発言したのはあのネズミの獣人。
更にそのネズミの獣人はべらべらと怒涛の如く喋りだす。
「数多くの優秀な人材を排出してきた【ライトノア学院】……そんな凄いものかと来てみればこの程度!」
「とんだ弱虫集団だ、君たちは!」
ズバッ!と言い切り、茫然としているメル達の前で、ネズミの獣人はコツコツと前に2~3歩進み出た。
そして足を止めた直後、右手を天に向けビシ──っ!!と指し示す。
「俺が不動のNO.1!!
君たちが真に恐れるはこの俺っ!リーフ・フォン・メルンブルクのみ!!!
俺はこの中の誰よりも強~い!」
一番はネズミの……『リーフ』。
「…………っ。」
そう言い切られてしまえば、逃げようとしている自分が悔しくなって、後ろに引こうとしていた足をドンッ!と前に出した。
するとレイドも同様の気持ちを持ったのか、メルと同時に引こうとしていた足をドンッ!と前に出して大地を踏みしめると鼻息を荒くつき、リーフへ視線を向ける。
キラキラ!
ピカピカ~!
あんなに怖いモノを側に置いても平然としているリーフが輝いて見える様になる。
メルはその強さが純粋に好きになった。
『かっこいい』
『楽しそう』
『もっと知りたい』
『この人のなら答えを持っているかもしれない』
そんな期待を『リーフ』に抱いた。
「……怖いやつ、筆記テスト最初の5分くらいしかペンを動かしてなかった……。もしかして脅されてたのかな……。」
怖いやつはテスト開始した直後に5分も満たないくらいの時間『ペンを動かしていた?』程度にしか問題を解いてなかったため、メルはそう推理した。
しかし、レイドはう~ん……と考え込む様に眉を寄せて迷う様な素振りを見せる。
「5分じゃあ1問も解けねぇもんなぁ~……。でも、あんなおっかねぇヤツ脅せるか??
それに俺、アイツらそんな感じの嫌な奴らに見えねぇんだよな~。
────まっ!こればっかりは考えてても分からねぇし、これから自分の目と鼻で確認しようぜ!」
ニカッ!と笑うレイドにメルは、大きな衝撃を受けた。
『自分の目と鼻で人は判断すべし』
その通りだと思ったメルは、ギラッ!と目を輝かせ「……その通り!」と力強く答えると、二人で拳を叩き合った。
そうしてランチを終えた後は、とうとう見せ場とも言える実技の試験が開始なため、二人で気合満々で早めに試験会場入り。
そのままボンヤリ待機していると、その後直ぐに先程のネズミ、ブタ、魚、怖いのが入ってくるのを視界の端に捉える。
その時、メルは初めてレイドの気にしているネズミの獣人をしっかりと見た。
特に突出してない外見。
身長も体格も全て人族の平均値……これだけではレイドが拘る理由がサッパリ分からない。
それに────…………。
メルは、チラッとネズミの近くにいる怖いのへ視線をゆっくりと移す。
────ドドンッ!!
そんな大きな効果音が聞こえそうな程の強烈な存在感を放つ怖いヤツ。
そいつが近くにいるせいで、イマイチそっちに意識が回らない!
「……うぅ~……。」
自分の不甲斐なさを嘆いていると、レイドが早速その四人に向かって手を振ったが、あの怖いヤツからの視線を感じるとそのままメルの後ろにババッ!!と隠れてしまった。
「………………。」
震えるレイドを見下ろしながら、ふぅ……とため息をつくと、そのまま大きな身体を引きずって距離をとる。
するとレイドは「こ……怖ぁ~!」と言いながら半泣きしたが、それでもあの四人が気になるのか、チラッチラッと視線を向けていた。
その後、直ぐに試験官らしき者達がゾロゾロとやってきて、やっと試験スタートかと思ったのだが……今度は一人の人族が、あの怖いヤツの顔が見えない状態が駄目ではないかと指摘し、試験は中断されてしまう。
進行が邪魔された事にムッとはするが、確かに気になる……
「確かに興味あるよな~。なんであんな隠すんだろうな?
しっかし、あの人族すげぇじゃん。あんなおっかないヤツ相手にあんなハッキリ言えるなんてさ!」
レイドはキラキラと目を輝かせ、怖いヤツらの方を見ていた。
勿論メルもワクワクしながら怖い奴の方を見ると、レイドが「俺、強そうな顔に一票。」と自分の予想についてボソッと語る。
「……じゃあメルは可愛い女の子の顔に……一票……。」
そうノリノリで言うと、レイドと二人であーだこーだとボソボソお互いの理想の話へと移っていったが……その予想は大外れ。
それどころか多大なる恐怖を味わう羽目になった。
『呪われた左半身と禁忌の黒髪』
『感情が空っぽの空虚な目』
そんな恐ろしい外見に、悲鳴や恐怖を訴える叫び声が至る所で飛び交う。
そうしてとうとうバタバタと逃げ出す受験生たちの中、メルとレイドは震えながらその場に立ち尽くしていた。
『怖い』
『怖い』
『今直ぐ逃げ出したい!』
二人で共通の想いを抱きながら、そのまま同時に後ろに足を引こうとした、その瞬間────……。
「こんなものが怖いなど、この腰抜けどもめっ!!!
ここにいる者たちの実力などカユジ虫以下っ!!この俺の敵ではな~い!!!」
挑発する様な声が、怖いやつの横から聞こえた。
発言したのはあのネズミの獣人。
更にそのネズミの獣人はべらべらと怒涛の如く喋りだす。
「数多くの優秀な人材を排出してきた【ライトノア学院】……そんな凄いものかと来てみればこの程度!」
「とんだ弱虫集団だ、君たちは!」
ズバッ!と言い切り、茫然としているメル達の前で、ネズミの獣人はコツコツと前に2~3歩進み出た。
そして足を止めた直後、右手を天に向けビシ──っ!!と指し示す。
「俺が不動のNO.1!!
君たちが真に恐れるはこの俺っ!リーフ・フォン・メルンブルクのみ!!!
俺はこの中の誰よりも強~い!」
一番はネズミの……『リーフ』。
「…………っ。」
そう言い切られてしまえば、逃げようとしている自分が悔しくなって、後ろに引こうとしていた足をドンッ!と前に出した。
するとレイドも同様の気持ちを持ったのか、メルと同時に引こうとしていた足をドンッ!と前に出して大地を踏みしめると鼻息を荒くつき、リーフへ視線を向ける。
キラキラ!
ピカピカ~!
あんなに怖いモノを側に置いても平然としているリーフが輝いて見える様になる。
メルはその強さが純粋に好きになった。
『かっこいい』
『楽しそう』
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そんな期待を『リーフ』に抱いた。
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