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第二十八章
950 最終地点
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(ジュワン)
獣のガキが出したらしい光の盾により、私の攻撃が防がれた!!
それが信じられなくてギリギリと唇を噛みしめると、獣のガキはへっ!と不敵に笑う。
「大したことねぇ攻撃だなぁ~?スカンク獣人の屁より弱いぜ。
試験の時の仕返しはたっぷりさせてやるからな!!」
獣のガキはそう言いながら、即座に盾を大剣に変えるとそのまま私に向かってそれを横に大きく振った。
<重工戦士の資質> (ユニーク固有スキル)
< 竜巻のテイル >
武器指定<大剣>
大剣を使った広範囲の薙ぎ払い攻撃系スキル。
防御力分のステータスを攻撃値に加えて放たれる強力な範囲攻撃であるため、まるで竜巻の様な風圧も加わり、避けても敵にダメージを与える事ができる
(発現条件)
一定以上の攻撃力、防御力、闘争心、根性値を持つ事
一定回数以上大剣で敵に攻撃した経験値を持つこと
物凄い威力の攻撃により大ホールの壁と屋根が吹き飛び、瓦礫が宙を舞う。
「────っ!馬鹿力めっ!!」
私は、トッ……と後ろに一度下がり、瓦礫の後ろに身を隠しつつその攻撃を避けたが、そのせいでイシュル神の像の前に置いてあった<聖浄結石>が同じく空に上がってしまった。
するとその隙を逃さないとばかりにアゼリアが真っ先にそれに向かって飛び、そのまま刀で斬りつけた────が……<聖浄結石>は斬れる事なく、寧ろアゼリアの振った刀を大きく弾く。
その瞬間、獣のガキとアゼリアは目を僅かに見開いて驚き、そのままアゼリアは一度大きく後方に飛ぶと、ハッ!と何かに気づいた様子を見せた。
「……そうか!【生糸結界】か……!!」
【生糸結界】
術者と守護対象物を特殊な魔術の糸で結びつけ、その術者の体力値を共有する。
それにより術者の体力値に応じた結界を守護対象物に張る事ができ、術者の体力値が一定以下にまで低下しなければその結界は突破できない。
ただし、離れ過ぎれば効果を失ってしまう。
その正体を知り眉を寄せるアゼリアに、私はハァ~と心底呆れた様なため息をつく。
「やれやれ、何の対策なしに大事なモノを置いておくわけがないでしょう。これだから馬鹿は思考が浅すぎて嫌なんですよ。
いいですか?<聖浄結石>は【生糸結界】で繋がれているため、私に一定以上のダメージを与えなければ壊せないという事です。
そして私は、王都でも屈指の実力を持つ王宮騎士。
はい、意味が分かりますかぁ~?ぜ~つ~ぼ~う~し~ま~し~た~かぁぁ~??」
馬鹿でも分かる様に丁寧に説明してやったのだが、獣のガキとアゼリアはお互い目を合わせ二マァァ~と腹立たしい顔で笑い合う。
「なんだ、そんな事でいいのかよ。めんどくせぇ解除が必要なら面倒だったぜ~。」
「もう少し工夫をこらした方法にするべきだったな。」
「はぁ?これ以上ない程の完璧な方法だろう。一体何を言っているのですか?」
私に勝つつもりでいる浅はかで傲慢な邪神の遣い共に対し、思わずプッと吹き出してしまった。
そしてクスクスと笑いながら、私はアゼリアに視線を合わせる。
「貴族の血が入っているとは言え、所詮貴様は何処ぞやの汚らしい血の混ざりものだな。
大方娼婦崩れの女が、金目当てで当主を誘惑したのだろう。つまりお前は生まれながらの罪人な~ん~で~す~。
お前さえいなければレイモンド家は今頃幸せに暮らしていたはずなのに、なんて嘆かわしい事でしょう。
はぁぁぁ~…………私なら自分の存在を恥じて、とっくに自害していると思いますがね?
流石は汚らわしい混じり物!図太くて羨ましい!」
パチパチと拍手をしながら褒めてやると、獣のガキが「……っ!!テメェ!いい加減に──……。」と言いかけたが、アゼリアがそれを止めた。
当たり前だ。
私は『正しい』事しか言ってないのだから。
完全勝利を確信していた私は、余裕の笑みでアゼリアの様子を眺めていたが、何とアゼリアはプッ!!と吹き出し笑いだしたではないか!!
「……気でも狂ったか?汚らしい混じり物め。」
「────いや?意識は今までになくスッキリしているさ。
笑ってしまったのは、何故過去の私はこんな馬鹿げた言葉を鵜呑みにしていたのだろうと思ったからだ。
貴様は可哀想な男だな。もっと早くリーフ様に出会っていれば、そんな惨めな人生を送らずに済んだかもしれないのに……。」
「────はっ?」
『可哀想な男』
『惨めな人生』
その言葉が私の神経を逆なでし、ピキピキと額に蠢く血管が走っていく。
そんな私の様子を見て、アゼリアは更にフッと哀れみを込めた目で笑った。
「こちら側は目眩がするほど優しく幸せに満ちた世界だった。
私には自身をありのままに受け止めてくれる仲間達と、そこまで私を導いてくださったソフィア様とリーフ様がいる。
貴様には何もないではないか。
貴様が下位の者達を見下し使い捨てする様に、アイツらにとって貴様はただの使い捨ての道具にしか過ぎない。
『使い捨ての道具』それがその世界の最終地点だ。ご愁傷さま。」
憐憫と侮蔑を込めた眼差しを向けてくるアゼリアに血管はブチブチブチ~~!!!と切れていく。
怒りの感情のままに私は大声で怒鳴った。
獣のガキが出したらしい光の盾により、私の攻撃が防がれた!!
それが信じられなくてギリギリと唇を噛みしめると、獣のガキはへっ!と不敵に笑う。
「大したことねぇ攻撃だなぁ~?スカンク獣人の屁より弱いぜ。
試験の時の仕返しはたっぷりさせてやるからな!!」
獣のガキはそう言いながら、即座に盾を大剣に変えるとそのまま私に向かってそれを横に大きく振った。
<重工戦士の資質> (ユニーク固有スキル)
< 竜巻のテイル >
武器指定<大剣>
大剣を使った広範囲の薙ぎ払い攻撃系スキル。
防御力分のステータスを攻撃値に加えて放たれる強力な範囲攻撃であるため、まるで竜巻の様な風圧も加わり、避けても敵にダメージを与える事ができる
(発現条件)
一定以上の攻撃力、防御力、闘争心、根性値を持つ事
一定回数以上大剣で敵に攻撃した経験値を持つこと
物凄い威力の攻撃により大ホールの壁と屋根が吹き飛び、瓦礫が宙を舞う。
「────っ!馬鹿力めっ!!」
私は、トッ……と後ろに一度下がり、瓦礫の後ろに身を隠しつつその攻撃を避けたが、そのせいでイシュル神の像の前に置いてあった<聖浄結石>が同じく空に上がってしまった。
するとその隙を逃さないとばかりにアゼリアが真っ先にそれに向かって飛び、そのまま刀で斬りつけた────が……<聖浄結石>は斬れる事なく、寧ろアゼリアの振った刀を大きく弾く。
その瞬間、獣のガキとアゼリアは目を僅かに見開いて驚き、そのままアゼリアは一度大きく後方に飛ぶと、ハッ!と何かに気づいた様子を見せた。
「……そうか!【生糸結界】か……!!」
【生糸結界】
術者と守護対象物を特殊な魔術の糸で結びつけ、その術者の体力値を共有する。
それにより術者の体力値に応じた結界を守護対象物に張る事ができ、術者の体力値が一定以下にまで低下しなければその結界は突破できない。
ただし、離れ過ぎれば効果を失ってしまう。
その正体を知り眉を寄せるアゼリアに、私はハァ~と心底呆れた様なため息をつく。
「やれやれ、何の対策なしに大事なモノを置いておくわけがないでしょう。これだから馬鹿は思考が浅すぎて嫌なんですよ。
いいですか?<聖浄結石>は【生糸結界】で繋がれているため、私に一定以上のダメージを与えなければ壊せないという事です。
そして私は、王都でも屈指の実力を持つ王宮騎士。
はい、意味が分かりますかぁ~?ぜ~つ~ぼ~う~し~ま~し~た~かぁぁ~??」
馬鹿でも分かる様に丁寧に説明してやったのだが、獣のガキとアゼリアはお互い目を合わせ二マァァ~と腹立たしい顔で笑い合う。
「なんだ、そんな事でいいのかよ。めんどくせぇ解除が必要なら面倒だったぜ~。」
「もう少し工夫をこらした方法にするべきだったな。」
「はぁ?これ以上ない程の完璧な方法だろう。一体何を言っているのですか?」
私に勝つつもりでいる浅はかで傲慢な邪神の遣い共に対し、思わずプッと吹き出してしまった。
そしてクスクスと笑いながら、私はアゼリアに視線を合わせる。
「貴族の血が入っているとは言え、所詮貴様は何処ぞやの汚らしい血の混ざりものだな。
大方娼婦崩れの女が、金目当てで当主を誘惑したのだろう。つまりお前は生まれながらの罪人な~ん~で~す~。
お前さえいなければレイモンド家は今頃幸せに暮らしていたはずなのに、なんて嘆かわしい事でしょう。
はぁぁぁ~…………私なら自分の存在を恥じて、とっくに自害していると思いますがね?
流石は汚らわしい混じり物!図太くて羨ましい!」
パチパチと拍手をしながら褒めてやると、獣のガキが「……っ!!テメェ!いい加減に──……。」と言いかけたが、アゼリアがそれを止めた。
当たり前だ。
私は『正しい』事しか言ってないのだから。
完全勝利を確信していた私は、余裕の笑みでアゼリアの様子を眺めていたが、何とアゼリアはプッ!!と吹き出し笑いだしたではないか!!
「……気でも狂ったか?汚らしい混じり物め。」
「────いや?意識は今までになくスッキリしているさ。
笑ってしまったのは、何故過去の私はこんな馬鹿げた言葉を鵜呑みにしていたのだろうと思ったからだ。
貴様は可哀想な男だな。もっと早くリーフ様に出会っていれば、そんな惨めな人生を送らずに済んだかもしれないのに……。」
「────はっ?」
『可哀想な男』
『惨めな人生』
その言葉が私の神経を逆なでし、ピキピキと額に蠢く血管が走っていく。
そんな私の様子を見て、アゼリアは更にフッと哀れみを込めた目で笑った。
「こちら側は目眩がするほど優しく幸せに満ちた世界だった。
私には自身をありのままに受け止めてくれる仲間達と、そこまで私を導いてくださったソフィア様とリーフ様がいる。
貴様には何もないではないか。
貴様が下位の者達を見下し使い捨てする様に、アイツらにとって貴様はただの使い捨ての道具にしか過ぎない。
『使い捨ての道具』それがその世界の最終地点だ。ご愁傷さま。」
憐憫と侮蔑を込めた眼差しを向けてくるアゼリアに血管はブチブチブチ~~!!!と切れていく。
怒りの感情のままに私は大声で怒鳴った。
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