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第三十章
(冒険者の男)990 欲望
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(冒険者の男)
確実にヒットしたはずの剣は空を切り、気がつけば真横にクソ司教が立っている。
い、いつの間にっ────?!!
焦って距離を取ろうとした俺の耳元でクソ司教はボソボソと囁く様に言った。
「さて、貴方がたに信仰の気持ちがないのは分かりました。
己の欲に忠実に生きる皆様の大切なモノは何ですか?やはり王道でいけばお金……ですかね?」
即座に距離をとった俺達の前で、ヨセフ司教はパチンッと指を弾く。
するとその瞬間ガラリと景色は変わり、眼の前には見上げるほどの金貨の山が現れた。
「……なっ……は、はぁ……??」
ギラギラと眩いばかりの黄金色を前に俺達の目は釘付けになり、口からは飲みきれなかった唾が流れ落ちる。
するとそんな俺達を見て、ヨセフ司教はクスクスと笑った。
「お金はいいですよねぇ?己の欲望を叶えるのに最も簡単で確実な手段だ。
では、このお金を使って叶えたい欲望はなんでしょうか?
一生かけても食い尽くせない豪華な食事?お酒?」
ヨセフ司教がもう一度パチンッと指を指を弾くと、金貨の山の前に見たこともない様な豪華な食事の数々と酒の噴水が現れる。
「あぁ、それともナイスバディな美しい女性でしょうか?」
またヨセフ司教が指を弾けば、今度現れたのは極上の女達だ。
女達は俺達に向かって投げキッスをしてきたので、それに誘われるまま歓声を上げるとそのまま走り寄っていったのだが────……耳にパチンッという音が聞こえた瞬間、今まで見えていたモノたちは全て消え、景色は大きな海が見える浜辺へと姿を変える。
「「「…………。」」」
呆気に取られる俺達のすぐ側で、砂浜に置かれたソファーにゆったりと座っているヨセフ司教を見つけた。
「お、おい……さっきの金と女は……?」
直ぐに仲間の一人がそう尋ねたが、ヨセフ司教は手に持つトロピカルジュースをごくごくと飲みながらマイペースにリラックスし始めた。
「まさか……幻影系スキルか…?」
その発言にほぼ全員が気を引き締めたが、仲間の一人が冷静にその場にしゃがみ込み足元の砂を触ると、ニヤリッと笑う。
「────いや、こいつぁ~幻影じゃねぇな。俺は幻影の耐性持ちだからよ、分かるんだ。
もしかしたらこいつのスキルは、頭の中の欲望を叶えるとか創作系の特殊スキルかもしれねぇな。」
「ま、まじかよ……そんな能力あり?……って事はこいつはその能力で司教までのし上がったって事か?
────ハハッ!な~るほどなぁ?こりゃ~俺達最強についてるぅぅ~!!」
「なるほど?じゃあ、こいつがいれば将来安泰じゃねぇか!手足を切って一生飼い殺し決定~!最高かよ!」
ギラギラと凶暴な光を灯した目でヨセフ司教を見る俺と仲間たち。
しかしそんな視線を受けてもなお、ヨセフ司教は平然とした様子で寛いでいた。
「おいっ!!お前を殺すのは止めてやるよ。
その代わりこれからは俺達のためだけにその能力を使え!分かったな?」
へっへっと興奮から荒くなる息を吐き出すと、ヨセフ司教は『はぁ~……。』と大きなため息をついた。
「全く……どうして貴方達の様な人のいうセリフって同じなんでしょうね~?何か教本の様なものでもあるんですか?
そもそも今お金が手に入っても、直ぐに向かう事になる『あちら』の世界には持っていけませんよ?
残念ながら、今まで築き上げてきた様々なモノ、それに体も感情もその全てを置いていかなければなりませんから。
『あちら』へ行けるのは、人の原始の部分……いわゆる魂と呼ばれるモノだけです。」
「────はっ?てめぇ、さっきから何を訳わかんねぇ事をごちゃごちゃ言ってやがるんだ。
いいからさっさと金と女!!酒、うめぇもん全部出せってんだよ!!」
痺れを切らしたらしい仲間の一人がドスドスと大きな足音を立ててヨセフ司教に近づき、拳を振り上げた……が────その拳はヨセフ司教に振り下ろされる事はなかった。
なぜならそいつの振り上げた手には……根本からその手がなかったからだ。
「────────は……???へ…へっ???」
自分の体の違和感にやっと気付いたのか拳を振り上げたつもりのその男が、フッと自身の失くなってしまった腕を見る。
するとそいつはそれが目に入った瞬間、ブワッ!!と汗を掻き「あ……う…うぅ……?」とうめき声の様な声を上げ、そして────……。
「ぎ……ぎぃぃぃやぁぁぁぁ────────────っ!!!!」
どうやら遅れてやってきた耐え難い激痛に悲鳴を上げた様で、そのまま地面に倒れ込み、無くなった腕の根本を抑えてゴロゴロと転がりまわった。
周りで余裕そうに見ていた仲間たちの間には一気に緊張が走り、即座に武器を抜き戦闘態勢になる。
確実にヒットしたはずの剣は空を切り、気がつけば真横にクソ司教が立っている。
い、いつの間にっ────?!!
焦って距離を取ろうとした俺の耳元でクソ司教はボソボソと囁く様に言った。
「さて、貴方がたに信仰の気持ちがないのは分かりました。
己の欲に忠実に生きる皆様の大切なモノは何ですか?やはり王道でいけばお金……ですかね?」
即座に距離をとった俺達の前で、ヨセフ司教はパチンッと指を弾く。
するとその瞬間ガラリと景色は変わり、眼の前には見上げるほどの金貨の山が現れた。
「……なっ……は、はぁ……??」
ギラギラと眩いばかりの黄金色を前に俺達の目は釘付けになり、口からは飲みきれなかった唾が流れ落ちる。
するとそんな俺達を見て、ヨセフ司教はクスクスと笑った。
「お金はいいですよねぇ?己の欲望を叶えるのに最も簡単で確実な手段だ。
では、このお金を使って叶えたい欲望はなんでしょうか?
一生かけても食い尽くせない豪華な食事?お酒?」
ヨセフ司教がもう一度パチンッと指を指を弾くと、金貨の山の前に見たこともない様な豪華な食事の数々と酒の噴水が現れる。
「あぁ、それともナイスバディな美しい女性でしょうか?」
またヨセフ司教が指を弾けば、今度現れたのは極上の女達だ。
女達は俺達に向かって投げキッスをしてきたので、それに誘われるまま歓声を上げるとそのまま走り寄っていったのだが────……耳にパチンッという音が聞こえた瞬間、今まで見えていたモノたちは全て消え、景色は大きな海が見える浜辺へと姿を変える。
「「「…………。」」」
呆気に取られる俺達のすぐ側で、砂浜に置かれたソファーにゆったりと座っているヨセフ司教を見つけた。
「お、おい……さっきの金と女は……?」
直ぐに仲間の一人がそう尋ねたが、ヨセフ司教は手に持つトロピカルジュースをごくごくと飲みながらマイペースにリラックスし始めた。
「まさか……幻影系スキルか…?」
その発言にほぼ全員が気を引き締めたが、仲間の一人が冷静にその場にしゃがみ込み足元の砂を触ると、ニヤリッと笑う。
「────いや、こいつぁ~幻影じゃねぇな。俺は幻影の耐性持ちだからよ、分かるんだ。
もしかしたらこいつのスキルは、頭の中の欲望を叶えるとか創作系の特殊スキルかもしれねぇな。」
「ま、まじかよ……そんな能力あり?……って事はこいつはその能力で司教までのし上がったって事か?
────ハハッ!な~るほどなぁ?こりゃ~俺達最強についてるぅぅ~!!」
「なるほど?じゃあ、こいつがいれば将来安泰じゃねぇか!手足を切って一生飼い殺し決定~!最高かよ!」
ギラギラと凶暴な光を灯した目でヨセフ司教を見る俺と仲間たち。
しかしそんな視線を受けてもなお、ヨセフ司教は平然とした様子で寛いでいた。
「おいっ!!お前を殺すのは止めてやるよ。
その代わりこれからは俺達のためだけにその能力を使え!分かったな?」
へっへっと興奮から荒くなる息を吐き出すと、ヨセフ司教は『はぁ~……。』と大きなため息をついた。
「全く……どうして貴方達の様な人のいうセリフって同じなんでしょうね~?何か教本の様なものでもあるんですか?
そもそも今お金が手に入っても、直ぐに向かう事になる『あちら』の世界には持っていけませんよ?
残念ながら、今まで築き上げてきた様々なモノ、それに体も感情もその全てを置いていかなければなりませんから。
『あちら』へ行けるのは、人の原始の部分……いわゆる魂と呼ばれるモノだけです。」
「────はっ?てめぇ、さっきから何を訳わかんねぇ事をごちゃごちゃ言ってやがるんだ。
いいからさっさと金と女!!酒、うめぇもん全部出せってんだよ!!」
痺れを切らしたらしい仲間の一人がドスドスと大きな足音を立ててヨセフ司教に近づき、拳を振り上げた……が────その拳はヨセフ司教に振り下ろされる事はなかった。
なぜならそいつの振り上げた手には……根本からその手がなかったからだ。
「────────は……???へ…へっ???」
自分の体の違和感にやっと気付いたのか拳を振り上げたつもりのその男が、フッと自身の失くなってしまった腕を見る。
するとそいつはそれが目に入った瞬間、ブワッ!!と汗を掻き「あ……う…うぅ……?」とうめき声の様な声を上げ、そして────……。
「ぎ……ぎぃぃぃやぁぁぁぁ────────────っ!!!!」
どうやら遅れてやってきた耐え難い激痛に悲鳴を上げた様で、そのまま地面に倒れ込み、無くなった腕の根本を抑えてゴロゴロと転がりまわった。
周りで余裕そうに見ていた仲間たちの間には一気に緊張が走り、即座に武器を抜き戦闘態勢になる。
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