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第三十三章
1062 感動……
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( マリオン )
「 前衛盾組!各班はこれより破壊された壁を守ります!! 」
「 前衛攻撃班はそれに続き、敵を撃破せよ!! 」
「 後衛魔法班、これより配置につきます。 」
「 サポート班は、各班に均等に配置します! 」
次々と交わされる情報と、無駄のない動き。
一瞬で状況を把握し動けるのは相当な実力を持っているからだ。
こいつらは────!
あっという間に走っていった沢山の背中達を見つめポカンッとしていると、フリックがニコニコしながら説明をする。
「 皆さん誰が何を言うまでもなく、全員グリモアに戻ってきたみたいです。
なかなか圧巻の光景でしたよ。
これは……本当に凄い事です。 」
フリックの言った言葉にルナリーとローリンも頷き、二人はキャッキャッ!と嬉しそうにはしゃぐ。
モルトとニールは戻ってきた高位貴族達に思う事があったのか、じわっと涙を滲ませそれを必死に拭っていた。
「 ────何故皆戻ってきたんだ……。
そのまま逃げ出せば安全で幸せな生活を続けられるというのに……。 」
「 せっかく脱出したのに大馬鹿っす!
高位貴族のくせに最前線に来るなんて聞いたことないっすよ……。 」
ぐすぐすと鼻を鳴らすモルトとニールを横に俺は「 馬鹿な奴らめ……。 」とそっけなく言ったが、心の中にはかつてない感動があった。
脱出したのはほぼ全てがエドワード派閥。
勿論それに逆らう事が何を意味しているのか貴族の子であるなら知っているはず。
俺は自分の家の事、そして今まで出会ってきた貴族の子らの事を想う。
” 権力 ” という最強の道具を手放す勇気、失う恐怖。
その葛藤は並外れたモノではないというのに、それでも戻ろうとするのは────それ以上に失いたくないモノがココにあるからだ。
自分にもその気持ちを当てはめ、コンッと胸を軽く叩く。
不思議なものだ。
リーフ様、貴方は一体どんな世界を俺達に見せてくれるのですか?
そう考えると、こんな酷い戦場すらもワクワクと胸が踊りだす。
進みたい道を遮る全てのモノをあっさりとぶっ飛ばして、自分が本当に選びたい未来へ進ませてくれる。
そんな未来の先には一体何があるのだろう。
皆きっとそれが見たいんだ。
真っ黒な空から光が見えた気がして、そのまま ” 絶望 ” で覆われた空を見た。
踊りながら陽気に進むリーフ様。
その後ろをやはり踊りながら楽しくついていく沢山の人たちは、今まで見たことがない様な世界へと連れて行かれる……いや、自分の足で向かうのだ。
そこが一体どんな世界なのか?
全ての欲望が叶う幸せを具現化した今より良い場所なのか?
それが分からないというのに、全員が ” 権力 ” という最強の道具を手放してまで飛び出すなどまさに奇跡だ。
そんな奇跡を体験してしまった事、そしてその奇跡の一部になってしまった事に愉快を感じ、フッと笑ってしまった。
まぁ、その奇跡を起こした張本人は、きっとそれに気づいてないだろうが……。
いつものトンチンカンな会話の内容を思い出し、そのままクックッと笑う俺を不思議そうに見つめてくるフリック達に更に愉快がこみ上げる。
本人に自覚があろうがなかろうが、俺にとってリーフ様は永遠の憧れ、最も尊敬しているヒーローだ。
改めてその大事な想いを心にしっかりとしまうと、気合を入れて倒すべくモンスターを睨みつけたその時────1匹の伝電鳥がピュ──ッと飛んできて、伝言をその場に伝えた。
《 は────っはっはっ!!
我が名は辺境伯ライロンド家次期当主、マービン様だっ!! 》
《 この俺様が最高の指示を出してやるから全員死ぬ気で各所を守れよ!
そうじゃないと──── 》
《 俺がお尻を叩かれるんだからなっ!! 》
ニッコリ笑顔のままその伝言を聞くフリック達とモルトとニール。
俺はスンッ…!と先程まで盛り上がっていた気持ちの全てがしぼんでいくのを感じた。
「 ……感動台無しだよ~。 」
顔を覆い恥ずかしそうにするローリンにルナリーが気遣う様に背中を擦る。
すると引きつっていた口元をグニグニ揉みながらニールが言った。
「 皆、リーフ様にお尻を叩かれたくないだけっす~……。
ここで逃げたら連帯責任で全員アンハッピー・セットだから……。 」
” アンハッピー・セット ”
その言葉に俺以外の全員がブッ!!!と吹き出し、そのままピクピクと震えながら笑いに耐える。
アンハッピー・セットとはどこぞやの平民が言い出した言葉で、要は悪いことをした貴族がリーフ様に説教とお尻叩きのセットを御見舞される事を言うらしい。
しかもそれを高みの見物していた仲間も、すぐに捕まって連帯責任をとらされるため、全員それを喰らわない様に必死に努力しているとも聞く。
思わぬ事を思い出し、気が抜けてしまったが、突然空いっぱいに現れた< シャドー・コンバット >によって全員、気を引き締めた。
< シャドー・コンバット >
体長1m程のコウモリ型Dランクモンスター
夜行性で闇に紛れての奇襲攻撃を得意とするモンスターで気配遮断の能力を持つ。
更にスピードも早いため気がつけばパーティー全滅する事もあるため ” 夜の暗殺者 ” とも呼ばれている
「 前衛盾組!各班はこれより破壊された壁を守ります!! 」
「 前衛攻撃班はそれに続き、敵を撃破せよ!! 」
「 後衛魔法班、これより配置につきます。 」
「 サポート班は、各班に均等に配置します! 」
次々と交わされる情報と、無駄のない動き。
一瞬で状況を把握し動けるのは相当な実力を持っているからだ。
こいつらは────!
あっという間に走っていった沢山の背中達を見つめポカンッとしていると、フリックがニコニコしながら説明をする。
「 皆さん誰が何を言うまでもなく、全員グリモアに戻ってきたみたいです。
なかなか圧巻の光景でしたよ。
これは……本当に凄い事です。 」
フリックの言った言葉にルナリーとローリンも頷き、二人はキャッキャッ!と嬉しそうにはしゃぐ。
モルトとニールは戻ってきた高位貴族達に思う事があったのか、じわっと涙を滲ませそれを必死に拭っていた。
「 ────何故皆戻ってきたんだ……。
そのまま逃げ出せば安全で幸せな生活を続けられるというのに……。 」
「 せっかく脱出したのに大馬鹿っす!
高位貴族のくせに最前線に来るなんて聞いたことないっすよ……。 」
ぐすぐすと鼻を鳴らすモルトとニールを横に俺は「 馬鹿な奴らめ……。 」とそっけなく言ったが、心の中にはかつてない感動があった。
脱出したのはほぼ全てがエドワード派閥。
勿論それに逆らう事が何を意味しているのか貴族の子であるなら知っているはず。
俺は自分の家の事、そして今まで出会ってきた貴族の子らの事を想う。
” 権力 ” という最強の道具を手放す勇気、失う恐怖。
その葛藤は並外れたモノではないというのに、それでも戻ろうとするのは────それ以上に失いたくないモノがココにあるからだ。
自分にもその気持ちを当てはめ、コンッと胸を軽く叩く。
不思議なものだ。
リーフ様、貴方は一体どんな世界を俺達に見せてくれるのですか?
そう考えると、こんな酷い戦場すらもワクワクと胸が踊りだす。
進みたい道を遮る全てのモノをあっさりとぶっ飛ばして、自分が本当に選びたい未来へ進ませてくれる。
そんな未来の先には一体何があるのだろう。
皆きっとそれが見たいんだ。
真っ黒な空から光が見えた気がして、そのまま ” 絶望 ” で覆われた空を見た。
踊りながら陽気に進むリーフ様。
その後ろをやはり踊りながら楽しくついていく沢山の人たちは、今まで見たことがない様な世界へと連れて行かれる……いや、自分の足で向かうのだ。
そこが一体どんな世界なのか?
全ての欲望が叶う幸せを具現化した今より良い場所なのか?
それが分からないというのに、全員が ” 権力 ” という最強の道具を手放してまで飛び出すなどまさに奇跡だ。
そんな奇跡を体験してしまった事、そしてその奇跡の一部になってしまった事に愉快を感じ、フッと笑ってしまった。
まぁ、その奇跡を起こした張本人は、きっとそれに気づいてないだろうが……。
いつものトンチンカンな会話の内容を思い出し、そのままクックッと笑う俺を不思議そうに見つめてくるフリック達に更に愉快がこみ上げる。
本人に自覚があろうがなかろうが、俺にとってリーフ様は永遠の憧れ、最も尊敬しているヒーローだ。
改めてその大事な想いを心にしっかりとしまうと、気合を入れて倒すべくモンスターを睨みつけたその時────1匹の伝電鳥がピュ──ッと飛んできて、伝言をその場に伝えた。
《 は────っはっはっ!!
我が名は辺境伯ライロンド家次期当主、マービン様だっ!! 》
《 この俺様が最高の指示を出してやるから全員死ぬ気で各所を守れよ!
そうじゃないと──── 》
《 俺がお尻を叩かれるんだからなっ!! 》
ニッコリ笑顔のままその伝言を聞くフリック達とモルトとニール。
俺はスンッ…!と先程まで盛り上がっていた気持ちの全てがしぼんでいくのを感じた。
「 ……感動台無しだよ~。 」
顔を覆い恥ずかしそうにするローリンにルナリーが気遣う様に背中を擦る。
すると引きつっていた口元をグニグニ揉みながらニールが言った。
「 皆、リーフ様にお尻を叩かれたくないだけっす~……。
ここで逃げたら連帯責任で全員アンハッピー・セットだから……。 」
” アンハッピー・セット ”
その言葉に俺以外の全員がブッ!!!と吹き出し、そのままピクピクと震えながら笑いに耐える。
アンハッピー・セットとはどこぞやの平民が言い出した言葉で、要は悪いことをした貴族がリーフ様に説教とお尻叩きのセットを御見舞される事を言うらしい。
しかもそれを高みの見物していた仲間も、すぐに捕まって連帯責任をとらされるため、全員それを喰らわない様に必死に努力しているとも聞く。
思わぬ事を思い出し、気が抜けてしまったが、突然空いっぱいに現れた< シャドー・コンバット >によって全員、気を引き締めた。
< シャドー・コンバット >
体長1m程のコウモリ型Dランクモンスター
夜行性で闇に紛れての奇襲攻撃を得意とするモンスターで気配遮断の能力を持つ。
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