1,083 / 1,649
第三十三章
1067 ヒーロー
しおりを挟む
─────ゾッ……!
わかりやすい ” 食欲 ” という欲望をぶつけられ、背筋が凍りついたその時、突然笑っているダーク・ツリー・フェイスの周辺に大きめな魔法陣がいくつも現れた。
《 ダーク・ツリー・フェイス召喚陣展開!!
何らかのモンスターを召喚します!! 》
《 ────くっ!!まさかモンスターがモンスターを召喚するだとっ!?? 》
父様が舌打ちをしながらそう叫んだ直後、その魔法陣から続々とモンスター達が姿を現す。
「 う……嘘…あのモンスター達は……! 」
ローリンは、ブルブル震える指でその現れたモンスター達を指差す。
ギシギシと軋む音と共に動く手の様な枝。
巨大な木の胴体には巨大な口がついている。
【 Aランクモンスター 】
< マジシャンズ・ウッド >!
以前リーフ様の指示の元、一年生総出で倒したAランクモンスター!
それがうじゃうじゃと……しかも複数体一気に召喚された。
「 同じ召喚系能力を持つ者として、本来なら師匠になってもらいたいくらいですね。 」
フリックが笑顔で軽口を叩くが、その笑顔は引きつっている。
《 Aランクモンスター< マジシャンズ・ウッド >!
多数出現!!後衛班は遠距離攻撃に注意せよ!! 》
解析班からの伝達を聞きながら、学院で戦った時のこいつらの強さを思い出し、汗を掻く。
「 単体でもかなり厄介だというのに……それがSランクと一緒になど考えたくもないな……。 」
思わず悪態気味にそう吐き出すと、母様の操る飛行魔道具が一斉に火属性の魔法を打ち出しマジシャンズ・ウッドに当てるが、連携を駆使しそれを防いでくる。
《 ─────!!モンスターのくせに連携してくるわ!
……そうかっ!あのSランクモンスターが指示を出しているのね! 》
( ユニーク個体名 ) 【 生と死の古災樹 】
( モンスター資質 ) 【 魔導樹 】
( 先天スキル )
< 同種の絆 >
木系の種族なら何でも召喚できる召喚系スキル
更に召喚した自分の現ステータスが高ければ高い程その能力値を自在に強化する事ができる
( 先天スキル )
< 単一思念 >
自身がそのフィールドにいる限り、ずっと発動し続ける先天パッシブスキル。
召喚したモンスター達に絶えず司令を与え続け、一個体の思念を植え付けて意のままに操る事ができる
そのため普段人型種特有であるとされている連携やチームワークをとる事が可能となり、数が多ければ多いほどその強さはUPする
「 連携までしてくるとは……そんなの聞いたことがない。 」
《 元々人の手に余るモンスターを総じてSランクと呼んでいるのだから、これくらいは想定内であると言えよう。
しかし、このままでは不味いぞ。 》
俺も父様もこのままでは不味いと思ったが、俺達も周りもとりあえずは襲い来るマジシャンズ・ウッドのお相手をするしかなく、そんな俺達の戦いを後ろの方で見物しているSランクモンスターを睨みつけた。
ヤツはこの戦いを楽しんでいる様で、今度はキャッ!キャッ!と無邪気な赤ん坊の声で笑っている。
< マジシャンズ・ウッド >からの猛攻撃をこちらも負けじと迎え撃ち、激しい戦闘が開始したが、何とやっと倒しても、< ダーク・ツリー・フェイス >が新たなモンスターを召喚してくるためきりがない。
流れ出る汗をピッ!と乱暴に拭き取ると、ゼィゼィと息を乱し始めたフリック達を見て、俺は静かに話しかけた。
「 お前たち、今からでも遅くはない。ここから離脱して王都へ避難しろ。
一度戻ってきただけでも十分忠義を果たした。
後はスタンティン家と他の貴族の私兵達に任せて───── 」
「 マリオン様、僕を見くびらないで下さいよ。 」
フリックが俺の話を遮り、やれやれと大きなため息をつく。
そして驚き目を僅かに見開いた俺に向かって、困った様に笑った。
「 マリオン様と出会ったのは小学院に通う前でしたね。
自分と同じ年齢なのに、必死に貴族としての責任と義務を果たそうとするマリオン様を見て……僕は憧れと尊敬の念を抱きました。
貴族というものに日々不満と怒りで一杯だった僕にとってその姿は、自分の見ている世界の狭さに気づくキッカケになったんです。
貴方は僕にとってヒーローだ。
だからついていきます。どこまでも。 」
そう言い切ったフリックに言葉を失っていると、そんなフリックをロダンとルナリー、ローリンがバシバシっと叩く。
「 くそ~またフリックに先を越されちまったか……俺もフリックと同じ気持ちです。
【 護衛騎士団 】をただ消費するモノとして見ている者達が多い中、マリオン様は決して軽視せず、酷い事を言う他の商会の奴らを完膚なきまでに叩き潰してくれました。
その姿は─────俺の思い描くヒーローでした。
俺の心はその時から変わりません。何処までもお供いたします。 」
「 私だってそうですよ~。
他国に媚を売る汚い偽物貴族って言われていた時、見事な嫌味返しで華麗に叩き潰してくれたマリオン様に心を撃ち抜かれてしまいました。
あの時から私にとってもマリオン様はヒーローです。
だからどこまでもついていきます。私、実は凄く粘着質なので、絶対離れませんよ。 」
「 はいは~い!私だってチビとか鉄臭いとか泥まみれドワーフだとかずっと虐められてて、毎日悲しくて悲しくて何度も体を洗ってました。
でもそんな時マリオン様が───── ” 今日からこのマリオンの役に立て ” って言ってくれて……強引にそこから引っ張り出してくれました。
私はもうあそこに帰りたくない。
そこから助けてくれたマリオン様は私の永遠のヒーローなんです。
だから死ぬ時は一緒ですよ~! 」
わかりやすい ” 食欲 ” という欲望をぶつけられ、背筋が凍りついたその時、突然笑っているダーク・ツリー・フェイスの周辺に大きめな魔法陣がいくつも現れた。
《 ダーク・ツリー・フェイス召喚陣展開!!
何らかのモンスターを召喚します!! 》
《 ────くっ!!まさかモンスターがモンスターを召喚するだとっ!?? 》
父様が舌打ちをしながらそう叫んだ直後、その魔法陣から続々とモンスター達が姿を現す。
「 う……嘘…あのモンスター達は……! 」
ローリンは、ブルブル震える指でその現れたモンスター達を指差す。
ギシギシと軋む音と共に動く手の様な枝。
巨大な木の胴体には巨大な口がついている。
【 Aランクモンスター 】
< マジシャンズ・ウッド >!
以前リーフ様の指示の元、一年生総出で倒したAランクモンスター!
それがうじゃうじゃと……しかも複数体一気に召喚された。
「 同じ召喚系能力を持つ者として、本来なら師匠になってもらいたいくらいですね。 」
フリックが笑顔で軽口を叩くが、その笑顔は引きつっている。
《 Aランクモンスター< マジシャンズ・ウッド >!
多数出現!!後衛班は遠距離攻撃に注意せよ!! 》
解析班からの伝達を聞きながら、学院で戦った時のこいつらの強さを思い出し、汗を掻く。
「 単体でもかなり厄介だというのに……それがSランクと一緒になど考えたくもないな……。 」
思わず悪態気味にそう吐き出すと、母様の操る飛行魔道具が一斉に火属性の魔法を打ち出しマジシャンズ・ウッドに当てるが、連携を駆使しそれを防いでくる。
《 ─────!!モンスターのくせに連携してくるわ!
……そうかっ!あのSランクモンスターが指示を出しているのね! 》
( ユニーク個体名 ) 【 生と死の古災樹 】
( モンスター資質 ) 【 魔導樹 】
( 先天スキル )
< 同種の絆 >
木系の種族なら何でも召喚できる召喚系スキル
更に召喚した自分の現ステータスが高ければ高い程その能力値を自在に強化する事ができる
( 先天スキル )
< 単一思念 >
自身がそのフィールドにいる限り、ずっと発動し続ける先天パッシブスキル。
召喚したモンスター達に絶えず司令を与え続け、一個体の思念を植え付けて意のままに操る事ができる
そのため普段人型種特有であるとされている連携やチームワークをとる事が可能となり、数が多ければ多いほどその強さはUPする
「 連携までしてくるとは……そんなの聞いたことがない。 」
《 元々人の手に余るモンスターを総じてSランクと呼んでいるのだから、これくらいは想定内であると言えよう。
しかし、このままでは不味いぞ。 》
俺も父様もこのままでは不味いと思ったが、俺達も周りもとりあえずは襲い来るマジシャンズ・ウッドのお相手をするしかなく、そんな俺達の戦いを後ろの方で見物しているSランクモンスターを睨みつけた。
ヤツはこの戦いを楽しんでいる様で、今度はキャッ!キャッ!と無邪気な赤ん坊の声で笑っている。
< マジシャンズ・ウッド >からの猛攻撃をこちらも負けじと迎え撃ち、激しい戦闘が開始したが、何とやっと倒しても、< ダーク・ツリー・フェイス >が新たなモンスターを召喚してくるためきりがない。
流れ出る汗をピッ!と乱暴に拭き取ると、ゼィゼィと息を乱し始めたフリック達を見て、俺は静かに話しかけた。
「 お前たち、今からでも遅くはない。ここから離脱して王都へ避難しろ。
一度戻ってきただけでも十分忠義を果たした。
後はスタンティン家と他の貴族の私兵達に任せて───── 」
「 マリオン様、僕を見くびらないで下さいよ。 」
フリックが俺の話を遮り、やれやれと大きなため息をつく。
そして驚き目を僅かに見開いた俺に向かって、困った様に笑った。
「 マリオン様と出会ったのは小学院に通う前でしたね。
自分と同じ年齢なのに、必死に貴族としての責任と義務を果たそうとするマリオン様を見て……僕は憧れと尊敬の念を抱きました。
貴族というものに日々不満と怒りで一杯だった僕にとってその姿は、自分の見ている世界の狭さに気づくキッカケになったんです。
貴方は僕にとってヒーローだ。
だからついていきます。どこまでも。 」
そう言い切ったフリックに言葉を失っていると、そんなフリックをロダンとルナリー、ローリンがバシバシっと叩く。
「 くそ~またフリックに先を越されちまったか……俺もフリックと同じ気持ちです。
【 護衛騎士団 】をただ消費するモノとして見ている者達が多い中、マリオン様は決して軽視せず、酷い事を言う他の商会の奴らを完膚なきまでに叩き潰してくれました。
その姿は─────俺の思い描くヒーローでした。
俺の心はその時から変わりません。何処までもお供いたします。 」
「 私だってそうですよ~。
他国に媚を売る汚い偽物貴族って言われていた時、見事な嫌味返しで華麗に叩き潰してくれたマリオン様に心を撃ち抜かれてしまいました。
あの時から私にとってもマリオン様はヒーローです。
だからどこまでもついていきます。私、実は凄く粘着質なので、絶対離れませんよ。 」
「 はいは~い!私だってチビとか鉄臭いとか泥まみれドワーフだとかずっと虐められてて、毎日悲しくて悲しくて何度も体を洗ってました。
でもそんな時マリオン様が───── ” 今日からこのマリオンの役に立て ” って言ってくれて……強引にそこから引っ張り出してくれました。
私はもうあそこに帰りたくない。
そこから助けてくれたマリオン様は私の永遠のヒーローなんです。
だから死ぬ時は一緒ですよ~! 」
249
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
無能と呼ばれた婚約者は王を完成させる〜替え玉婚約者のはずが、強すぎる王太子に手放してもらえません〜
統子
BL
兄の身代わりとして王太子の婚約者になった伯爵家次男リュシー。
嘘の名を名乗ったはずが、冷静で誠実な王太子リオンは彼を「力の装置」としてではなく、対等な伴侶として扱おうとする。
本物になりたいと願う替え玉と、完成された王太子の静謐な王宮ロマンス。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる