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第三十三章
1071 目指す場所は同じ
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( マリオン )
《 レ…イブン…… 》
「 レイブン兄様……? 」
日に焼けた肌に、ボソボソした固そうな橙黄色の髪の毛が無造作にピンピンと跳ねて、そんな何処にでもいそうな平民のスタンダードスタイルをした兄様。
出ていった時の色白さや、しっかり切りそろえたサラサラストレートヘアーは微塵も残っておらず、しかし残る面影は父様と俺にその人物が兄様であると教えてくれた。
「 ……久しぶりだな。マリオン…父さん…。
────いや、お久しぶりです。マリオン様、オルガノ様。 」
気まずそうに鼻を掻きながらそう言い直したレイブン兄様を見て、とりあえず俺は直ぐに兄様に駆け寄り────────そのまま顔を思い切り殴りつけてやった。
「 へぶぅっ!!!! 」
兄様はそのまま大きく吹き飛び、痛みに呻きながら俺に向かって叫ぶ。
「 い、いてぇぇぇっ!!!!
な、なにすんだ!!マリオン!!────じゃなかったマリオン様っ!! 」
「 うるさい!平民風情が気安く呼ぶなっ!
勝手に出ていった愚か者は、一発殴っていいってリーフ様が言っていたから殴った。
何か文句あるのか?平民。 」
ハッと鼻で笑ってやると、レイブン兄様は困った様に頭を掻いた。
「 あ────……うん、そうだよなぁ……。
お前にはその権利がある。 」
レイブン兄様はボソボソと呟いた後、直ぐに立ち上がり、俺に向かって跪く。
「 お前…じゃなくて、マリオン様に全てを押し付けて出ていってしまい申し訳ありませんでした。
俺は……ずっと後悔して生きてきました。
ですのでどうかこの戦い、安価と実用性重視の魔道具店『 フリーバード 』のこのレイブンも参加させて下さい。
スタンティン家のため、お役にたってみせましょう! 」
《 レイブン……? 》
いつのまにか母様の操る飛行型魔道具もこちらへ近づいてきて、呆然とした様子で兄様の名前を呟いた。
兄様はピクリと肩を動かし固まり、そのままシーン……と一瞬の沈黙が降りたが────それを破ったのは父様と母様であった。
《 ……ふんっ、平民の野良魔道具使いか。
どうりでデザインにセンスがないわけだ! 》
《 品がないデザインだこと!これでは貴族には見向きもされないデザインね! 》
暴言を突然浴びてピクピク!と兄様の肩が震えたが、父様と母様は構わず続けて言った。
《 ……しかし機動力は悪くない。 》
《 ……まぁ実用性はあるかもしれませんわね。
戦闘に関してだけは役に立つでしょう。 》
ブチブチ、ボソボソとそう言った二人は最後に怒鳴る様に叫ぶ。
あくまで平民としてだがな( ですけど )!!
そんな捨て台詞を吐いた後、直ぐに激化しているダーク・ツリー・フェイスとの戦いに参戦するため、ピュピュー!と飛んで行ってしまった。
兄様は頭を下げたままブルブル震えた後、袖でグイッと目元を拭きやっと顔を上げる。
すると、まるでタイミングを図ったかの様に翼の魔道具をつけた三人の人物達が降りてきて、俺に向かって跪いた。
「 『 フリーバード 』のレイブンの創った、主に貧民層を守護対象とした民間魔道具兵団──
【 レジェンド・ウィング 】
これよりレイブンの命によりこの戦いに参戦致します。 」
「 俺達メンバーは全員レイブンに大恩があります。
ですので、スタンティン家の皆様のためにお役にたってみせますよ! 」
「 レイブン泣いてる~。良かったね、家族にもう一度会えてさ! 」
三人はその後立ち上がると、兄様の背中をバシバシと叩く。
「「「 ” レジェンドは権力で動くべからず!自分の心の思うがままに! ”
この戦い絶対勝ちましょう! 」」」
そう言って三人の翼を持った人物達は空に帰っていった。
兄様は恥ずかしそうに頭から湯気を出しながら、その三人を睨みつけたが、口元は緩んでいる。
「 あいつら全員、家のためにこっそり身売りしたり捨てられた奴らでさ……。
この世界には、そんな奴らが本当に沢山いるんだ。
だから俺は、ずっとそんな奴らのために何かしたいと思ってた。 」
兄様は自分の背中に生えた翼型魔道具をソッと触り、俺の方へ視線を向けた。
「 これは俺のオリジナル魔道具【 ウィンディルズ 】
戦闘経験値や自分の感情と共に進化し、独自の能力を獲得できる成長する魔道具です。 」
<魔術技工師の資質>(ユニーク固有スキル)
< 想像王手 >
自分の見てきた様々な人生の形から、世界でたった一つのオリジナル魔道具を創り出す事のできる創作系スキル
魔力、魔力操作が高い程緻密で高性能な魔道具が、そして見てきた人生の数と、それに関わった経験値が多い程、強く複雑な魔道具が出来上がる
関わった存在が多い程、その魔道具に ‘ 個性 ‘ が現れ、術者と共に進化していく
( 進化型魔道具 )
(発現条件)
一定以上の魔力、魔力操作、様々な人生の形を見る事、またそれに関わった経験値、魔道具の知識、器用さ、ひたむきさ、努力値を持つ事
一定回数以上魔道具の作製に成功する事
説明を終えると、兄様の背中の魔道具【 ウィンディルズ 】は翼の形から巨大な人の手に変わり、それを見たフリック達がおお~!!と興奮したような声を上げる。
” 成長する魔道具 ”
それは制作者と共にその能力を進化させていく、いわば魔道具の最終終着点である。
そこに到達できる者はごく僅か。
それを知っている兄様は俺の創り出したゼロを見て、嬉しそうに笑った。
「 結局目指す場所は一緒だった。
今なら父さ…オルガノ様の言っていた事もよく分かる様になりました。
俺は馬鹿だから外に出て、初めて守り方ってもんは一つじゃない事を学んだんです。
……どんなに離れていても、目指す場所が同じならどこかで繋がっているかもって……そう思ってここまで来れました。 」
またグイッ!と目元を拭いた兄様は、突然腕を組み魔法を周囲に連続して打ち出しているダーク・ツリー・フェイスに向かって指を差す。
「 Sランクモンスター< ダーク・ツリー・フェイス >!
相手にとって不足なし!
強敵だが、生物である以上いつか魔力は尽きるはず!
【 レジェンド・ウィング 】全力でいくぞ────!! 」
「「「「 おおぉぉぉぉぉ────────!!! 」」」」
勇ましい声と共に空から一斉に声が聞こえ、兄様はそのまま巨大な腕を振り上げ前線へと走っていった。
俺はその背中をぼんやりと見つめながら、こんな絶望的な状況の中駆けつけてくれた兄様の想いを知る。
どんなに離れていても、兄様は俺達と家族と同じ場所を目指して走っていた。
《 レ…イブン…… 》
「 レイブン兄様……? 」
日に焼けた肌に、ボソボソした固そうな橙黄色の髪の毛が無造作にピンピンと跳ねて、そんな何処にでもいそうな平民のスタンダードスタイルをした兄様。
出ていった時の色白さや、しっかり切りそろえたサラサラストレートヘアーは微塵も残っておらず、しかし残る面影は父様と俺にその人物が兄様であると教えてくれた。
「 ……久しぶりだな。マリオン…父さん…。
────いや、お久しぶりです。マリオン様、オルガノ様。 」
気まずそうに鼻を掻きながらそう言い直したレイブン兄様を見て、とりあえず俺は直ぐに兄様に駆け寄り────────そのまま顔を思い切り殴りつけてやった。
「 へぶぅっ!!!! 」
兄様はそのまま大きく吹き飛び、痛みに呻きながら俺に向かって叫ぶ。
「 い、いてぇぇぇっ!!!!
な、なにすんだ!!マリオン!!────じゃなかったマリオン様っ!! 」
「 うるさい!平民風情が気安く呼ぶなっ!
勝手に出ていった愚か者は、一発殴っていいってリーフ様が言っていたから殴った。
何か文句あるのか?平民。 」
ハッと鼻で笑ってやると、レイブン兄様は困った様に頭を掻いた。
「 あ────……うん、そうだよなぁ……。
お前にはその権利がある。 」
レイブン兄様はボソボソと呟いた後、直ぐに立ち上がり、俺に向かって跪く。
「 お前…じゃなくて、マリオン様に全てを押し付けて出ていってしまい申し訳ありませんでした。
俺は……ずっと後悔して生きてきました。
ですのでどうかこの戦い、安価と実用性重視の魔道具店『 フリーバード 』のこのレイブンも参加させて下さい。
スタンティン家のため、お役にたってみせましょう! 」
《 レイブン……? 》
いつのまにか母様の操る飛行型魔道具もこちらへ近づいてきて、呆然とした様子で兄様の名前を呟いた。
兄様はピクリと肩を動かし固まり、そのままシーン……と一瞬の沈黙が降りたが────それを破ったのは父様と母様であった。
《 ……ふんっ、平民の野良魔道具使いか。
どうりでデザインにセンスがないわけだ! 》
《 品がないデザインだこと!これでは貴族には見向きもされないデザインね! 》
暴言を突然浴びてピクピク!と兄様の肩が震えたが、父様と母様は構わず続けて言った。
《 ……しかし機動力は悪くない。 》
《 ……まぁ実用性はあるかもしれませんわね。
戦闘に関してだけは役に立つでしょう。 》
ブチブチ、ボソボソとそう言った二人は最後に怒鳴る様に叫ぶ。
あくまで平民としてだがな( ですけど )!!
そんな捨て台詞を吐いた後、直ぐに激化しているダーク・ツリー・フェイスとの戦いに参戦するため、ピュピュー!と飛んで行ってしまった。
兄様は頭を下げたままブルブル震えた後、袖でグイッと目元を拭きやっと顔を上げる。
すると、まるでタイミングを図ったかの様に翼の魔道具をつけた三人の人物達が降りてきて、俺に向かって跪いた。
「 『 フリーバード 』のレイブンの創った、主に貧民層を守護対象とした民間魔道具兵団──
【 レジェンド・ウィング 】
これよりレイブンの命によりこの戦いに参戦致します。 」
「 俺達メンバーは全員レイブンに大恩があります。
ですので、スタンティン家の皆様のためにお役にたってみせますよ! 」
「 レイブン泣いてる~。良かったね、家族にもう一度会えてさ! 」
三人はその後立ち上がると、兄様の背中をバシバシと叩く。
「「「 ” レジェンドは権力で動くべからず!自分の心の思うがままに! ”
この戦い絶対勝ちましょう! 」」」
そう言って三人の翼を持った人物達は空に帰っていった。
兄様は恥ずかしそうに頭から湯気を出しながら、その三人を睨みつけたが、口元は緩んでいる。
「 あいつら全員、家のためにこっそり身売りしたり捨てられた奴らでさ……。
この世界には、そんな奴らが本当に沢山いるんだ。
だから俺は、ずっとそんな奴らのために何かしたいと思ってた。 」
兄様は自分の背中に生えた翼型魔道具をソッと触り、俺の方へ視線を向けた。
「 これは俺のオリジナル魔道具【 ウィンディルズ 】
戦闘経験値や自分の感情と共に進化し、独自の能力を獲得できる成長する魔道具です。 」
<魔術技工師の資質>(ユニーク固有スキル)
< 想像王手 >
自分の見てきた様々な人生の形から、世界でたった一つのオリジナル魔道具を創り出す事のできる創作系スキル
魔力、魔力操作が高い程緻密で高性能な魔道具が、そして見てきた人生の数と、それに関わった経験値が多い程、強く複雑な魔道具が出来上がる
関わった存在が多い程、その魔道具に ‘ 個性 ‘ が現れ、術者と共に進化していく
( 進化型魔道具 )
(発現条件)
一定以上の魔力、魔力操作、様々な人生の形を見る事、またそれに関わった経験値、魔道具の知識、器用さ、ひたむきさ、努力値を持つ事
一定回数以上魔道具の作製に成功する事
説明を終えると、兄様の背中の魔道具【 ウィンディルズ 】は翼の形から巨大な人の手に変わり、それを見たフリック達がおお~!!と興奮したような声を上げる。
” 成長する魔道具 ”
それは制作者と共にその能力を進化させていく、いわば魔道具の最終終着点である。
そこに到達できる者はごく僅か。
それを知っている兄様は俺の創り出したゼロを見て、嬉しそうに笑った。
「 結局目指す場所は一緒だった。
今なら父さ…オルガノ様の言っていた事もよく分かる様になりました。
俺は馬鹿だから外に出て、初めて守り方ってもんは一つじゃない事を学んだんです。
……どんなに離れていても、目指す場所が同じならどこかで繋がっているかもって……そう思ってここまで来れました。 」
またグイッ!と目元を拭いた兄様は、突然腕を組み魔法を周囲に連続して打ち出しているダーク・ツリー・フェイスに向かって指を差す。
「 Sランクモンスター< ダーク・ツリー・フェイス >!
相手にとって不足なし!
強敵だが、生物である以上いつか魔力は尽きるはず!
【 レジェンド・ウィング 】全力でいくぞ────!! 」
「「「「 おおぉぉぉぉぉ────────!!! 」」」」
勇ましい声と共に空から一斉に声が聞こえ、兄様はそのまま巨大な腕を振り上げ前線へと走っていった。
俺はその背中をぼんやりと見つめながら、こんな絶望的な状況の中駆けつけてくれた兄様の想いを知る。
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