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第三十五章
1129 もう戻りたくない
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( マービン )
「 俺もグリムと同じです。
自分よりもずっと可哀想なヤツがいると心を慰めてきました。
女性を口説くのだって、こんな情けない俺を受け入れてくれる人がいるんだって思いたかっただけでした。
勿論そんな空っぽな理由など彼女達には全てお見通しで、暇つぶしの都合のいい財布扱いしかしてもらえず、飽きたらあっさり捨てられてしまいました。
かっこつけて ” 女と男は~ ” なんて偉そうに語っていましたが、俺は最高にかっこ悪くて情けない男なんです。 」
二人は相当恥ずかしかったのか、赤くなっていく顔を両手で隠す。
そして恥ずかしさで言ったら俺は断トツであったため、俺も真っ赤になっていく顔を両手で隠し、羞恥に震えた。
そのまま三人で震えていると、突然グリムがポツリポツリとまた話しだす。
「 ……リーフ様に裸で磔にされた時、俺、凄く辛かったし悔しかった……。
絶対に復讐してやるって思いました。
────けど……同時に安心している自分もいました。
やっと ” 自分 ” を止めてくれて、罰してくれる存在が現れてくれたって……。
俺はもう自分の力だけでは止まれなくなっていました。
で、今度は自己嫌悪を罪悪感に潰されそうになって、そのモヤモヤをまた人にぶつけて発散しようとして……。
でも、そんな俺をリーフ様は許してくれなかった。
全力でぶつかってボコボコにされて、悪いモノは全部空っぽになってしまいましたよ。 」
「 うわっ……やだな~。俺達ってほんとにそっくりだ。
人に八つ当たりするのが一番楽で、かつ多大な効果が得られますからね~。
一度それに成功しちゃうと他の方法が選べなくなってしまう……まさに俺がそうです。
そう考えればそれって< 魔薬 >と変わりませんね。
中身を強制的に空っぽにされて初めてそれに気づきました。
だからもう、俺は自分よりも可哀想なヤツを探し続ける人間には戻りたくありません。 」
< 魔薬 >
接種する事で一時的な快感をえる事のできる魔法薬の一種
主に痛みの軽減目的に使うが、これを使用し快楽を手にするために使おうとする者達が絶えず、国が抱える問題薬物として認定されている
使い続ける事で強い依存性が確認されている
二人はそれぞれ自分の思いを独り言の様に呟いた後、同時にバッ!と顔を上げた。
その目は、以前の暗く沈んでいる色は見当たらずキラキラと光輝いている。
「「 俺達も戦います!一緒にグリモアへ……どうか連れて行ってください! 」」
二人の言葉は俺の心を強く叩きつけ、思わず涙が零れそうになって慌てて横を向きながら、ごまかす様に言った。
「 ハハッ!お前たち、そんなにリーフ様のお尻叩きが怖いのか!
そんな弱虫共はこの辺境伯のマービン様が守ってやらねばな!
せいぜい俺の側から離れるなよ! 」
二人はそれを聞いてブワッ!と涙をながし、慌てて目元を腕で隠した。
「 はいぃぃぃぃ~!!リーフ様はめちゃくちゃ怖いし、強いので、また一緒に倒しにい”ぎま”じょぉぉぉぉぉ~~~!!! 」
「 ぞう”でずよ”~~~!!三人でもボコボコなのに、一人でも欠けたら一生勝てませんがら”ぁぁぁぁぁ────────!!! 」
そのままボロボロと泣き出す二人に釣られ、とうとう我慢できなくなった俺の目からも次から次へと涙が溢れ出てくる。
それを振り払う様に俺は窓の外に顔を出し、前に座っている御者に叫んだ。
「 おいぃぃぃぃぃ────────!!!御者ぁぁぁぁ────!!!
「 は……はいぃぃぃぃぃ────!!!! 」
突然大声で名指しされた御者は、ビク────ッ!!!と大きく身体を震わせながら返事を返す。
そんな御者に向かい俺はもう一度大声で叫んだ。
「 今直ぐグリモアへ引き返せぇぇぇ────!!!!
さもなくばお前の首を不敬罪で跳ねてやるからなぁぁぁ────!!! 」
「 えぇぇぇぇ────!!!!???そ、そんなぁぁぁぁ~~!!! 」
半泣きになりながら、御者は俺の方をチラッと見たが、俺のギンッ!!と睨みつける目を見て青ざめ、そのまま180度方向転換をする。
するとその衝撃で、俺とグリム、スワンは宙に浮いてしまったが、必死にしがみつき、そのまま窓の外に視線を向けると、なんと他に走っていた馬車達も同様に180度方向転換をし、全員がグリモアへと戻っていくのが見えた。
「 俺もグリムと同じです。
自分よりもずっと可哀想なヤツがいると心を慰めてきました。
女性を口説くのだって、こんな情けない俺を受け入れてくれる人がいるんだって思いたかっただけでした。
勿論そんな空っぽな理由など彼女達には全てお見通しで、暇つぶしの都合のいい財布扱いしかしてもらえず、飽きたらあっさり捨てられてしまいました。
かっこつけて ” 女と男は~ ” なんて偉そうに語っていましたが、俺は最高にかっこ悪くて情けない男なんです。 」
二人は相当恥ずかしかったのか、赤くなっていく顔を両手で隠す。
そして恥ずかしさで言ったら俺は断トツであったため、俺も真っ赤になっていく顔を両手で隠し、羞恥に震えた。
そのまま三人で震えていると、突然グリムがポツリポツリとまた話しだす。
「 ……リーフ様に裸で磔にされた時、俺、凄く辛かったし悔しかった……。
絶対に復讐してやるって思いました。
────けど……同時に安心している自分もいました。
やっと ” 自分 ” を止めてくれて、罰してくれる存在が現れてくれたって……。
俺はもう自分の力だけでは止まれなくなっていました。
で、今度は自己嫌悪を罪悪感に潰されそうになって、そのモヤモヤをまた人にぶつけて発散しようとして……。
でも、そんな俺をリーフ様は許してくれなかった。
全力でぶつかってボコボコにされて、悪いモノは全部空っぽになってしまいましたよ。 」
「 うわっ……やだな~。俺達ってほんとにそっくりだ。
人に八つ当たりするのが一番楽で、かつ多大な効果が得られますからね~。
一度それに成功しちゃうと他の方法が選べなくなってしまう……まさに俺がそうです。
そう考えればそれって< 魔薬 >と変わりませんね。
中身を強制的に空っぽにされて初めてそれに気づきました。
だからもう、俺は自分よりも可哀想なヤツを探し続ける人間には戻りたくありません。 」
< 魔薬 >
接種する事で一時的な快感をえる事のできる魔法薬の一種
主に痛みの軽減目的に使うが、これを使用し快楽を手にするために使おうとする者達が絶えず、国が抱える問題薬物として認定されている
使い続ける事で強い依存性が確認されている
二人はそれぞれ自分の思いを独り言の様に呟いた後、同時にバッ!と顔を上げた。
その目は、以前の暗く沈んでいる色は見当たらずキラキラと光輝いている。
「「 俺達も戦います!一緒にグリモアへ……どうか連れて行ってください! 」」
二人の言葉は俺の心を強く叩きつけ、思わず涙が零れそうになって慌てて横を向きながら、ごまかす様に言った。
「 ハハッ!お前たち、そんなにリーフ様のお尻叩きが怖いのか!
そんな弱虫共はこの辺境伯のマービン様が守ってやらねばな!
せいぜい俺の側から離れるなよ! 」
二人はそれを聞いてブワッ!と涙をながし、慌てて目元を腕で隠した。
「 はいぃぃぃぃ~!!リーフ様はめちゃくちゃ怖いし、強いので、また一緒に倒しにい”ぎま”じょぉぉぉぉぉ~~~!!! 」
「 ぞう”でずよ”~~~!!三人でもボコボコなのに、一人でも欠けたら一生勝てませんがら”ぁぁぁぁぁ────────!!! 」
そのままボロボロと泣き出す二人に釣られ、とうとう我慢できなくなった俺の目からも次から次へと涙が溢れ出てくる。
それを振り払う様に俺は窓の外に顔を出し、前に座っている御者に叫んだ。
「 おいぃぃぃぃぃ────────!!!御者ぁぁぁぁ────!!!
「 は……はいぃぃぃぃぃ────!!!! 」
突然大声で名指しされた御者は、ビク────ッ!!!と大きく身体を震わせながら返事を返す。
そんな御者に向かい俺はもう一度大声で叫んだ。
「 今直ぐグリモアへ引き返せぇぇぇ────!!!!
さもなくばお前の首を不敬罪で跳ねてやるからなぁぁぁ────!!! 」
「 えぇぇぇぇ────!!!!???そ、そんなぁぁぁぁ~~!!! 」
半泣きになりながら、御者は俺の方をチラッと見たが、俺のギンッ!!と睨みつける目を見て青ざめ、そのまま180度方向転換をする。
するとその衝撃で、俺とグリム、スワンは宙に浮いてしまったが、必死にしがみつき、そのまま窓の外に視線を向けると、なんと他に走っていた馬車達も同様に180度方向転換をし、全員がグリモアへと戻っていくのが見えた。
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