【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第三十五章

1131 まっすぐに続く道

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( マービン )

” ……大量の状態異常薬でした。

普通の討伐に使うにはありえない量のです ”



” ……その年ってやたらと兵士達の殉職者達が多かったじゃないですか……。

一体何と戦っているんだろうって……。 ”



” まさか……あんなに大量の……を捕まえていたとは……


情報に間違いないなら一体何をなさるつもりだ………────様達は……。 ”



「 まさか……。 」


その言葉と、現状で最も有効的だと思われる状況を作り出す手段を予想した結果、導かれる答えにサァ────……と血の気が引いていった。


” モンスターボックス ” か!!!


一体いつからそんな悪夢の様な作戦が考えられていたのかは知らないが、恐らくは保険的な目的で、かなり前から街に仕掛けられていたに違いない。

今仕掛けたと考えれば、とてもではないが設置しきれない量だからだ。


しかし、グリモアの守備を突破するのは相当大掛かりになるはずだが……?


そこでハッ!と思い出すのは、リーフ様がライトノア学院に入ってくるまでのグリモアの状況と、噂で囁かれている ” リーフ様の暗殺計画 ” の事だ。


いくら不義の子だったとしてもリーフ様の現在の身分は【 公爵家 】

もし本当に暗殺未遂事件があったとすれば、相当数の人数と数多くの隠蔽工作をしていたはずで、かつあの疲弊していた状況のグリモアでは、抜け穴が沢山あったに違いない。


その時から少しづつ…………??


その推理が頭を過った瞬間、ゾォォォ~と背筋が凍りついた。


そんな前から淡々と計画が実行されていたなんて、全く常軌を逸している!


しかし、モンスター行進が起きている状況ならそれが最善のやり方だと、確信を持つ。


トラップや爆発系の魔道具なら、後に証拠が嫌という程残ってしまうが、モンスターにそれをさせるなら証拠は残らない。


まさに小さな木を森に隠す様なモノ。


街を内側から壊し、避難している者達の命を盾に王に犠牲の選択をさせるためか。


次々と明らかになっていく黒幕達の思惑に、自然と顔は険しいモノへと変わっていくと、それに気付いたグリムとスワンは俺を注視し真剣な顔に。

それを見返しながら、俺は他の貴族同志達とも繋がっている声の回線の中で静かに説明を始めた。


「 恐らく街中に大量の< モンスターボックス >が仕掛けられている。

敵サイドの目的は街の結界を内側から壊す事だろう。

そのため俺達はまず街の中へと突入し、そのモンスターたちを押さえるぞ。

グリモアの防壁に沿って、一部は東門から入りそこからチームごとに散らばろう。


よって到着し次第、直ぐに前衛班と後衛班は各班合流しチーム分けが済んだら、俺の指示した場所へ向かってくれ。 」


『『『『 承知いたしました!! 』』』』


俺の言葉に動揺はあったはずだが、さすがは貴族。

相手に悟られぬ様にそれを隠し、全員が即座に返事を返してきた。


いつその時限爆弾の様な< モンスターボックス >が発動するか分からないが、壁伝いで進む事で、途中で壁が壊されてもそこから侵入し盾班で壁を塞ぐ事ができる。


「 グリム、スワン!道を作れ! 」


「「 ────はっ!! 」」


俺の言葉を受け、グリムは掌サイズの小さな箱を開け、そこから白いビー玉サイズの玉を取り出し口に入れると、そのまま口からプ────ッと白いシャボン玉の様なモノを沢山創り出して窓の外へ飛ばしていった。




< 毒膳士の資質 > ( ユニーク固有スキル )

< 不可視イリュージョン・ガム >

ガム型の武器を装備する事で発動可能の幻影型特殊スキル

幻影系の認識阻害魔法をガムに乗せ、自身と自身の存在するフィールドないに存在する仲間認定した者達の存在を的に不可視状態にする事ができる

魔力によりその範囲が、魔力操作によりその精度が決定する

(発現条件) 

一定以上の知力、毒に対する知識、魔力、魔力操作、を持つこと

一定回数以上ガム型魔道具を仲間認定した者達と共に使用した戦闘経験値があること

幻影魔法の適性が一定以上ある事

一定以上の仲間たちへの絆値と連携経験値を持つ事



そこら中に飛び回る白いシャボン玉は、次々と弾けては周りをボンヤリとした煙で包んでいく。

それにより周りをうっとおしく群がり始めていたモンスター共は俺達の存在を見失い、不思議そうな顔でキョロキョロと周囲を探し始めた。


「 ハハッ!一生そこで探してろよ、ば~か。 」


グリムが突然消えた俺達を探しているモンスター達に向かって鼻で笑えば、スワンも同じく笑いながら、馬車が進む方向にゴロゴロと立ち尽くすモンスター達へスキルを放つ。



< 城塞士の資質 > ( ユニーク固有スキル )

< 聖風の行進道 >

直線上の道に対して発動する風属性の攻撃系スキル

まるで白いカーペットが敷かれた様に見える凝縮された風魔法を打ち、その上に存在する全ての敵にダメージを与える

吹き飛ばし効果あり


(発現条件) 

一定以上の知力、魔力、魔力操作、風属性値を持つこと

土属性の適応があること

一定回数以上守る仲間達との風魔法での戦闘経験値と勝利経験値を持つ事

一定以上の熱血、努力、忠誠心、精神負荷耐性値がある事


スワンの作った白く輝く風の道は、その上に存在していた邪魔なモンスター達を、凄まじい風でふっ飛ばす。

すると────グリモアへ続く一本道が俺達前に広がった。


全ての障害物を吹き飛ばした、ただまっすぐに進む道。


それはまるで、今の俺達の心を具現化した様で……どこまでもどこまでも続いている様な気がした。

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