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第三十七章
1173 奇っ怪な事件
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( リゼル )
「 あんなモノの側にいれるなんて、ヨセフの言う ” 神様 ” は正解かもね。
ヨセフは ” 神様の側に置いておけば大丈夫。 ” っていうけど……俺はまだそこまで気持ちが到達してないんだ。
ただ怖い。
まぁ、今回の事件とは全く関係ないんだけどさ。 」
「 ……そうかよ。だったらとりあえずそれは頭の隅に置いとけ。 」
とりあえず今は関係ないらしいので、俺は直ぐにその内容を頭から追い出し、今の現状について改めて考える。
今回の事件を起こしたのは十中八九エドワードのクソ野郎。
本来ならば生まれた ” 呪い ” によってこの街はそこら中に死体の山が出来上がっていたはずで、それが奴の描いたシナリオの一部。
街の何割かの人間を、襲い来るモンスターによって犠牲者にして、人々の恐怖や怒りなどの負の感情によってあの呪いの化け物を育てる。
そうなれば沢山の犠牲者と、大きくなっていく力に王は決断するしかない。
< 聖令浄化 >を。
そしてグリモアを中心とした沢山の人々の命を犠牲にし、あの化け物を消し去れば、エドワードの野郎の完全勝利だ。
大事な者たちを亡くした国民達の怒りは全て、決定を下したニコラ王と生き残ったソフィア様に向かい、エドワードはそんな ” 悪 ” と戦う ” 正義 ” になるというわけだ。
「 ……胸糞わりぃんだよ、クソ野郎が。 」
あまりに非情で冷酷な作戦に、酷く不快を感じ思わず吐き出してしまったが、そんな胸糞悪い奴らにとって予想外の出来事が次々と起こっている。
その最大の原因を作ったのは、” 呪い ” を消し去る謎の能力を持った ” 救世主リーフ様 ”
なんとあのエドワード派閥を支えるメルンブルク家の次男だというのだから、流石におったまげた。
「 メルンブルク家の消された次男様か……。 」
あまりに皮肉めいた出来事にククッ!と笑いが漏れる。
ここまでド派手にエドワードに喧嘩を売るなど、何か裏があるのでは?と考える余地すらない程ド派手な反逆劇!
まさかあの悪の代表のメルンブルク家の者が ” 救世主 ” になるなど誰が予想できた?
一度漏れた笑いは、そのまま大きくなってしまいそうになり、一度空を見上げて気持ちを落ち着ける。
そんな ” 救世主様 ” は、深く絶望に沈んだ中、たった一人それを斬り裂き、人々に光を見せた。
すると誰に命じられた訳でもなく、一人また一人と動き出し、あの慎重なニコラ王まで動かしてしまったのだから、これは奇跡と言ってもいいと思う。
ワクワク!
うずうず……っ!!
今度は突然湧いてきた高鳴る想いを必死に押さえながら、正面から襲ってきたモンスターを軽く蹴散らすと、そんな俺とは逆に難しい顔をしたまま正面を睨みつけている兄に気付いた。
「 まださっきの事で悩んでいるのかよ?
わかんねぇ事はとりあえず置いておくしかねぇだろう。 」
「 ……いや、今度は別件。
多分、このまますんなりとはいかないはずだからさ。
” 悪 ” は常に常識には当てはまらないからね。
……そういえばリゼル、覚えているかな?
やたらとSランクモンスターが人里へ姿を現した事件の事。 」
「 なんだよ、突然……。
そりゃ~覚えているに決まっているだろう?
魔素領域へ追い払っただけで、どんだけの犠牲者が出たと思ってるんだよ。
仲間たちも何人もやられた。
それがどうした? 」
まだ副団長に任命されてない頃、数十年単位くらいで姿を現すくらいのSランクモンスター達が何故か頻繁に姿を現し始めた。
そうなれば当然、それに対応するため国は忙しくなり、それでも沢山の犠牲者が出た忌まわしき事件。
そんな尊い犠牲者達のお陰で、一気にSランクモンスターの生態や弱点が判明し、何とか全て魔素領域へ帰す事ができたが、その犠牲は大きかった。
その期間は俺も兄も、先輩聖兵士達の後ろで戦闘に参加したが、そいつらは全員とにかく圧倒的な強さを持っていて、沢山の仲間達が犠牲になるのを見せつけられ、己の非力さを今でも悔いている。
隊の中では全滅してしまった隊もあったため、それは聖兵士団全員の心のしこりとなっている事は、周りの団員たちの沈痛な面持ちを見れば一目瞭然だ。
「 散っていった仲間の事を想えば一生忘れる事ができない酷い事件だった。
戦いに身を置く者として仕方がない事とはいえね。
俺は、今でもその事件が引っかかって仕方がない。
今までは単体で数十年単位くらいにしか姿を現さないSランクがどうしてあんなに一気に人里に……?
どう考えてもおかしい。 」
「 まぁ、確かにそうだが……。
だが、仮にもしもそれを呼び出す様な事をしたヤツがいるとして、一体何の得になる??
無駄に国の貴重な戦力が減るだけだし、当時は第一騎士団からも結構な犠牲者が出たはずだ。
もしかしてドロティア帝国の作戦かとも思ったが……。 」
兄は空を飛ぶ< 死肉コバエ >達を全て吹き飛ばした後、う~ん……とそのまま考え込んでしまった。
「 あんなモノの側にいれるなんて、ヨセフの言う ” 神様 ” は正解かもね。
ヨセフは ” 神様の側に置いておけば大丈夫。 ” っていうけど……俺はまだそこまで気持ちが到達してないんだ。
ただ怖い。
まぁ、今回の事件とは全く関係ないんだけどさ。 」
「 ……そうかよ。だったらとりあえずそれは頭の隅に置いとけ。 」
とりあえず今は関係ないらしいので、俺は直ぐにその内容を頭から追い出し、今の現状について改めて考える。
今回の事件を起こしたのは十中八九エドワードのクソ野郎。
本来ならば生まれた ” 呪い ” によってこの街はそこら中に死体の山が出来上がっていたはずで、それが奴の描いたシナリオの一部。
街の何割かの人間を、襲い来るモンスターによって犠牲者にして、人々の恐怖や怒りなどの負の感情によってあの呪いの化け物を育てる。
そうなれば沢山の犠牲者と、大きくなっていく力に王は決断するしかない。
< 聖令浄化 >を。
そしてグリモアを中心とした沢山の人々の命を犠牲にし、あの化け物を消し去れば、エドワードの野郎の完全勝利だ。
大事な者たちを亡くした国民達の怒りは全て、決定を下したニコラ王と生き残ったソフィア様に向かい、エドワードはそんな ” 悪 ” と戦う ” 正義 ” になるというわけだ。
「 ……胸糞わりぃんだよ、クソ野郎が。 」
あまりに非情で冷酷な作戦に、酷く不快を感じ思わず吐き出してしまったが、そんな胸糞悪い奴らにとって予想外の出来事が次々と起こっている。
その最大の原因を作ったのは、” 呪い ” を消し去る謎の能力を持った ” 救世主リーフ様 ”
なんとあのエドワード派閥を支えるメルンブルク家の次男だというのだから、流石におったまげた。
「 メルンブルク家の消された次男様か……。 」
あまりに皮肉めいた出来事にククッ!と笑いが漏れる。
ここまでド派手にエドワードに喧嘩を売るなど、何か裏があるのでは?と考える余地すらない程ド派手な反逆劇!
まさかあの悪の代表のメルンブルク家の者が ” 救世主 ” になるなど誰が予想できた?
一度漏れた笑いは、そのまま大きくなってしまいそうになり、一度空を見上げて気持ちを落ち着ける。
そんな ” 救世主様 ” は、深く絶望に沈んだ中、たった一人それを斬り裂き、人々に光を見せた。
すると誰に命じられた訳でもなく、一人また一人と動き出し、あの慎重なニコラ王まで動かしてしまったのだから、これは奇跡と言ってもいいと思う。
ワクワク!
うずうず……っ!!
今度は突然湧いてきた高鳴る想いを必死に押さえながら、正面から襲ってきたモンスターを軽く蹴散らすと、そんな俺とは逆に難しい顔をしたまま正面を睨みつけている兄に気付いた。
「 まださっきの事で悩んでいるのかよ?
わかんねぇ事はとりあえず置いておくしかねぇだろう。 」
「 ……いや、今度は別件。
多分、このまますんなりとはいかないはずだからさ。
” 悪 ” は常に常識には当てはまらないからね。
……そういえばリゼル、覚えているかな?
やたらとSランクモンスターが人里へ姿を現した事件の事。 」
「 なんだよ、突然……。
そりゃ~覚えているに決まっているだろう?
魔素領域へ追い払っただけで、どんだけの犠牲者が出たと思ってるんだよ。
仲間たちも何人もやられた。
それがどうした? 」
まだ副団長に任命されてない頃、数十年単位くらいで姿を現すくらいのSランクモンスター達が何故か頻繁に姿を現し始めた。
そうなれば当然、それに対応するため国は忙しくなり、それでも沢山の犠牲者が出た忌まわしき事件。
そんな尊い犠牲者達のお陰で、一気にSランクモンスターの生態や弱点が判明し、何とか全て魔素領域へ帰す事ができたが、その犠牲は大きかった。
その期間は俺も兄も、先輩聖兵士達の後ろで戦闘に参加したが、そいつらは全員とにかく圧倒的な強さを持っていて、沢山の仲間達が犠牲になるのを見せつけられ、己の非力さを今でも悔いている。
隊の中では全滅してしまった隊もあったため、それは聖兵士団全員の心のしこりとなっている事は、周りの団員たちの沈痛な面持ちを見れば一目瞭然だ。
「 散っていった仲間の事を想えば一生忘れる事ができない酷い事件だった。
戦いに身を置く者として仕方がない事とはいえね。
俺は、今でもその事件が引っかかって仕方がない。
今までは単体で数十年単位くらいにしか姿を現さないSランクがどうしてあんなに一気に人里に……?
どう考えてもおかしい。 」
「 まぁ、確かにそうだが……。
だが、仮にもしもそれを呼び出す様な事をしたヤツがいるとして、一体何の得になる??
無駄に国の貴重な戦力が減るだけだし、当時は第一騎士団からも結構な犠牲者が出たはずだ。
もしかしてドロティア帝国の作戦かとも思ったが……。 」
兄は空を飛ぶ< 死肉コバエ >達を全て吹き飛ばした後、う~ん……とそのまま考え込んでしまった。
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