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第三十八章
1214 楽しいだけじゃ駄目
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( ベリー )
「 これはこれはなんと美しいお姫様達なのでしょう~!
どうか俺と付き合ってくださ~~い!!
…………おえぇ~っ!!やっぱ無理!!
勘弁して下さ~い!!!きゃあああ~☆ 」
そんなわざとらしい悲鳴を上げた王子様はガタガタと震えながら、仲間たちの後ろにササ~!と隠れる。
それを見て鳥肌を立てながら遠い目をする私達を他所に、守備隊長やお気に入り達、一応はまずいと思ってはいるらしい周囲の者たちは、耐えられないとばかりに笑い出した。
そしてひとしきり笑った守備隊長は、目尻に浮かぶ涙を拭きながら私達の肩をバンバンと叩く。
「 な?分かっただろう?自分たちが周りから見て、どんな存在なのかと言う事を。
だから自分の立場をよく理解して、これからも唯一受け入れて貰えるココで少しでも役に立て。
皆我慢してやってるんだから、ありがたく思ってこれからはもっと頑張れよ。
いいな? 」
「「 …………分かりました。 」」」
高圧的に言い放つ守備隊長の言葉を聞いて、更に固く決意した私達は了承した。
すると、守備隊長とお気に入り達は、馬鹿にしたかの様に鼻で笑い、更に周囲の守備隊員達はあからさまにホッとした様子を見せる。
しかし……続く私達の言葉に全員の顔から血の気が引いていった。
「 では、やっぱりここを辞めた方がいいですね。
そんなに我慢させるのは申し訳ないですから~。 」
「 これからはお互い我慢などしなくてもよくなりますね。
良かったです~。 」
固まってしまった守備隊長達から直ぐに視線を外し、私達は隅の床に投げ捨てる様に置かれていた少ない私物を袋に詰め始めたのだが、周囲の守備隊員達が直ぐに私達を囲う様に近づいてくる。
「 きゅ、急過ぎませんか~?ちょっと落ち着いて下さいよ~。 」
「 悩みとかあるなら聞きますよ!ね?言ってみて下さいよ~。
全員で解決しましょう! 」
そんな白々しい言葉をかけてきたが、完全に無視して淡々と片付けをしていると、今度はそれを押しのけて、お気に入りの子たちが媚びた猫なで声でやってきた。
「 そうだよ~!本当は皆、あなた達の事チョー可愛いと思ってるんだから!
だからちょ~っとからかっていただけなんだぁ!気にしちゃったならごめんねぇ~♡ 」
「 そうそう、私も二人の反応がぁ~すっごく可愛いから、からかい過ぎちゃったんだよ~。
あ、そうだ!今日仕事が終わったら合コンがあるの!
良かったら一緒に行かない?
良かったらいい感じのいい男友達を紹介するからさ。 」
さっきとは180度違う態度に、もはやため息も出ない。
それも無視して作業を続けていると、今度は少し離れた先でお気に入りや他の隊員の男たちがギャーギャーと罵り合いの喧嘩を始めた。
「 何が王子様だよ!!前から思ってたが、お前キモいんだよ!!
この顔だけ無能男!! 」
「 二人に謝れよっ!!!最低だぞ!! 」
「 はぁぁぁっ!!!?
何、俺一人のせいにしようとしてんだよ、ふざけるなっ!!!!
モテないからって嫉妬してんじゃねぇよ、ブサイク共!! 」
そのまま醜い言い争う声がひたすら聞こえてきたが、それも無視。
しかし周囲の者たちは、男隊員たちの争いに触発されたのか「 お前が悪い! 」「 いや、アンタでしょう!! 」と言い争いを始めてしまう。
そして最終的には ” 誰が今まで一番得をしていたか? ” ” 普段お前のこういう所が気に入らなかった ” などの話にまで発展していき、大喧嘩がはじまってしまったのだ。
「 …………。 」
「 …………。 」
私とキュイちゃんは、床に置いてあった事で汚れている私物をパンパンと叩き、無言で作業を続けた。
結局こういった人達は、自分の欲が常に最優先なんだろうなと思う。
だからそんな性根では、相手が何も考えない人形の様な人か奴隷相手くらいしか、本来人間関係を長くは保てない。
そんな本来成り立たない人間関係を保っていられたのは、私とキュイちゃんという ” 自分のやりたくない辛い仕事を全部やってくれる人間 ” がいたから。
「 これも一つの人生の選択……なのかな。 」
ボソッと呟いた後、多少綺麗になった私物を丁寧に袋に詰めると、私達はゆっくりと立ち上がる。
そして取っ組み合いの喧嘩まで始めた彼らを見回した。
ここ数年で剣すら握ってない脂肪で弛んだ身体は、相当鍛錬しなければもう戦えない。
しかし、すでに ” 楽 ” にどっぷり浸ってしまったその身体は、きっと ” 努力 ” を全力で拒むだろう。
それをそのまま ” 楽 ” を取り続けた先には……多分何も選べない未来が待っている。
朝はゆったりと重役出勤。
そしてその後は私達の悪口を言いながらお茶して、美味しいものを食べて笑い合う────。
毎日これをしているだけで十分なお金が貰える環境は、きっとその人を壊す ” 猛毒 ” だ。
人間って楽しいだけだと、こんなにも壊れてしまうんだ……。
私達は何度目になるかという大きなため息をつくと、袋に詰めた荷物とそれぞれの武器を背負い、その場を去ろうとしたのだが……そこで固まっていた守備隊長が突然大声を上げた。
「 おいっ!!!全員、入口を封鎖しろっ!!! 」
すると喧嘩をしていたお気に入り達と他の隊員達は、ピタリとそれを止め、直ぐに入口を通せんぼする様に移動する。
「 これはこれはなんと美しいお姫様達なのでしょう~!
どうか俺と付き合ってくださ~~い!!
…………おえぇ~っ!!やっぱ無理!!
勘弁して下さ~い!!!きゃあああ~☆ 」
そんなわざとらしい悲鳴を上げた王子様はガタガタと震えながら、仲間たちの後ろにササ~!と隠れる。
それを見て鳥肌を立てながら遠い目をする私達を他所に、守備隊長やお気に入り達、一応はまずいと思ってはいるらしい周囲の者たちは、耐えられないとばかりに笑い出した。
そしてひとしきり笑った守備隊長は、目尻に浮かぶ涙を拭きながら私達の肩をバンバンと叩く。
「 な?分かっただろう?自分たちが周りから見て、どんな存在なのかと言う事を。
だから自分の立場をよく理解して、これからも唯一受け入れて貰えるココで少しでも役に立て。
皆我慢してやってるんだから、ありがたく思ってこれからはもっと頑張れよ。
いいな? 」
「「 …………分かりました。 」」」
高圧的に言い放つ守備隊長の言葉を聞いて、更に固く決意した私達は了承した。
すると、守備隊長とお気に入り達は、馬鹿にしたかの様に鼻で笑い、更に周囲の守備隊員達はあからさまにホッとした様子を見せる。
しかし……続く私達の言葉に全員の顔から血の気が引いていった。
「 では、やっぱりここを辞めた方がいいですね。
そんなに我慢させるのは申し訳ないですから~。 」
「 これからはお互い我慢などしなくてもよくなりますね。
良かったです~。 」
固まってしまった守備隊長達から直ぐに視線を外し、私達は隅の床に投げ捨てる様に置かれていた少ない私物を袋に詰め始めたのだが、周囲の守備隊員達が直ぐに私達を囲う様に近づいてくる。
「 きゅ、急過ぎませんか~?ちょっと落ち着いて下さいよ~。 」
「 悩みとかあるなら聞きますよ!ね?言ってみて下さいよ~。
全員で解決しましょう! 」
そんな白々しい言葉をかけてきたが、完全に無視して淡々と片付けをしていると、今度はそれを押しのけて、お気に入りの子たちが媚びた猫なで声でやってきた。
「 そうだよ~!本当は皆、あなた達の事チョー可愛いと思ってるんだから!
だからちょ~っとからかっていただけなんだぁ!気にしちゃったならごめんねぇ~♡ 」
「 そうそう、私も二人の反応がぁ~すっごく可愛いから、からかい過ぎちゃったんだよ~。
あ、そうだ!今日仕事が終わったら合コンがあるの!
良かったら一緒に行かない?
良かったらいい感じのいい男友達を紹介するからさ。 」
さっきとは180度違う態度に、もはやため息も出ない。
それも無視して作業を続けていると、今度は少し離れた先でお気に入りや他の隊員の男たちがギャーギャーと罵り合いの喧嘩を始めた。
「 何が王子様だよ!!前から思ってたが、お前キモいんだよ!!
この顔だけ無能男!! 」
「 二人に謝れよっ!!!最低だぞ!! 」
「 はぁぁぁっ!!!?
何、俺一人のせいにしようとしてんだよ、ふざけるなっ!!!!
モテないからって嫉妬してんじゃねぇよ、ブサイク共!! 」
そのまま醜い言い争う声がひたすら聞こえてきたが、それも無視。
しかし周囲の者たちは、男隊員たちの争いに触発されたのか「 お前が悪い! 」「 いや、アンタでしょう!! 」と言い争いを始めてしまう。
そして最終的には ” 誰が今まで一番得をしていたか? ” ” 普段お前のこういう所が気に入らなかった ” などの話にまで発展していき、大喧嘩がはじまってしまったのだ。
「 …………。 」
「 …………。 」
私とキュイちゃんは、床に置いてあった事で汚れている私物をパンパンと叩き、無言で作業を続けた。
結局こういった人達は、自分の欲が常に最優先なんだろうなと思う。
だからそんな性根では、相手が何も考えない人形の様な人か奴隷相手くらいしか、本来人間関係を長くは保てない。
そんな本来成り立たない人間関係を保っていられたのは、私とキュイちゃんという ” 自分のやりたくない辛い仕事を全部やってくれる人間 ” がいたから。
「 これも一つの人生の選択……なのかな。 」
ボソッと呟いた後、多少綺麗になった私物を丁寧に袋に詰めると、私達はゆっくりと立ち上がる。
そして取っ組み合いの喧嘩まで始めた彼らを見回した。
ここ数年で剣すら握ってない脂肪で弛んだ身体は、相当鍛錬しなければもう戦えない。
しかし、すでに ” 楽 ” にどっぷり浸ってしまったその身体は、きっと ” 努力 ” を全力で拒むだろう。
それをそのまま ” 楽 ” を取り続けた先には……多分何も選べない未来が待っている。
朝はゆったりと重役出勤。
そしてその後は私達の悪口を言いながらお茶して、美味しいものを食べて笑い合う────。
毎日これをしているだけで十分なお金が貰える環境は、きっとその人を壊す ” 猛毒 ” だ。
人間って楽しいだけだと、こんなにも壊れてしまうんだ……。
私達は何度目になるかという大きなため息をつくと、袋に詰めた荷物とそれぞれの武器を背負い、その場を去ろうとしたのだが……そこで固まっていた守備隊長が突然大声を上げた。
「 おいっ!!!全員、入口を封鎖しろっ!!! 」
すると喧嘩をしていたお気に入り達と他の隊員達は、ピタリとそれを止め、直ぐに入口を通せんぼする様に移動する。
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