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第四十章
1278 権力を手に入れて……
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( クルト )
そして頭の中には、 ” 君はもう大丈夫 ” という言葉が駆け回る。
「 …………。 」
ボロボロと泣きながら、黒に侵食されていない手を見下ろすと、その拳をグッと強く握った。
そして、ある決意をした俺は、袖でグイッ!と乱暴に目を擦ると、そのまま当時の上司のもとへと走る。
向かうのは第一騎士団の専用ラウンジ。
第二騎士団とは違い、基本王族や貴族の命により動く第一騎士団は、何か事件がない時には王宮の敷地内にある、このラウンジにて時間を潰している。
────バンッ!!!
乱暴にその扉を開けると、上司に当たる男や沢山の先輩騎士達、同期も後輩騎士たちも皆その場でくつろいでいた。
突然無作法に入ってきた俺を見て、全員が顔を顰め、特にその中にいる上司は俺を叱咤しようと口を開きかけたが────それより前に俺は上司に向かって大声で叫ぶ。
「 騎士団、辞めま────す!!!! 」
それからは大騒ぎ。
” 貴族とは~ ” という御高説をアチラコチラで聞かされ、” 貴族の地位を剥奪するぞ ” という遠回しな脅しや、嫌がらせを目的としたちょっとした盗みや酷い暴言……。
上げたらきりがないくらいなんとか俺の考えを改めようと、あの手この手で攻撃をしてきたが……俺の考えは変わらない。
俺がいなくなれば、また誰かを犠牲にしなければうまく回らない事。
それを誰もが知っていたからこそ全員必死で、とうとう実力行使に出た様だ。
” 責任感のない行動により貴族としての責任問題であると判断した。
よって第一騎士団を辞めるならば、子爵家【 セイダルク家 】からの除籍を命じる。”
それは貴族を辞め、残りの余生は平民として生きろという事。
それを聞いた俺は────────パァァァ~!!と目を輝かせる。
俺は貴族の責任があるから、意思なき世界にいなければならない。
ならばその貴族の地位を捨てて、その世界を堂々と出ていけばいいじゃないか!
俺はあっさりとその籍を国に変換し、その瞬間から俺は< ジェノス >という名を捨てた。
” 君には期待していたのに残念だよ。
この後、君には【 剣王 】の称号が与えられるはずだった。
【 賢王 】の称号はフローズに、そして【 守護王 】の称号はゴーンに。
君たち三人の若者には、この先の未来を背負う存在になってもらおうと思っていたのにね。 ”
上の連中は鼻で笑いながらそう嫌味を言ってきたが、俺の決意はもう変わらない。
俺は手に入れた ” 上 ” のイスをあっさりと捨て、その日から< 平民のクルト >としてこの世界に生を受けたのだった。
貴族にとって ” 平民落ち ” は最大の屈辱と言われていて、大抵の平民落ちした貴族は長くは生きられず、自決を選ぶ者が多い。
そのためそれ以上誰も俺を追おうとする者達はおらず、今頃は笑い話の一つとして貴族達を楽しませている事だろうと思う。
この時ばかりは、貴族の持つ価値観とやらに感謝をし、俺は屈辱など微塵もない、晴れやかな気持ちで大きすぎる自由を手に入れる事ができた。
勿論辛い事だって多かったし、平民の苦労というモノを目の当たりにすることで、幸せであるとは言えない状況だってあったが、それでも俺は今の状況を幸せだと思う。
意思を持って行動する事。
まだまだ染み付いた習性は消えてはくれなかったが、少しづつ少しづつ俺は俺の意思を出し、クルトという人格を作り上げていった。
そして平民から見た今の世を見ている内に、今度は ” 平民のクルトは今後何をしたいのか? ” ” 何ができるのか? ” と考える様になる。
この世界はあまりにもアンバランスだ。
そしてそのアンバランスは、一部の権力を持った者達が創り出している。
権力というものは非常に強力で、人を根本から変えてしまう恐ろしい力でもある。
人の欲と境界線が分からない程くっついて、その人物を離さない。
そうして大きく成長してしまった欲望は、その世界を自分の都合の良いものへと変えようとしてしまうからこそ、権力を失った貴族達は、生きてはいけないのだと思う。
自分を変える事ができなくなった者は、変化し続ける世界で生きていく事はできない。
きっと俺もあのままアソコに居続ければ……同じモノになっていただろうな。
『 剣王 』という権力を手に入れて。
その事実に恐怖し、ゾッと背筋を凍らせた。
あの赤子がギリギリ残っていた俺の ” 意思 ” をこれまたギリギリのタイミングで、あの世界から押し出してくれた。
あの真っ暗な闇の世界から……。
「 俺はもう ” 大丈夫 ” 。
これから何をすべきか……ちゃんと俺の ” 意思 ” で考えていくさ。 」
あの時見た楽園の様な場所。
いつかココをあんな場所にできるだろうか?
そんな期待と希望を持って歩き出した、その頃だ。
フラン様と同志達に出会えたのは。
そして頭の中には、 ” 君はもう大丈夫 ” という言葉が駆け回る。
「 …………。 」
ボロボロと泣きながら、黒に侵食されていない手を見下ろすと、その拳をグッと強く握った。
そして、ある決意をした俺は、袖でグイッ!と乱暴に目を擦ると、そのまま当時の上司のもとへと走る。
向かうのは第一騎士団の専用ラウンジ。
第二騎士団とは違い、基本王族や貴族の命により動く第一騎士団は、何か事件がない時には王宮の敷地内にある、このラウンジにて時間を潰している。
────バンッ!!!
乱暴にその扉を開けると、上司に当たる男や沢山の先輩騎士達、同期も後輩騎士たちも皆その場でくつろいでいた。
突然無作法に入ってきた俺を見て、全員が顔を顰め、特にその中にいる上司は俺を叱咤しようと口を開きかけたが────それより前に俺は上司に向かって大声で叫ぶ。
「 騎士団、辞めま────す!!!! 」
それからは大騒ぎ。
” 貴族とは~ ” という御高説をアチラコチラで聞かされ、” 貴族の地位を剥奪するぞ ” という遠回しな脅しや、嫌がらせを目的としたちょっとした盗みや酷い暴言……。
上げたらきりがないくらいなんとか俺の考えを改めようと、あの手この手で攻撃をしてきたが……俺の考えは変わらない。
俺がいなくなれば、また誰かを犠牲にしなければうまく回らない事。
それを誰もが知っていたからこそ全員必死で、とうとう実力行使に出た様だ。
” 責任感のない行動により貴族としての責任問題であると判断した。
よって第一騎士団を辞めるならば、子爵家【 セイダルク家 】からの除籍を命じる。”
それは貴族を辞め、残りの余生は平民として生きろという事。
それを聞いた俺は────────パァァァ~!!と目を輝かせる。
俺は貴族の責任があるから、意思なき世界にいなければならない。
ならばその貴族の地位を捨てて、その世界を堂々と出ていけばいいじゃないか!
俺はあっさりとその籍を国に変換し、その瞬間から俺は< ジェノス >という名を捨てた。
” 君には期待していたのに残念だよ。
この後、君には【 剣王 】の称号が与えられるはずだった。
【 賢王 】の称号はフローズに、そして【 守護王 】の称号はゴーンに。
君たち三人の若者には、この先の未来を背負う存在になってもらおうと思っていたのにね。 ”
上の連中は鼻で笑いながらそう嫌味を言ってきたが、俺の決意はもう変わらない。
俺は手に入れた ” 上 ” のイスをあっさりと捨て、その日から< 平民のクルト >としてこの世界に生を受けたのだった。
貴族にとって ” 平民落ち ” は最大の屈辱と言われていて、大抵の平民落ちした貴族は長くは生きられず、自決を選ぶ者が多い。
そのためそれ以上誰も俺を追おうとする者達はおらず、今頃は笑い話の一つとして貴族達を楽しませている事だろうと思う。
この時ばかりは、貴族の持つ価値観とやらに感謝をし、俺は屈辱など微塵もない、晴れやかな気持ちで大きすぎる自由を手に入れる事ができた。
勿論辛い事だって多かったし、平民の苦労というモノを目の当たりにすることで、幸せであるとは言えない状況だってあったが、それでも俺は今の状況を幸せだと思う。
意思を持って行動する事。
まだまだ染み付いた習性は消えてはくれなかったが、少しづつ少しづつ俺は俺の意思を出し、クルトという人格を作り上げていった。
そして平民から見た今の世を見ている内に、今度は ” 平民のクルトは今後何をしたいのか? ” ” 何ができるのか? ” と考える様になる。
この世界はあまりにもアンバランスだ。
そしてそのアンバランスは、一部の権力を持った者達が創り出している。
権力というものは非常に強力で、人を根本から変えてしまう恐ろしい力でもある。
人の欲と境界線が分からない程くっついて、その人物を離さない。
そうして大きく成長してしまった欲望は、その世界を自分の都合の良いものへと変えようとしてしまうからこそ、権力を失った貴族達は、生きてはいけないのだと思う。
自分を変える事ができなくなった者は、変化し続ける世界で生きていく事はできない。
きっと俺もあのままアソコに居続ければ……同じモノになっていただろうな。
『 剣王 』という権力を手に入れて。
その事実に恐怖し、ゾッと背筋を凍らせた。
あの赤子がギリギリ残っていた俺の ” 意思 ” をこれまたギリギリのタイミングで、あの世界から押し出してくれた。
あの真っ暗な闇の世界から……。
「 俺はもう ” 大丈夫 ” 。
これから何をすべきか……ちゃんと俺の ” 意思 ” で考えていくさ。 」
あの時見た楽園の様な場所。
いつかココをあんな場所にできるだろうか?
そんな期待と希望を持って歩き出した、その頃だ。
フラン様と同志達に出会えたのは。
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