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第四十一章
1318 思ってもみなかった援軍
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( ユーリス )
まぁ、その件で男嫌いになるのは分かるが……この変化はない。
しかも婚約破棄の時など、チェリルは元婚約者の男をボッコボコのズタボロにぶん殴ったらしいので、もうそれで許してもいいんじゃないか?と正直言いたい。
しかし……。
俺はギラギラと恐ろしい目で、苦しむドラゴンの下半身を見ているチェリルをチラッと見て、小さく首を横に振る。
おじさんという生き物同様、そんな事を口に出せば絶対面倒な事になるのは分かっていたので、俺は今日も自分の平和と効率的な仕事をするため本音を隠す。
「 ……ご無沙汰しております、チェリル団長。
お呼びした覚えは第二騎士団全員にないのですが、本日はなぜコチラへ? 」
「 金色玉狩り。 」
「 ……本当に突然現れたので驚きました。
王都の方も大騒ぎでしょう?戻らなくて大丈夫ですか? 」
「 どさくさに紛れて何個か狩っとけばよかったぜ~。 」
チッ!!と大きな舌打ちをするチェリルに対し、笑顔のまま押し黙った。
会話が成立しない。
第二騎士団のお葬式の様な雰囲気を見て、色々察したのか、守備隊員達も全員が空気と同化している様だ。
後方にはどんどんと第二魔法騎士団の援軍が到着したが、その全員がチェリルを無視してさっさと配置についている事から、毎度の事ながらチェリルを止める者はいない。
だから俺も会話は諦めて、勝手に戦う。
” ヤバいやつは放置 ”
暗黙の了解で全員の意見が一致したのを感じ、直ぐに暴れ出したドラゴンを睨みつけた。
「 ガァァァァァァァァ────ッ!!!!! 」
ドラゴンは結界を破ろうと暴れ、恐らく長くは持たないと思われる。
やはりドラゴンを捉えるのは不可能という事か……。
改めて、このドラゴンを捉えていた相手サイドの特殊スキル使いに対し、恐怖を抱いた。
「 ────チッ!!厄介なモンスターを持ち込みがって、クソ野郎共が。
おいっ、これからフィールド変換魔法で飛ばすぞ。
キナっ!! 」
「 ────はっ! 」
チェリルの声に反応し、気配なく現れたのは、茶色い髪色の切りっぱなしボブカットに切れ長の目元が印象的なクールな女性────第二魔法騎士団副団長の< キナ >であった。
彼女は珍しい無属性魔法のみのスペシャリスト。
フィールド変換魔法は非常に難しい魔法だが、あっさり魔道具なしで使う事もできる優れた魔法使いである。
< 無属性魔法 >
火、水、雷、土、風、光、闇以外の特殊属性魔法の中、一番有名かつ数が多い属性魔法
ただし特殊性が強く、ピンからキリまで様々な魔法が存在するため個性が強いモノが多く扱いが難しいモノも多い
元々個人が持っている生元魔力が、属性という通路を通らず直接外に飛び出て形になっているのではないかとも言われている
「 それでは人員の選出を直ぐに。
正門の守りをおろそかにするわけにいきませんので、ある程度絞らなければ……。
しかし……。 」
ドラゴン相手では戦力をしぼっては戦えないため、どうすれば……と悩んでいると、チェリルがニヤッと笑いながら、親指で空を差す。
「 こっちはアイツラに任せときゃ~なんとかなるだろう。 」
「「 アイツラ?? 」」
俺とドノバンさんが同時に声を上げると、突然真っ黒な空にバチバチ!!という雷の様なモノが発生し、巨大な魔法陣が出現した。
「 なっ、なんだ!!? 」
「 な……なにか、巨大なモノが……。 」
ケンさんとマルクさんが唖然としながら空を見上げ、他の戦闘員達もざわつきながら空を指差す。
その直後、姿を現したのはボンヤリした姿から徐々にハッキリとした姿を見せた巨大な【 魔航飛帝 】
侯爵家であるジェンスター家が所有する魔道具機体の中で最も強く、最新鋭の攻撃能力を携えた空を代表する戦闘魔道具である。
それが今まで迷彩魔法を掛けて空に浮かんでいたらしい。
< 迷彩魔法 >
姿を隠蔽する妨害魔法の一つ
レベルが高い程、その姿は視覚で捉えるのが難しい
こんな巨大なモノを完全に隠す程の高精度な< 迷彩魔法 >
そして空を飛ぶ要塞の様な巨大な【 魔航飛帝 】を操縦する能力を持つ者……それは────。
「 ジョバンヌ!!お前、来たのか!? 」
ドノバンさんが大声で叫ぶと、【 魔航飛帝 】の上部についている拡音機から女性の声が聞こえた。
《 おや?まだくたばってなかったのかい、元旦那様。
流石にしぶといじゃないか。 》
< ジョバンヌ・ジェス・カルロイド >
以前はジェンスターを名乗っていたドノバンさんの元奥様だったが、現在は離縁し婚前前の< カルロイド家 >の性を名乗っている。
元々< カルロイド家 >は、他国との輸入や輸出、各地への大事な品の輸送などに特化していた空を代表するお家元であり、武に特化していたドノバンさんと政略結婚する事で、双方に莫大な利益を生み出した。
まぁ、その件で男嫌いになるのは分かるが……この変化はない。
しかも婚約破棄の時など、チェリルは元婚約者の男をボッコボコのズタボロにぶん殴ったらしいので、もうそれで許してもいいんじゃないか?と正直言いたい。
しかし……。
俺はギラギラと恐ろしい目で、苦しむドラゴンの下半身を見ているチェリルをチラッと見て、小さく首を横に振る。
おじさんという生き物同様、そんな事を口に出せば絶対面倒な事になるのは分かっていたので、俺は今日も自分の平和と効率的な仕事をするため本音を隠す。
「 ……ご無沙汰しております、チェリル団長。
お呼びした覚えは第二騎士団全員にないのですが、本日はなぜコチラへ? 」
「 金色玉狩り。 」
「 ……本当に突然現れたので驚きました。
王都の方も大騒ぎでしょう?戻らなくて大丈夫ですか? 」
「 どさくさに紛れて何個か狩っとけばよかったぜ~。 」
チッ!!と大きな舌打ちをするチェリルに対し、笑顔のまま押し黙った。
会話が成立しない。
第二騎士団のお葬式の様な雰囲気を見て、色々察したのか、守備隊員達も全員が空気と同化している様だ。
後方にはどんどんと第二魔法騎士団の援軍が到着したが、その全員がチェリルを無視してさっさと配置についている事から、毎度の事ながらチェリルを止める者はいない。
だから俺も会話は諦めて、勝手に戦う。
” ヤバいやつは放置 ”
暗黙の了解で全員の意見が一致したのを感じ、直ぐに暴れ出したドラゴンを睨みつけた。
「 ガァァァァァァァァ────ッ!!!!! 」
ドラゴンは結界を破ろうと暴れ、恐らく長くは持たないと思われる。
やはりドラゴンを捉えるのは不可能という事か……。
改めて、このドラゴンを捉えていた相手サイドの特殊スキル使いに対し、恐怖を抱いた。
「 ────チッ!!厄介なモンスターを持ち込みがって、クソ野郎共が。
おいっ、これからフィールド変換魔法で飛ばすぞ。
キナっ!! 」
「 ────はっ! 」
チェリルの声に反応し、気配なく現れたのは、茶色い髪色の切りっぱなしボブカットに切れ長の目元が印象的なクールな女性────第二魔法騎士団副団長の< キナ >であった。
彼女は珍しい無属性魔法のみのスペシャリスト。
フィールド変換魔法は非常に難しい魔法だが、あっさり魔道具なしで使う事もできる優れた魔法使いである。
< 無属性魔法 >
火、水、雷、土、風、光、闇以外の特殊属性魔法の中、一番有名かつ数が多い属性魔法
ただし特殊性が強く、ピンからキリまで様々な魔法が存在するため個性が強いモノが多く扱いが難しいモノも多い
元々個人が持っている生元魔力が、属性という通路を通らず直接外に飛び出て形になっているのではないかとも言われている
「 それでは人員の選出を直ぐに。
正門の守りをおろそかにするわけにいきませんので、ある程度絞らなければ……。
しかし……。 」
ドラゴン相手では戦力をしぼっては戦えないため、どうすれば……と悩んでいると、チェリルがニヤッと笑いながら、親指で空を差す。
「 こっちはアイツラに任せときゃ~なんとかなるだろう。 」
「「 アイツラ?? 」」
俺とドノバンさんが同時に声を上げると、突然真っ黒な空にバチバチ!!という雷の様なモノが発生し、巨大な魔法陣が出現した。
「 なっ、なんだ!!? 」
「 な……なにか、巨大なモノが……。 」
ケンさんとマルクさんが唖然としながら空を見上げ、他の戦闘員達もざわつきながら空を指差す。
その直後、姿を現したのはボンヤリした姿から徐々にハッキリとした姿を見せた巨大な【 魔航飛帝 】
侯爵家であるジェンスター家が所有する魔道具機体の中で最も強く、最新鋭の攻撃能力を携えた空を代表する戦闘魔道具である。
それが今まで迷彩魔法を掛けて空に浮かんでいたらしい。
< 迷彩魔法 >
姿を隠蔽する妨害魔法の一つ
レベルが高い程、その姿は視覚で捉えるのが難しい
こんな巨大なモノを完全に隠す程の高精度な< 迷彩魔法 >
そして空を飛ぶ要塞の様な巨大な【 魔航飛帝 】を操縦する能力を持つ者……それは────。
「 ジョバンヌ!!お前、来たのか!? 」
ドノバンさんが大声で叫ぶと、【 魔航飛帝 】の上部についている拡音機から女性の声が聞こえた。
《 おや?まだくたばってなかったのかい、元旦那様。
流石にしぶといじゃないか。 》
< ジョバンヌ・ジェス・カルロイド >
以前はジェンスターを名乗っていたドノバンさんの元奥様だったが、現在は離縁し婚前前の< カルロイド家 >の性を名乗っている。
元々< カルロイド家 >は、他国との輸入や輸出、各地への大事な品の輸送などに特化していた空を代表するお家元であり、武に特化していたドノバンさんと政略結婚する事で、双方に莫大な利益を生み出した。
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