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第四十一章
1328 【 天の涙雨 】
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( ジェニファー )
しかし、その能力の強さも種類も種族によりバラバラで、それが人にとって良いものであるとも限らない。
” 湖をマグマに変えて街が全滅してしまった ”
” 水の恩恵が強すぎて地域一帯が水に飲まれてしまった ”
────などの悲しい歴史も、人の歴史書の中にしっかりと残っている。
更に人型種にとって、脅威なのはその強大な力のみではなく、その性格にもあった。
フラッと人里に現れ、人を助けたり、イタズラして反応を楽しんだりする竜もいれば、明らかに人を害そうと好戦的に襲ってくる竜もいる。
そのためその力と危険性から、人を襲う恐れのある竜種は全てSSランクに指定され、未だ討伐された記録はない。
ゾクッ……。
湧き上がる恐怖と不安はヨセフ司教によって消されてしまったが、嫌な予感はしっかりと心の中に残ったままだ。
私は唇を噛んで視線を下に向けた。
「 ……これから怪我人はもっと増えるでしょう。
犠牲も……覚悟しなければなりませんね。 」
私の声が聞こえた周囲の人たちは、悲しげな顔をして私同様に視線を下に下げる。
戦地において犠牲者が出てしまうのはよくある事だが、だからといって慣れる事はない。
人一人の人生が終わる瞬間、自分の無力さに打ちひしがれ、消えない悲しみの記憶が自分の中に傷跡となって残る。
それは例え日常に戻ったとしても、フッとした瞬間に現れては自分の心を酷く傷つけるのだ。
その痛みがまさに今、襲いかかってきたその時────……突然静まり返ったその場に子供の声が響いた。
「 絶対大丈夫!
だってリーフさんがハッピーエンドにするって言ってたもん!
誰か死んじゃったらハッピーエンドにならないから! 」
「 お父さんと守備隊もリーフさんと一緒に戦っている!
だからぜ~ったい平気だよ! 」
叫んだのは、二人で聖女になると言っていた二人の少女達で、最初に発言したポニーテールの赤いリボンの少女が胸を張れば、その隣のおかっぱ頭の少女は自分の胸をドンッ!と叩く。
そのお陰で場の嫌な空気は晴れ、全員がお互い目を合わせた後深呼吸をしたり、両頬を手で叩いたりして、自分の気持ちを切り替えた。
「 まだありもしない事を想像したってしかたないね。 」
「 頭で考えるより手を動かさないと! 」
前向きな声が上がり、その直後に急患がワッ!と運び込まれてきたので、全員が自分の持ち場に慌ただしく戻っていく。
Sランク相手に死者を出さない。
未だなし得ない前代未聞の挑戦だ。
でも……絶対に達成してみせる。
だって前代未聞の事ばかりが起きているんだから!
そう強く決意した私は、邪魔なドレスの裾を両方捲くり、直ぐに急患の元へと急ぐ。
しかし────……。
やはり世の中は無情で、そしてハッピーエンドが如何に難しい事なのかを……私はこの後思い知らされる事になる。
至る箇所で激しい戦闘音が聞こえ続ける中、汗と患者の血で汚れながらも治療を続けていると、突然正門に繋がる魔道路から仲間に抱えられている沢山の兵達が姿を現した。
「 すまん!!こいつらを助けてくれ!! 」
ただ事ではない様子に驚きながらも、介助人や看護人の人たちが真っ先に駆け寄って症状を確認する。
しかし、その兵達の姿を見た途端、ギクリっ!と体を強張らせた。
勿論私も初めて見たその異様な姿に、同じく体が強張ってしまう。
体中の皮膚に刻まれている黒い文字の羅列。
鎖の様なその黒い文字は、兵達の体を締め付ける様に巻き付き、更に血管の様にドクン……ドクン……と鼓動している様に見える。
それが刻まれている兵達は、全員苦しげに息を吐き出していて、尋常ではない汗を掻いていた。
更に顔色も非常に悪く、苦悶の表情のままかなりの痛みに耐えている様だ。
「 これは……一体……?
それに手足の先が……腐り始めている……!? 」
私も直ぐに駆け寄り運び込まれた兵達の手足を触ると、そこは先が黒ずんでいて腐り始めているのが確認できた。
こんな黒い文字に症状……見たことが……。
「 < ロイヤル・ドラゴン >の特殊能力【 天の涙雨 】
やはり使って来たか……。 」
私と違い、ヨセフ司教はその正体を知っている様で……直ぐに苦しむ兵たちに向かいスキルを発動する。
<心導師の資質>(ユニーク固有スキル)
< 強制精心 >
人の精神を一時的に強制支配し、その働きをシャットダウンする耐精神攻撃防御系スキル
精神攻撃に対し、このスキルが掛かっている限り心を侵害する事はできないが、術者のレベルによる影響は大きい
(発現条件)
一定回数以上人の心に触れる事
一定以上の慈愛、憎しみ、怒りの感情を心に宿したまま、人の心を導く事
一定以上の攻撃性、かつ一定以下の精神汚染度である事
しかし、その能力の強さも種類も種族によりバラバラで、それが人にとって良いものであるとも限らない。
” 湖をマグマに変えて街が全滅してしまった ”
” 水の恩恵が強すぎて地域一帯が水に飲まれてしまった ”
────などの悲しい歴史も、人の歴史書の中にしっかりと残っている。
更に人型種にとって、脅威なのはその強大な力のみではなく、その性格にもあった。
フラッと人里に現れ、人を助けたり、イタズラして反応を楽しんだりする竜もいれば、明らかに人を害そうと好戦的に襲ってくる竜もいる。
そのためその力と危険性から、人を襲う恐れのある竜種は全てSSランクに指定され、未だ討伐された記録はない。
ゾクッ……。
湧き上がる恐怖と不安はヨセフ司教によって消されてしまったが、嫌な予感はしっかりと心の中に残ったままだ。
私は唇を噛んで視線を下に向けた。
「 ……これから怪我人はもっと増えるでしょう。
犠牲も……覚悟しなければなりませんね。 」
私の声が聞こえた周囲の人たちは、悲しげな顔をして私同様に視線を下に下げる。
戦地において犠牲者が出てしまうのはよくある事だが、だからといって慣れる事はない。
人一人の人生が終わる瞬間、自分の無力さに打ちひしがれ、消えない悲しみの記憶が自分の中に傷跡となって残る。
それは例え日常に戻ったとしても、フッとした瞬間に現れては自分の心を酷く傷つけるのだ。
その痛みがまさに今、襲いかかってきたその時────……突然静まり返ったその場に子供の声が響いた。
「 絶対大丈夫!
だってリーフさんがハッピーエンドにするって言ってたもん!
誰か死んじゃったらハッピーエンドにならないから! 」
「 お父さんと守備隊もリーフさんと一緒に戦っている!
だからぜ~ったい平気だよ! 」
叫んだのは、二人で聖女になると言っていた二人の少女達で、最初に発言したポニーテールの赤いリボンの少女が胸を張れば、その隣のおかっぱ頭の少女は自分の胸をドンッ!と叩く。
そのお陰で場の嫌な空気は晴れ、全員がお互い目を合わせた後深呼吸をしたり、両頬を手で叩いたりして、自分の気持ちを切り替えた。
「 まだありもしない事を想像したってしかたないね。 」
「 頭で考えるより手を動かさないと! 」
前向きな声が上がり、その直後に急患がワッ!と運び込まれてきたので、全員が自分の持ち場に慌ただしく戻っていく。
Sランク相手に死者を出さない。
未だなし得ない前代未聞の挑戦だ。
でも……絶対に達成してみせる。
だって前代未聞の事ばかりが起きているんだから!
そう強く決意した私は、邪魔なドレスの裾を両方捲くり、直ぐに急患の元へと急ぐ。
しかし────……。
やはり世の中は無情で、そしてハッピーエンドが如何に難しい事なのかを……私はこの後思い知らされる事になる。
至る箇所で激しい戦闘音が聞こえ続ける中、汗と患者の血で汚れながらも治療を続けていると、突然正門に繋がる魔道路から仲間に抱えられている沢山の兵達が姿を現した。
「 すまん!!こいつらを助けてくれ!! 」
ただ事ではない様子に驚きながらも、介助人や看護人の人たちが真っ先に駆け寄って症状を確認する。
しかし、その兵達の姿を見た途端、ギクリっ!と体を強張らせた。
勿論私も初めて見たその異様な姿に、同じく体が強張ってしまう。
体中の皮膚に刻まれている黒い文字の羅列。
鎖の様なその黒い文字は、兵達の体を締め付ける様に巻き付き、更に血管の様にドクン……ドクン……と鼓動している様に見える。
それが刻まれている兵達は、全員苦しげに息を吐き出していて、尋常ではない汗を掻いていた。
更に顔色も非常に悪く、苦悶の表情のままかなりの痛みに耐えている様だ。
「 これは……一体……?
それに手足の先が……腐り始めている……!? 」
私も直ぐに駆け寄り運び込まれた兵達の手足を触ると、そこは先が黒ずんでいて腐り始めているのが確認できた。
こんな黒い文字に症状……見たことが……。
「 < ロイヤル・ドラゴン >の特殊能力【 天の涙雨 】
やはり使って来たか……。 」
私と違い、ヨセフ司教はその正体を知っている様で……直ぐに苦しむ兵たちに向かいスキルを発動する。
<心導師の資質>(ユニーク固有スキル)
< 強制精心 >
人の精神を一時的に強制支配し、その働きをシャットダウンする耐精神攻撃防御系スキル
精神攻撃に対し、このスキルが掛かっている限り心を侵害する事はできないが、術者のレベルによる影響は大きい
(発現条件)
一定回数以上人の心に触れる事
一定以上の慈愛、憎しみ、怒りの感情を心に宿したまま、人の心を導く事
一定以上の攻撃性、かつ一定以下の精神汚染度である事
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