【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十二章

1355 これが俺の最終決戦

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( リーフ )

《 あ”あ”あ”あ”────…………あ────……ああああああ────……。


あああああああああああああああああ!!!!!! 》 


悲鳴はやがてうめき声の様なモノに変わると、最後はがむしゃらに叫ぶ声に変わった。

そして、それが合図であったかの様に、亀裂は一気に広がると……その亀裂から何千、何万???とにかくそこら中から沢山の白い ” 手 ” が飛び出す。


《 ────っうううっ──う──!!

うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!! 》


忌々しそうに唸る声が聞こえた後、その手たちは全てレオンへとまっすぐ伸びていき、流石のレオンも捕まるかと思われた瞬間────────レオンは笑った。


まるで心底相手を馬鹿にする様に。


そして、レオピアを軽く横に振り、その全ての手を大きく吹き飛ばすと、恐ろしい程睨みつけている巨大な目を無感情な目で見下ろす。





「 リーフ様の邪魔だ。────消えろ。 」




ボソッと何かを呟いた後────やはり何のためらいもなく、レオンはその巨大な目玉にレイピアを突き刺した。



《 ぎゃああああああああああっ!!!!!

────あ~あ~……ああぁぁぁぁぁ────あ、あ、あ、ああああああああああっ!!!!!!!》


今までで一番!という大きな悲鳴を上げた目玉?と共に、空間の亀裂はどんどんと広がっていき、とうとう……。


────パリィィィン……。


完全に砕け散った。


するとまるで隕石の様に、巨大な目玉が下へと落ちてきて……グチャリッ!と下で潰れると、下はまるで黒い絵の具をぶち撒けた様に真っ黒に染まる。


「 つ……潰れて破裂しちゃった……。 」


その落下地点をボンヤリと眺めていると、その散り散りに黒く染まっていた場所からどんどん ” 黒 ” は侵食していき────とうとうその場は真っ黒な空間になってしまった。

もうおじさんの俺には、この急展開の数々に頭がついていかない。

ハハッ……と乾いた笑いを漏らしながら、レオンを探したが、レオンはいなくなってしまった様だ。

気配もなくなってしまったため、お家に帰った??と思った、その時────黒い空間の中で僅かだが光を感じた。


「 ……何だろう……??

光が……漏れているみたいだ。 」


その光は黒い空間にある僅かな切れ目みたいなところから漏れていて、俺は何も考えずにその切れ目みたいな所を触ってみると────……。


ベリベリベリ~っ!!!

              
まるで壁紙が剥がれる様に黒い空間が、姿を現したのは山よりも大きな巨大な ” 木 ” であった。

見上げても見きれない程大きな大きな ” 木 ” 。

それを見上げると、その枝達はどこまで続くのか分からない程広い空間全てを覆い尽くすくらいに広がっていて、至る所に小さな光の塊が付いている。


「 なんだか……クリスマスツリーみたいだな……。 

でも、光が沢山輝いている姿はまるで夜空みたいにも見える。

綺麗だな……。 」


満点の星空に見えてきたその光達につい見惚れていると……その光の中に何かの映像の様なモノが見える事に気付いた。


「 ……????な、何だ??あの光の中に映っている映像……。

しかも一つじゃない。────いや、全部に何か……?? 」


ジッ……と目を凝らして見つめると、その光の中には沢山の人たちの姿が映っていて、それぞれに懸命に生きようとする姿があった。


これは────まさか……。


「 ” 世界 ” を映しているのか……?

これ、一つ一つ……全部?? 」


途方もない数の光達を見て、凄いな……と感動してしまう。


これだけ多くの世界があって、沢山の人たちが沢山の選択肢の中、生きているのか……。


壮大過ぎる真実にジ~ン……としながら、その光達を目で追うと……光の中にはそれ以上先がなく、フッと光が消えてしまっているモノもあった。


恐らくあれが ” 一つの世界の終焉 ” だ。


そして終焉を迎えたその消えてしまった光は、そのまま木の実が落ちる様にボトッと下に落ち、そのまま砂となって空間に溶け込み、この巨大な木の栄養に。

そしてまた新たな ” 世界 ” の光がピョコンっと生まれて枝を伸ばしていった。


寿命を迎えた ” 世界 ” はこうしてまた新しい ” 世界 ” を創り出す栄養になるのか。

そして俺の今いる世界も……もうすぐこうして寿命を迎える。


それは人が寿命で死ぬのと同じ。

変えられない……いや、変えちゃいけない運命ってやつなのは……レーニャちゃんの話を聞いた時に何となく理解した。

何だか知ってはいけない世の理の様なモノを覗いてしまった気がしてゾッとしながら、視線を少しだけ下げると……木の幹部分に何かが刺さっている事に気づく。


「 ??何だろう??何か細長いモノが刺さってる……。 」


キラッと光るそれに向かい近づいていくと、徐々にそれがレイピアで、更にレオンの愛用しているモノである事にも気づくと、目の前で止まって首を大きく傾げた。


「 何でレオンのレイピアがここに?? 」


ジッ……とソレを見つめると、刺さった所からはドクドクと黒い血の様にも見える液体が流れ出ているのを確認する。

流石にこのままにしておくのも……。

そう考えて、とりあえずレオンのレイピアをそこから抜こうと、手を触れようとした瞬間────……。


   
「 そのに近づくな。

汚らわしい大罪人がっ。 」



怒り、憎しみ、嫌悪……それを隠そうともしない攻撃的な声が、背後から突然聞こえて、俺はゆっくりと振り返った。


そこには一人の青年が腕を組んで立っていて、こちらを睨みつけてる。


輝くような金色の髪と透き通った青い目……。

10人中10人が思わず振り返るような完璧なまでに美しい外見は、まるで作り物の様にも見せる。

憎悪の燃える目がなければ、それこそ神話に出てくる天使様と言っても過言ではない様な出で立ちの青年だ。

会った事はなくとも、俺はその青年をよく知っていた。


「 君は……< リーフ >? 」


俺の問いに答えるのも忌々しいとばかりに、青年は顔を歪めながら鼻で笑う。

そして酷く高圧的で傲慢チキな物言いで< リーフ >は言った。


「 私の名を口にするな。

神が定めし運命を変えようとする ” 世界 ” の大罪人が。

この本物の< リーフ・フォン・メルンブルク >が、偽物である貴様を葬り去り、この ” 世界 ” を本来あるべき ” 正しき姿 ” に変えるため生まれかわる。

とっとと消えよ、この醜い偽物め。 」

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