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第四十四章
1385 進撃の旗
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( ダリオス )
バンはゴクリと喉を鳴らし、確認する様に俺の方へ視線を向けた。
俺はその視線を受けながら空に出現している魔法陣を睨みつけると、どうやらそれも人型種が使う魔法スキルを使った攻撃に似ていたため、小さく頷く。
そしてそのまま試しに蜘蛛型人間達に威力の弱い攻撃を広範囲に使ってみると────なんと今度は別々の回避や防御スキルを使って防いできたので、疑惑は確信へと変わった。
「 人型をしている蜘蛛人間は、人型種特有のスキルを使っている。
全員が違う能力を使っている事から、恐らく……あれは……。 」
俺の言い淀む言葉から、隊員達は全てを理解した様だ。
恐らく本体を構成している部品達の正体は、あのSランクモンスターが食した人型種や他の生物だろう。
食してなお、その本体の部品として使うなど、胸糞悪い。
隠す事なく嫌悪感を顕にし、更に犠牲になった後も部品として使われている同種達に無念の気持ちが湧いた。
選択する自由もなく、ただ本体を構成する一部をしてしか生きられない事は地獄だ。
一刻も早く土に帰してやりたいと思う。
「 ……すまない。 」
ポッカリと大きく開いた黒い穴の様な目を見下ろしながら、助けられない事を心の中で懺悔し、一斉攻撃を命じるためゆっくりと片手を上げていった。
スキルとは、別名 ” 心の力 ” とも呼ばれていて、人の複雑な感情によって強い力を発するモノだという学者もいる。
そして強い想いが、それを進化させるモノだとも……。
その説が本当なら、蜘蛛型人間達のスキルはこれ以上新たに発現する事はなく、今使っている ” 力 ” は、かつての心の残骸だ。
それを意思無く使われるなど、最大の ” 個 ” に対する冒涜でしかない。
「 目標、蜘蛛型人間。
チリ一つ残さず大地に還せ。 」
俺がそう静かに告げると、全員が沈痛な面持ちで蜘蛛型人間達に向かい、一斉攻撃を開始。
そのお陰でその肉片は、再生不可能と思われるまで飛び散っていった。
「 ────……やったか? 」
バラバラに弾け飛び、もはや生物としての形を残していない蜘蛛型人間達を見下ろし、何とも言えない気持ちを抱く。
しかし、それを直ぐに切り替え本体に意識を集中しようとした、その時だった。
《 ギャハハハ────ッハはははは────っハッハッハ────ッ!!!! 》
《 ギャはっハハッ────ははははははは────ッ!!! 》
突然、本体を構成している部品達や、そこら中に散らばっている肉片達から一斉に笑う笑い声の様なモノが聞こえてきたのだ。
「 ────なっ……なんだ? 」
余りの煩しさに顔を顰めて視線を動かすと、ぽっかり開いた目と口、肉片の断面からと……穴の開いた部分全てからその笑い声は漏れている様であった。
そして子蜘蛛がやはり地中から這い出て、肉片に群がっていくと、なんとまたしても違う形の存在へと生まれ変わる。
「 あ、あの状態でも再生すんのかよ……。 」
「 そうみたいだね……。本体を倒さないと、ミンチにしても無駄みたいだ。
しかも、さっきの蜘蛛型人間だけじゃない。
形が変わってるやつもいるね……。
多分形が違うやつは新たな能力と……それに数も増えている……! 」
ヒューイとバンが下で再生していく肉片達を見下ろし、ゴクリとツバを飲み込むと、再生した肉片達の中で翼の生えたモノが、俺達のフィールドである空へと羽ばたいた。
地上には先ほど同様の下半身が蜘蛛で上半身は人や動物の形をしている< 蜘蛛型人間 >が……そして、地上には蜘蛛型人間に鳥の翼の様なモノが生えた< 鳥型人間 >が、飛竜隊を囲む。
その数は先ほどの10倍はいる様で、数も爆発的に増えてしまった様だ。
「 迂闊に攻撃すれば、また数が爆発的に増えるか……。
イタズラに数を増やせば俺達の負けだ。 」
俺はそれを確信し、空からの攻撃と地上からの攻撃に対処しながら、” どうする? ” と考え込む。
勝つことは不可能……。
そんな絶望が過ったが、それでも俺はここを引くわけにはいかないのだ。
両親の残してくれた言葉 ” ただ幸せに ”
それを叶えるためには、ここで必ずコイツを止めなければならない。
両親の顔、そして……先ほど初めて話した我が子マービンの顔を思い浮かべた。
マービンは俺にとても似ている。
威勢がいいくせに、何だかんだと自分に自信がなくて……素直になれずに、周りの意見に流される。
それでも──── ” 悪 ” にはなりきれない。
ルイーンやマクベルとは全く違う気質を持った子で、少し前から、全く逆の方向へと走っていってくれた様だ。
だから……俺なんかがいなくても大丈夫。
巨大ランスを持つ手を握り、” この命を使ってでも……! ” と考えた、その時────……突然グワッ!!と自分のステータスが急上昇した感覚に襲われた。
「 ────??な、なんだ?? 」
不思議に思い、回りを確認すると、どうもそれを感じたのは俺だけではなかった様で、全員が訝しげな顔で、攻撃を防いでいる様だ。
これは……強化系のスキルか……??
前から飛んでくる魔法弾をさして力も入れずに叩き落とせたのを確認し頷くと、突然下から急上昇してきた影が、バッ!!!と前に飛び出す。
そしてその影がマービンが生まれた時に同時に生まれた白い飛竜だと気づいた瞬間、その上に乗っている人物が大声で笑い出した。
「 わーはっはっ!!喜べ!飛竜共よ!!
このライロンド家の正当な次期当主様であるマービンが力を貸してやろう!
さぁ、俺に従い、ひれ伏すといい!! 」
その人物は、見事に白い飛竜を乗りこなしているマービンで……俺やサンサ達、そして他の飛竜隊の隊員達も、その全員が目を見開いて驚いている。
< 司令士の資質 > ( ユニーク固有スキル )
< 竜人達の進撃の旗 >
竜に騎乗している味方達に限定し、全ステータス値を極UPさせ、また有利属性ボーナスを付与する事ができる
また資質固有能力も大幅にUPさせ、逆に敵のステータス値、属性能力値は大幅にダウンさせる。
(発現条件)
一定以上のステータス値、竜との絆値、決意、勇気、希望、根性、闘志、カリスマがある事
一定以上の精神負荷を経験している状態で、それを乗り越え、竜との ” 約束 ” を果たす事
バンはゴクリと喉を鳴らし、確認する様に俺の方へ視線を向けた。
俺はその視線を受けながら空に出現している魔法陣を睨みつけると、どうやらそれも人型種が使う魔法スキルを使った攻撃に似ていたため、小さく頷く。
そしてそのまま試しに蜘蛛型人間達に威力の弱い攻撃を広範囲に使ってみると────なんと今度は別々の回避や防御スキルを使って防いできたので、疑惑は確信へと変わった。
「 人型をしている蜘蛛人間は、人型種特有のスキルを使っている。
全員が違う能力を使っている事から、恐らく……あれは……。 」
俺の言い淀む言葉から、隊員達は全てを理解した様だ。
恐らく本体を構成している部品達の正体は、あのSランクモンスターが食した人型種や他の生物だろう。
食してなお、その本体の部品として使うなど、胸糞悪い。
隠す事なく嫌悪感を顕にし、更に犠牲になった後も部品として使われている同種達に無念の気持ちが湧いた。
選択する自由もなく、ただ本体を構成する一部をしてしか生きられない事は地獄だ。
一刻も早く土に帰してやりたいと思う。
「 ……すまない。 」
ポッカリと大きく開いた黒い穴の様な目を見下ろしながら、助けられない事を心の中で懺悔し、一斉攻撃を命じるためゆっくりと片手を上げていった。
スキルとは、別名 ” 心の力 ” とも呼ばれていて、人の複雑な感情によって強い力を発するモノだという学者もいる。
そして強い想いが、それを進化させるモノだとも……。
その説が本当なら、蜘蛛型人間達のスキルはこれ以上新たに発現する事はなく、今使っている ” 力 ” は、かつての心の残骸だ。
それを意思無く使われるなど、最大の ” 個 ” に対する冒涜でしかない。
「 目標、蜘蛛型人間。
チリ一つ残さず大地に還せ。 」
俺がそう静かに告げると、全員が沈痛な面持ちで蜘蛛型人間達に向かい、一斉攻撃を開始。
そのお陰でその肉片は、再生不可能と思われるまで飛び散っていった。
「 ────……やったか? 」
バラバラに弾け飛び、もはや生物としての形を残していない蜘蛛型人間達を見下ろし、何とも言えない気持ちを抱く。
しかし、それを直ぐに切り替え本体に意識を集中しようとした、その時だった。
《 ギャハハハ────ッハはははは────っハッハッハ────ッ!!!! 》
《 ギャはっハハッ────ははははははは────ッ!!! 》
突然、本体を構成している部品達や、そこら中に散らばっている肉片達から一斉に笑う笑い声の様なモノが聞こえてきたのだ。
「 ────なっ……なんだ? 」
余りの煩しさに顔を顰めて視線を動かすと、ぽっかり開いた目と口、肉片の断面からと……穴の開いた部分全てからその笑い声は漏れている様であった。
そして子蜘蛛がやはり地中から這い出て、肉片に群がっていくと、なんとまたしても違う形の存在へと生まれ変わる。
「 あ、あの状態でも再生すんのかよ……。 」
「 そうみたいだね……。本体を倒さないと、ミンチにしても無駄みたいだ。
しかも、さっきの蜘蛛型人間だけじゃない。
形が変わってるやつもいるね……。
多分形が違うやつは新たな能力と……それに数も増えている……! 」
ヒューイとバンが下で再生していく肉片達を見下ろし、ゴクリとツバを飲み込むと、再生した肉片達の中で翼の生えたモノが、俺達のフィールドである空へと羽ばたいた。
地上には先ほど同様の下半身が蜘蛛で上半身は人や動物の形をしている< 蜘蛛型人間 >が……そして、地上には蜘蛛型人間に鳥の翼の様なモノが生えた< 鳥型人間 >が、飛竜隊を囲む。
その数は先ほどの10倍はいる様で、数も爆発的に増えてしまった様だ。
「 迂闊に攻撃すれば、また数が爆発的に増えるか……。
イタズラに数を増やせば俺達の負けだ。 」
俺はそれを確信し、空からの攻撃と地上からの攻撃に対処しながら、” どうする? ” と考え込む。
勝つことは不可能……。
そんな絶望が過ったが、それでも俺はここを引くわけにはいかないのだ。
両親の残してくれた言葉 ” ただ幸せに ”
それを叶えるためには、ここで必ずコイツを止めなければならない。
両親の顔、そして……先ほど初めて話した我が子マービンの顔を思い浮かべた。
マービンは俺にとても似ている。
威勢がいいくせに、何だかんだと自分に自信がなくて……素直になれずに、周りの意見に流される。
それでも──── ” 悪 ” にはなりきれない。
ルイーンやマクベルとは全く違う気質を持った子で、少し前から、全く逆の方向へと走っていってくれた様だ。
だから……俺なんかがいなくても大丈夫。
巨大ランスを持つ手を握り、” この命を使ってでも……! ” と考えた、その時────……突然グワッ!!と自分のステータスが急上昇した感覚に襲われた。
「 ────??な、なんだ?? 」
不思議に思い、回りを確認すると、どうもそれを感じたのは俺だけではなかった様で、全員が訝しげな顔で、攻撃を防いでいる様だ。
これは……強化系のスキルか……??
前から飛んでくる魔法弾をさして力も入れずに叩き落とせたのを確認し頷くと、突然下から急上昇してきた影が、バッ!!!と前に飛び出す。
そしてその影がマービンが生まれた時に同時に生まれた白い飛竜だと気づいた瞬間、その上に乗っている人物が大声で笑い出した。
「 わーはっはっ!!喜べ!飛竜共よ!!
このライロンド家の正当な次期当主様であるマービンが力を貸してやろう!
さぁ、俺に従い、ひれ伏すといい!! 」
その人物は、見事に白い飛竜を乗りこなしているマービンで……俺やサンサ達、そして他の飛竜隊の隊員達も、その全員が目を見開いて驚いている。
< 司令士の資質 > ( ユニーク固有スキル )
< 竜人達の進撃の旗 >
竜に騎乗している味方達に限定し、全ステータス値を極UPさせ、また有利属性ボーナスを付与する事ができる
また資質固有能力も大幅にUPさせ、逆に敵のステータス値、属性能力値は大幅にダウンさせる。
(発現条件)
一定以上のステータス値、竜との絆値、決意、勇気、希望、根性、闘志、カリスマがある事
一定以上の精神負荷を経験している状態で、それを乗り越え、竜との ” 約束 ” を果たす事
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