【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

文字の大きさ
1,554 / 1,649
第五十章

1511 変態

しおりを挟む
( リーフ )

教会の上空に到着した俺は、直ぐにその屋外型の最上階を見回すも、そこにソフィアちゃんはいない。


「 一体どこにいるんだろう……。

とにかく中に入るしかないな。 」


そのままキョロキョロと教会中を見回すと、最上階あたりに巨大なイシュルを描いたステンドグラスが目に入る。

本当は良くないけど緊急事態だ。

あそこをぶち壊して侵入しよう!


「 神様仏様~イシュル神様~お許しを!

あげ玉~………………GO! 」


「 クッピピー!!( ラジャー! ) 」


南無南無~!と一応謝罪を口にした後、あげ玉に突撃を頼むとノリノリで突っ込んでくれた。


「 ソフィアちゃ────ん!!!! 」


────ガシャ~ン!!

癖になりそうなド派手な侵入に、やっほほ~い♬と楽しめたのは────ナイフを振り上げている変なオジさんと、ボロボロになったソフィアちゃんの姿が目に入るまでであった。


カシャ!

1カメ────血だらけで倒れているソフィアちゃんと、ナイフを振り上げてこちらを見上げているオジさん。

カシャ!!

2カメ────血だらけで倒れているソフィアちゃんと、ナイフを振り上げてこちらを見上げている暴漢オジさん。

カシャカシャ!!!

3カメ────血だらけで倒れているソフィアちゃんと、ナイフを振り上げてこちらを見上げている暴漢変態オジさん。


状況を正しく理解した俺は、上手く動けない体にムチを打ち立ち上がると……そのまま暴漢変態おじさんへ向かって一直線に飛んだ。


「 う……うわぁぁぁぁぁ────っ!!!! 」


変態オジさんは、目と口を大きく開けて俺から逃げようとしたが……俺は子供を狙う変態を絶対に逃さない!

怒天をつく怒りそのままに、俺は拳を大きく引き────思いっきり変態の顔を殴ってやった。


「 ────ヘブッ!!!! 」


────ゴッ!!……っ!!ゴッ!ゴッ!!

…………ゴロゴロゴロ~!!

変態は、変な叫び声を上げながら吹っ飛んでいき、床に何度もバウンドしながら最後はゴロゴロと転がっていく。

それを見届けた俺は、ガクンッ!と足が崩れ落ちそうになりながらも、直ぐにソフィアちゃんの方へ駆け寄った。


「 ソフィアちゃん!!大丈夫!? 」

「 リ……リー……フ様……。 」


その顔は酷く殴られていて腫れているし、体中赤黒い痣だらけ。

こんな幼い少女をこんなに殴るなんて……!!


「 ……よし、死刑! 」


プリプリと大激怒しながら、転がっていった変態にトドメを刺すため立ち上がろうとしたが……ソフィアちゃんに腕を掴まれたため、動きを止める。

直ぐにソフィアちゃんに視線を戻すと……ソフィアちゃんはボロボロと泣き出した。


「 リーフ様……あの化け物を倒してくれて……ありがとうございました……。 」


「 ……うん。ちゃんと倒してやったよ。

どういたしまして。 」


力強く頷くと、ソフィアちゃんはゴシゴシと目元を拭き、笑顔を見せる。


「 お怪我はありませんか? 」


自分の方がボロボロなのに人の身を心配するソフィアちゃんに困ってしまい、ちょいちょいと労る様にオデコを撫でた。


「 俺は元気だからさ。

ソフィアちゃんの方が酷い怪我だよ。

直ぐに治療してもらおうね。 」


確か、普通の回復魔法で自分の怪我は治す事はできないと聞いたことがある。

だから直ぐに誰かに治してもらわないと……。

しかし、どうやら街にいる誰かが発動したスキルにより、微妙な回復はできた様で、ソフィアちゃんも俺も多少体から痛みが引いていくのに気付く。


「 凄いや。なんだか沢山の人が戦いに参加しているみたいで、びっくりしたよ。 」


「 フフッ……私も驚いてます……。

此度の勝利は、この戦いに参加した全員のモノでもありますね……。 」


少しだけ動かせるようになった手で、ソフィアちゃんを抱き起こすと、ソフィアちゃんはハッ!として、恥ずかしそうに顔を下に向けた。


「 わ……私……酷い顔……してますよね……。

沢山殴られちゃいましたから……。

鼻血も出てるし……恥ずかしいです。 」


カァァ~……と真っ赤な顔になっていくソフィアちゃんの顔を、俺は袖でゴシゴシと優しく拭う。


「 俺なんて毎日出てるよ、鼻血!

いつもレオンに軽くぶっ飛ばされてさ。 」


本当に軽~く小突かれただけで、顔面血だらけになる事もしばしば。

それが悔しくて心の中で地団駄を踏んでいると、ソフィアちゃんはクスッと笑ってくれた。


「 そうですか……。

リーフ様とお揃いなら恥ずかしくないですね。 」


「 そうだね!

モルトとニールも、いつも花園と牧場を襲ってくるモンスターに襲われてしょっちゅう鼻血出てるよ。

他の皆もよく出てるね、好戦的だから。

皆お揃いお揃い。 」

しおりを挟む
感想 274

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。 第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
旧題:神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜  ※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!  2026/3/9に発売です!書籍は2026/3/11に発売(予約受付中)です!イラストは、にとろん様です。よろしくお願い致します!  ファンタジー小説大賞に投票して頂いた皆様には、大変感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! 表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 名前が  *   ゆるゆ  になりました。 これからもどうぞよろしくお願い致します! 表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 校正も自力です(笑)

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。 その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。 両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。 自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。 自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。 相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと… のんびり新連載。 気まぐれ更新です。 BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意! サブCPに人外CPはありますが、主人公は人外CPにはなりません。 (この世界での獣人は人間の種類の一つですので人外ではないです。) ストックなくなるまでは07:10に公開 他サイトにも掲載してます

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

処理中です...