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第五十章
1521 また……
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( リーフ )
「 ────そうか!
確かにソフィアちゃんが表に立てば、今回の事でソフィア派を押す声は増えて、エドワード坊やの動きを制限する事ができるね。 」
確かにこれだけの規模の戦いが起き、国のトップの王女様がその中心地で戦ってたとなれば、一気に情勢はソフィアちゃんへと傾く。
元々力を持っていた教会の力も増し、二分化していた教会内も一気にソフィアちゃんの一強へと纏まることだろう。
それを確実に知らしめるため、ソフィアちゃんが国民達の前に出る事が非常に良策だと言える。
だが────……。
「 ……ソフィアちゃんはそれでいいの?
本当はこういうの、やりたくないよね? 」
「 …………。 」
恐る恐る尋ねると、ソフィアちゃんは一瞬目を見開き、その後は困った様に笑った。
「 えぇ、仰る通り、私は人前に立つ事やこの様な大役を務めるのが好きではないし、正直怖いです。
でも私は……見て見ぬ振りができない性質も持っているみたいです。
知ってしまえば逃げられない。
だから、いつも逃げては後悔して……自分と自分のいる世界が大嫌いになっていました。 」
悲しげにそう言った後、ソフィアちゃんは、俺に深々と頭を下げる。
「 リーフ様、改めてあの化け物を倒してくださりありがとうございました。
もしあの化け物を倒してくれなかったら……私は ” 逃げる ” という選択肢しか選べなかった。
きっとそれを選んでいたら、心が死んでしまったと思います。
今いるソフィアは死に、その後は一体どんな自分になっていたのか……それがとても恐ろしい。 」
「 …………。 」
自分の手を見下ろし、最後はボソッと呟く様に言ったソフィアちゃんを、俺は無言で見つめた。
物語の中のソフィアちゃんは、直ぐにこの場から逃れるが、その後に他の派閥の貴族にここぞとばかりに攻撃されるはず。
更にそれだけに留まらず、守ろうとした国民達にまで石を投げられる様になり、性格がガラリと変わってしまうまで壊されてしまったのだ。
「 ────あ。 」
そこでカチッ!と線と線がつながった。
物語の中、レオンハルトとリーフが高学院の在学中にソフィアちゃんが一切一切登場しなかった理由。
もしかして、この事件のせいで、身分が高い貴族しか通えない高学院には通えなかったんじゃないだろうか?
敵だらけの中に身を投じれば、更に追い打ちをかけられるかもしれないから。
王族なのに通わないなんておかしいと思っていたんだよね~。
思わずポンッ!と拳を手に打ち付け、納得してしまった。
そして……そんな状態にも関わらず、最後は自分の唯一の味方でいてくれたアゼリアちゃんの ” 死 ” だ。
その時のソフィアちゃんの目には……その世界がどんなモノに見えていたんだろう?
しんみりしてしまった俺とは逆に、ソフィアちゃんは突然キラキラした目で、自分の胸を叩いた。
「 私はこれから、キラキラした目で大好きな歴史書を見たいんです。
だから、私は私の持つ全てを使って戦う事を選びたいと思いました。
それはエドワードお兄様と並ぶ権力を持つ、このソフィアにしかできませんから。 」
その目には迷いも怯えもない。
ソフィアちゃんは周りに何か言われたわけでもなく、その答えを自分で覚悟して選んだ事が分かる。
凄いな、強いなソフィアちゃんは……。
俺は動く様になってきた体を無理やり動かし、レオンの上からピョンッ!と飛んで、ソフィアちゃんの後ろへと飛び移った。
そして驚くソフィアちゃんを後ろからギュッ~!と抱きしめる。
「 うん、分かった!
やりたいと想ったのなら、何でもやっておいで! 」
「 は、はい……! 」
耳を真っ赤にしたソフィアちゃんがコクコクと頷くと、レオンからはどす黒い嫉妬のオーラが漂い、そのまま即座に引っ張られてその腕の中に戻された。
そしてそのまま最強レベルのアナコンダ・ホールド!
ギシギシと瀕死の体に鋭い痛みが染み渡るが、とにかく我慢する。
そんな俺達を見て、くすくす笑ったソフィアちゃんだったが……突然迷子の子供の様な顔をして、恐る恐る口を開いた。
「 でも……やっぱり不安も恐怖する心もあります。
だから…………どうしようもなくなったら…………また ” 道 ” を見せてくれますか……? 」
「 うん!いいよ! 」
なんだか抽象的な言い方であったが、きっと迷った時に一緒に頑張ろう的な事だと察した俺は、もちろん全肯定する。
すると、ソフィアちゃんはパァァァ~!とホントに嬉しそうな笑顔を見せてくれた後、すぐに ” 王女様 ” の顔へ。
準備ができたらしいソフィアちゃんに向かい、アナコンダ・ホールドから出ている片手をヒラヒラと振って ” 頑張れ! ” アピールをしておいた。
「 ────そうか!
確かにソフィアちゃんが表に立てば、今回の事でソフィア派を押す声は増えて、エドワード坊やの動きを制限する事ができるね。 」
確かにこれだけの規模の戦いが起き、国のトップの王女様がその中心地で戦ってたとなれば、一気に情勢はソフィアちゃんへと傾く。
元々力を持っていた教会の力も増し、二分化していた教会内も一気にソフィアちゃんの一強へと纏まることだろう。
それを確実に知らしめるため、ソフィアちゃんが国民達の前に出る事が非常に良策だと言える。
だが────……。
「 ……ソフィアちゃんはそれでいいの?
本当はこういうの、やりたくないよね? 」
「 …………。 」
恐る恐る尋ねると、ソフィアちゃんは一瞬目を見開き、その後は困った様に笑った。
「 えぇ、仰る通り、私は人前に立つ事やこの様な大役を務めるのが好きではないし、正直怖いです。
でも私は……見て見ぬ振りができない性質も持っているみたいです。
知ってしまえば逃げられない。
だから、いつも逃げては後悔して……自分と自分のいる世界が大嫌いになっていました。 」
悲しげにそう言った後、ソフィアちゃんは、俺に深々と頭を下げる。
「 リーフ様、改めてあの化け物を倒してくださりありがとうございました。
もしあの化け物を倒してくれなかったら……私は ” 逃げる ” という選択肢しか選べなかった。
きっとそれを選んでいたら、心が死んでしまったと思います。
今いるソフィアは死に、その後は一体どんな自分になっていたのか……それがとても恐ろしい。 」
「 …………。 」
自分の手を見下ろし、最後はボソッと呟く様に言ったソフィアちゃんを、俺は無言で見つめた。
物語の中のソフィアちゃんは、直ぐにこの場から逃れるが、その後に他の派閥の貴族にここぞとばかりに攻撃されるはず。
更にそれだけに留まらず、守ろうとした国民達にまで石を投げられる様になり、性格がガラリと変わってしまうまで壊されてしまったのだ。
「 ────あ。 」
そこでカチッ!と線と線がつながった。
物語の中、レオンハルトとリーフが高学院の在学中にソフィアちゃんが一切一切登場しなかった理由。
もしかして、この事件のせいで、身分が高い貴族しか通えない高学院には通えなかったんじゃないだろうか?
敵だらけの中に身を投じれば、更に追い打ちをかけられるかもしれないから。
王族なのに通わないなんておかしいと思っていたんだよね~。
思わずポンッ!と拳を手に打ち付け、納得してしまった。
そして……そんな状態にも関わらず、最後は自分の唯一の味方でいてくれたアゼリアちゃんの ” 死 ” だ。
その時のソフィアちゃんの目には……その世界がどんなモノに見えていたんだろう?
しんみりしてしまった俺とは逆に、ソフィアちゃんは突然キラキラした目で、自分の胸を叩いた。
「 私はこれから、キラキラした目で大好きな歴史書を見たいんです。
だから、私は私の持つ全てを使って戦う事を選びたいと思いました。
それはエドワードお兄様と並ぶ権力を持つ、このソフィアにしかできませんから。 」
その目には迷いも怯えもない。
ソフィアちゃんは周りに何か言われたわけでもなく、その答えを自分で覚悟して選んだ事が分かる。
凄いな、強いなソフィアちゃんは……。
俺は動く様になってきた体を無理やり動かし、レオンの上からピョンッ!と飛んで、ソフィアちゃんの後ろへと飛び移った。
そして驚くソフィアちゃんを後ろからギュッ~!と抱きしめる。
「 うん、分かった!
やりたいと想ったのなら、何でもやっておいで! 」
「 は、はい……! 」
耳を真っ赤にしたソフィアちゃんがコクコクと頷くと、レオンからはどす黒い嫉妬のオーラが漂い、そのまま即座に引っ張られてその腕の中に戻された。
そしてそのまま最強レベルのアナコンダ・ホールド!
ギシギシと瀕死の体に鋭い痛みが染み渡るが、とにかく我慢する。
そんな俺達を見て、くすくす笑ったソフィアちゃんだったが……突然迷子の子供の様な顔をして、恐る恐る口を開いた。
「 でも……やっぱり不安も恐怖する心もあります。
だから…………どうしようもなくなったら…………また ” 道 ” を見せてくれますか……? 」
「 うん!いいよ! 」
なんだか抽象的な言い方であったが、きっと迷った時に一緒に頑張ろう的な事だと察した俺は、もちろん全肯定する。
すると、ソフィアちゃんはパァァァ~!とホントに嬉しそうな笑顔を見せてくれた後、すぐに ” 王女様 ” の顔へ。
準備ができたらしいソフィアちゃんに向かい、アナコンダ・ホールドから出ている片手をヒラヒラと振って ” 頑張れ! ” アピールをしておいた。
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