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第五十一章
1563 いい加減に……
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( リーフ )
これは以前ドノバンが修行の最中に聞かせてくれた雑談にて知った事だが、全てのエドワード派閥の貴族たちは好きで加入しているわけではないらしい。
エドワード派閥にもアーサー派閥にも加入していない貴族達は、基本争いは好まず教会の掲げる中立派寄り。
しかし、仕事上の役割はきちんと分けたいため、身分制度自体を否定しているわけではない人達だ。
要するに、貴族は貴族の、平民は平民の仕事を全うし、それぞれのメリットデメリットを受け入れましょう……という、貴族としてのメリットだけを望まない人たちなのだ。
更に、それぞれが色んな商売をする事によって利益を得ているのだが、国の法律的に高位貴族達の了承を得なければならない場面も多く、エドワード派閥加入を拒めばあっという間に没落させられてしまう。
そのため自領を守るために、仕方なく従う事を選択したわけだが……。
「 流石にこんな事件が起きちゃえば、これまで通り大人しくはしてられないよ。 」
今まで大人しく尽くしてきたのは、自分の大事な家族と国民達を守るため。
それをこんな酷い方法で犠牲にしようとするなんて、善良に働いている貴族からすれば、本末転倒というやつだ。
だからソフィア派閥へ加入し、全員が今がチャンスとばかり声をあげた。
これは彼らなりの復讐。
復讐は自分が弱った時に一気に襲ってくるモノって事。
悪い事しちゃ駄目でちゅよ~?
こうなりまちゅからね~!
相変わらず絶対分かっていない爆弾少年レオンと、好戦的に戦いを挑んでいくあげ玉をナデナデしながら、心の中で言い聞かせておいた。
「 我々第二騎士団は、アーサー派閥の代表としてこれからソフィア派閥と友好的な関係を築きたく思います。 」
「 第二魔法騎士団も同じくで~す。 」
声をあげた貴族に続き、アーサー派閥の最強戦力といえる第二騎士団と第二魔法騎士団まで参戦すれば、侯爵家ジェンスター家であるドノバンもハイハ~イと手を挙げ「 俺も入りま~す。 」と軽い感じで返事をする。
教会の権力に加え、侯爵家、伯爵家、辺境伯、各地で様々な事業で利益を上げている貴族達の加入。
更にはアーサー派閥のバックまでつくとなれば、ソフィア派閥は一気に力を持つ。
しかも今回の戦いによって国民からは絶大な支持を得たソフィアちゃんは、それこそ下手に暗殺でもしようものなら、各方面から一気に反発が出て、残るアーサー派閥へ人が殺到する事だろう。
「 ぐ……っ……ぐぬぬ……っ……! 」
流石にそれは想像できたらしく、エドワードは額の血管をピクピクさせながら、何か言いたそうに口元を引きつらせている。
俺はこの時点で ” よ~し!やれやれ~!! ” と、頭の中でエアパンチして皆を応援しつつ、憎しみ全開なエドワード達を見回した。
自分に従わない存在を力で抑え込み続ければ、いつかは必ずこの結果にたどり着く。
エドワード達は、自らの手で新たな強敵を生み、更に育ててしまったと言う事だ。
自分の望みが叶う楽園を作ろうとしたのに、これって凄く皮肉な話だなと思う。
プスス~と密かに笑っていると、突然ダンッ!!!という何かを床に叩きつける音がしたため、全員の視線は音の発生源へ。
そこには顔を真っ赤にし、鬼の様な形相をしている女性がいて、その足元には扇子が落ちていた。
どうやら先程の音は、その扇子が叩きつけられた音だったらしい。
「 先程から大人しくしていればっ……いい加減になさいませっ!!!! 」
フーッ!!フーッ!!と荒い息を吐きながら、ザ・大激怒しているこの女性……あれは確か……??
必死に記憶をほじくっている間に、その女性は更に続けて怒鳴り散らす。
「 たかが一時の感情で動くなど貴族に在るまじき行動……それを恥じなさい!!
皆様はキチンと貴族としての義務と責任を果たすべきです。
その様な出来立てのわけの分からぬ派閥に入るなど……許されませんよ!!
どこかの野良犬も勝手に喚いていましたが、好きに吠えさせといて下さいませ。
この後然るべき対応をさせていただきますので、どうかお気になさらずに……。
我がライロンド家は、今まで通りエドワード様の元で尽力していきます。
当然でしょう?
それが正しい貴族の在り方なのだから。 」
ペラペラ~!!────ツツンッ!!
よく回る舌を存分に使い、相手に喋らせない高等話術。
そして愛想の欠片どころか概念もない攻撃的な態度。
このクレーマーのプロみたいな人には覚えがなかったが、とりあえずライロンド家と言われて、やっと正体が判明した。
マービン君のお母さんか!
無表情で前を見ているマービン君の方を見て、あ~……と思わず遠い目をしてしまう。
以前サイモンから聞いたライロンド家の話では、ライロンド家の直系はお母さん……つまり今現在激怒しているルィーンさんという女性だ。
エドワード派閥のNo.2で、過激な性格でとても有名な人でもある。
これは以前ドノバンが修行の最中に聞かせてくれた雑談にて知った事だが、全てのエドワード派閥の貴族たちは好きで加入しているわけではないらしい。
エドワード派閥にもアーサー派閥にも加入していない貴族達は、基本争いは好まず教会の掲げる中立派寄り。
しかし、仕事上の役割はきちんと分けたいため、身分制度自体を否定しているわけではない人達だ。
要するに、貴族は貴族の、平民は平民の仕事を全うし、それぞれのメリットデメリットを受け入れましょう……という、貴族としてのメリットだけを望まない人たちなのだ。
更に、それぞれが色んな商売をする事によって利益を得ているのだが、国の法律的に高位貴族達の了承を得なければならない場面も多く、エドワード派閥加入を拒めばあっという間に没落させられてしまう。
そのため自領を守るために、仕方なく従う事を選択したわけだが……。
「 流石にこんな事件が起きちゃえば、これまで通り大人しくはしてられないよ。 」
今まで大人しく尽くしてきたのは、自分の大事な家族と国民達を守るため。
それをこんな酷い方法で犠牲にしようとするなんて、善良に働いている貴族からすれば、本末転倒というやつだ。
だからソフィア派閥へ加入し、全員が今がチャンスとばかり声をあげた。
これは彼らなりの復讐。
復讐は自分が弱った時に一気に襲ってくるモノって事。
悪い事しちゃ駄目でちゅよ~?
こうなりまちゅからね~!
相変わらず絶対分かっていない爆弾少年レオンと、好戦的に戦いを挑んでいくあげ玉をナデナデしながら、心の中で言い聞かせておいた。
「 我々第二騎士団は、アーサー派閥の代表としてこれからソフィア派閥と友好的な関係を築きたく思います。 」
「 第二魔法騎士団も同じくで~す。 」
声をあげた貴族に続き、アーサー派閥の最強戦力といえる第二騎士団と第二魔法騎士団まで参戦すれば、侯爵家ジェンスター家であるドノバンもハイハ~イと手を挙げ「 俺も入りま~す。 」と軽い感じで返事をする。
教会の権力に加え、侯爵家、伯爵家、辺境伯、各地で様々な事業で利益を上げている貴族達の加入。
更にはアーサー派閥のバックまでつくとなれば、ソフィア派閥は一気に力を持つ。
しかも今回の戦いによって国民からは絶大な支持を得たソフィアちゃんは、それこそ下手に暗殺でもしようものなら、各方面から一気に反発が出て、残るアーサー派閥へ人が殺到する事だろう。
「 ぐ……っ……ぐぬぬ……っ……! 」
流石にそれは想像できたらしく、エドワードは額の血管をピクピクさせながら、何か言いたそうに口元を引きつらせている。
俺はこの時点で ” よ~し!やれやれ~!! ” と、頭の中でエアパンチして皆を応援しつつ、憎しみ全開なエドワード達を見回した。
自分に従わない存在を力で抑え込み続ければ、いつかは必ずこの結果にたどり着く。
エドワード達は、自らの手で新たな強敵を生み、更に育ててしまったと言う事だ。
自分の望みが叶う楽園を作ろうとしたのに、これって凄く皮肉な話だなと思う。
プスス~と密かに笑っていると、突然ダンッ!!!という何かを床に叩きつける音がしたため、全員の視線は音の発生源へ。
そこには顔を真っ赤にし、鬼の様な形相をしている女性がいて、その足元には扇子が落ちていた。
どうやら先程の音は、その扇子が叩きつけられた音だったらしい。
「 先程から大人しくしていればっ……いい加減になさいませっ!!!! 」
フーッ!!フーッ!!と荒い息を吐きながら、ザ・大激怒しているこの女性……あれは確か……??
必死に記憶をほじくっている間に、その女性は更に続けて怒鳴り散らす。
「 たかが一時の感情で動くなど貴族に在るまじき行動……それを恥じなさい!!
皆様はキチンと貴族としての義務と責任を果たすべきです。
その様な出来立てのわけの分からぬ派閥に入るなど……許されませんよ!!
どこかの野良犬も勝手に喚いていましたが、好きに吠えさせといて下さいませ。
この後然るべき対応をさせていただきますので、どうかお気になさらずに……。
我がライロンド家は、今まで通りエドワード様の元で尽力していきます。
当然でしょう?
それが正しい貴族の在り方なのだから。 」
ペラペラ~!!────ツツンッ!!
よく回る舌を存分に使い、相手に喋らせない高等話術。
そして愛想の欠片どころか概念もない攻撃的な態度。
このクレーマーのプロみたいな人には覚えがなかったが、とりあえずライロンド家と言われて、やっと正体が判明した。
マービン君のお母さんか!
無表情で前を見ているマービン君の方を見て、あ~……と思わず遠い目をしてしまう。
以前サイモンから聞いたライロンド家の話では、ライロンド家の直系はお母さん……つまり今現在激怒しているルィーンさんという女性だ。
エドワード派閥のNo.2で、過激な性格でとても有名な人でもある。
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