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第五十二章
1591 間違いじゃなかった?
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(ニコラ)
言っている事に重みがあるが、リーフ殿がそれを言う事には非常に違和感がある。
しかし……なるほどと、納得はした。
同じ親から生まれたエドワードとアーサー、ソフィアも、それぞれ個性があってバラバラだ。
勿論私も同じ様に個性がある。
「……私のしてきた事は……間違っていなかったのだろうか……?」
気づけばポロッ……と、その言葉が口から出てしまった。
ハッ!として、発言を訂正しようとしたが、それより先にリーフ殿に頷かれてしまう。
「全力で頑張った人を間違っているなんて誰も言えないよ。
頑張って駄目なら仕方ない!
世界は沢山の人達で創る集合体なんだから、自分が死ぬほど頑張って駄目だったら、誰かに助けてもらえばいい。」
「それで……いいのだろうか?
しかし────リーフ殿は、一人でも間違いなく進めているのではないのか?助けなど必要であるとは思えない。」
少なくとも、私の目に映るリーフ殿は、人生に迷いはない様に思える。
両親に捨てられ、拒絶され、更に殺されかけても……強く逞しく、誰もが到達できぬ高みへと辿りついた。
そんな完璧にも見えるリーフ殿の前で、つい後ろ向きな気持ちになって……また本音を漏らしてしまったが、なんとリーフ殿はブっ!!と吹き出す。
「一人でどんなに頑張ったって、誰かに助けてもらわないと人生ってハッピーエンドにはならないんだ。
でも助けてもらうだけじゃ駄目で、自分も死ぬほど頑張って誰かを助けないと、そこには辿りつけないと思うよ。
だから、大丈夫。
頑張り続ければ、今がどんなに辛くても最後はハッピーエンドになるからさ!」
リーフ殿はドンッ!と胸を叩き、「これ実体験!……じゃなかった!うっそ~!」と、やはりよくわからない事を言っていた。
しかし、私はきっとこの言葉が嬉しかったのだと思う。
『悪』によって汚れていく世界に絶望し、最後は地獄へと道連れにしようと思っていたというのに……そんな気持ちがすっかり消えていたから。
「では、これから私は死ぬまで頑張り続けて人を助けようと思う。
だからまた……どうしても前に進めなくなったら、助けてくれるか?救世主殿。」
祈る様にそう尋ねると、やはり何でもないかの様に、リーフ殿はあっけらかんと答えた。
「いいよ!またエドワードの悪タレ坊主が悪い事しようとしたら、ぶっ飛ばしにくるから!」
キッパリと言い切って、更にヒュンヒュン!と子供を叩く様なジェスチャーを見せる救世主殿。
それにまた笑ってしまったが……突然リーフ殿の隣に現れた人物を見て、僅かに顔はこわばった。
「……『黒』。」
姿を見せたのは、リーフ殿の奴隷であるレオン殿だ。
レオン殿もまた、此度の戦いの功労者であり、感謝すべき相手であった。
イシュル教の最大のタブー。その存在への恐ろしさは、勿論この心の中にある。しかし────……。
私は胸に手を当て、レオン殿に向かって話しかけた。
「リーフ殿の奴隷であるレオン殿。此度は誠に大義であった。何か望むモノはあるだろうか?」
恐怖はあれど、今見えている美しい世界の中で見る『黒』は、なんだか恐ろしさが半減している様に見えたのだ。
そのため、私は平等にレオン殿へ望むモノを贈りたいと思ったのだが……なんと完璧に無視されてしまった。
「こらっ!レオン!!挨拶はちゃんとしないと駄目じゃないか!」
「…………。」
リーフ殿に叱られ、ジトッ……とした目を向けたレオン殿は、そのままグルグルとリーフ殿の周りを回る。
「遊び終わりました?」
「では、うるさいので家に帰りましょう。今直ぐ。」
「帰ったらお風呂ですね。随分汚れてしまいましたし……。」
ブツブツ、チクチク!
不満たらたらなレオン殿は、念入りにリーフ殿の体に洗浄魔法をかけると、そのまま更に怒ろうとしたリーフ殿を押さえつける様に、正面からくっつき目を閉じた。
「…………。」
その態度は奴隷とは思えない自由なもので、正直驚いてしまったが……主人のリーフ殿自体が、元々規格外なお方だ。もう何も驚くまい。
「全く~……。」
大人しく見守る私の前で、リーフ殿は大きなため息をついた後、覆いかぶさる様にくっついているレオン殿を、グワッ!と持ち上げ肩に担いだ。
しかし、レオン殿の方がかなり大きいためか、なんだか非常にアンバランスな様に見えて、心配になる程。
しかし、そんな心配を他所に、リーフ殿は私に向かってペコリとお辞儀をした。
「うちの子が失礼をしてすみません~。最近はちゃんと挨拶できる様になってきたのですが、どうも今日は緊張しているみたいで~……。」
「あ……いや、どうか気にしないで欲しい。ただ、レオン殿の望みは如何しようか……。何かあれば用意し、後で届けさせるが……。」
言っている事に重みがあるが、リーフ殿がそれを言う事には非常に違和感がある。
しかし……なるほどと、納得はした。
同じ親から生まれたエドワードとアーサー、ソフィアも、それぞれ個性があってバラバラだ。
勿論私も同じ様に個性がある。
「……私のしてきた事は……間違っていなかったのだろうか……?」
気づけばポロッ……と、その言葉が口から出てしまった。
ハッ!として、発言を訂正しようとしたが、それより先にリーフ殿に頷かれてしまう。
「全力で頑張った人を間違っているなんて誰も言えないよ。
頑張って駄目なら仕方ない!
世界は沢山の人達で創る集合体なんだから、自分が死ぬほど頑張って駄目だったら、誰かに助けてもらえばいい。」
「それで……いいのだろうか?
しかし────リーフ殿は、一人でも間違いなく進めているのではないのか?助けなど必要であるとは思えない。」
少なくとも、私の目に映るリーフ殿は、人生に迷いはない様に思える。
両親に捨てられ、拒絶され、更に殺されかけても……強く逞しく、誰もが到達できぬ高みへと辿りついた。
そんな完璧にも見えるリーフ殿の前で、つい後ろ向きな気持ちになって……また本音を漏らしてしまったが、なんとリーフ殿はブっ!!と吹き出す。
「一人でどんなに頑張ったって、誰かに助けてもらわないと人生ってハッピーエンドにはならないんだ。
でも助けてもらうだけじゃ駄目で、自分も死ぬほど頑張って誰かを助けないと、そこには辿りつけないと思うよ。
だから、大丈夫。
頑張り続ければ、今がどんなに辛くても最後はハッピーエンドになるからさ!」
リーフ殿はドンッ!と胸を叩き、「これ実体験!……じゃなかった!うっそ~!」と、やはりよくわからない事を言っていた。
しかし、私はきっとこの言葉が嬉しかったのだと思う。
『悪』によって汚れていく世界に絶望し、最後は地獄へと道連れにしようと思っていたというのに……そんな気持ちがすっかり消えていたから。
「では、これから私は死ぬまで頑張り続けて人を助けようと思う。
だからまた……どうしても前に進めなくなったら、助けてくれるか?救世主殿。」
祈る様にそう尋ねると、やはり何でもないかの様に、リーフ殿はあっけらかんと答えた。
「いいよ!またエドワードの悪タレ坊主が悪い事しようとしたら、ぶっ飛ばしにくるから!」
キッパリと言い切って、更にヒュンヒュン!と子供を叩く様なジェスチャーを見せる救世主殿。
それにまた笑ってしまったが……突然リーフ殿の隣に現れた人物を見て、僅かに顔はこわばった。
「……『黒』。」
姿を見せたのは、リーフ殿の奴隷であるレオン殿だ。
レオン殿もまた、此度の戦いの功労者であり、感謝すべき相手であった。
イシュル教の最大のタブー。その存在への恐ろしさは、勿論この心の中にある。しかし────……。
私は胸に手を当て、レオン殿に向かって話しかけた。
「リーフ殿の奴隷であるレオン殿。此度は誠に大義であった。何か望むモノはあるだろうか?」
恐怖はあれど、今見えている美しい世界の中で見る『黒』は、なんだか恐ろしさが半減している様に見えたのだ。
そのため、私は平等にレオン殿へ望むモノを贈りたいと思ったのだが……なんと完璧に無視されてしまった。
「こらっ!レオン!!挨拶はちゃんとしないと駄目じゃないか!」
「…………。」
リーフ殿に叱られ、ジトッ……とした目を向けたレオン殿は、そのままグルグルとリーフ殿の周りを回る。
「遊び終わりました?」
「では、うるさいので家に帰りましょう。今直ぐ。」
「帰ったらお風呂ですね。随分汚れてしまいましたし……。」
ブツブツ、チクチク!
不満たらたらなレオン殿は、念入りにリーフ殿の体に洗浄魔法をかけると、そのまま更に怒ろうとしたリーフ殿を押さえつける様に、正面からくっつき目を閉じた。
「…………。」
その態度は奴隷とは思えない自由なもので、正直驚いてしまったが……主人のリーフ殿自体が、元々規格外なお方だ。もう何も驚くまい。
「全く~……。」
大人しく見守る私の前で、リーフ殿は大きなため息をついた後、覆いかぶさる様にくっついているレオン殿を、グワッ!と持ち上げ肩に担いだ。
しかし、レオン殿の方がかなり大きいためか、なんだか非常にアンバランスな様に見えて、心配になる程。
しかし、そんな心配を他所に、リーフ殿は私に向かってペコリとお辞儀をした。
「うちの子が失礼をしてすみません~。最近はちゃんと挨拶できる様になってきたのですが、どうも今日は緊張しているみたいで~……。」
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